レンタカーオービス撮影後の対応と罰金・免停

レンタカー運転時のオービス対応方法

レンタカーオービス撮影後の呼び出し手続き

オービスが作動した場合、システムの仕組みは以下の通りです。撮影された写真に運転手の顔とナンバープレートが同時に写っていることが証拠として機能します。自家用車とは異なり、レンタカーの場合はナンバーから所有者であるレンタカー会社が特定され、そこに呼び出し通知（出頭命令通知）が最初に郵送されます。

 

レンタカー会社が通知を受け取った後、利用者に対して違反情報を通知する法的義務があります。会社が意図的に違反者の特定情報を警察に隠蔽すれば、刑法103条の「犯人隠避罪」に問われ、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処せられるリスクがあるためです。このため、レンタカー会社は必ず利用者に違反内容を連絡し、対応を求めてきます。

 

レンタカーオービス撮影時の罰金と違反点数

超過速度によって罰金と違反点数が段階的に設定されています。オービスの対象となるスピード違反は、一般道で30km/h以上、高速道路で40km/h以上の超過が基準です。

 

超過速度	普通車の罰金	違反点数（一般道）	違反点数（高速道）
15未満	9,000円	-	-
15以上20未満	12,000円	-	-
20以上25未満	15,000円	-	-
25以上30未満	18,000円	-	-
30以上49未満	30,000円～50,000円	6点	6点
50km/h以上	50,000円～100,000円	12点	12点

一般道で30km/h以上、高速道路で40km/h以上の超過は「一発免停」の対象となり、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金という刑事処分も併科されます。つまり、オービスに撮影された時点で行政処分と刑事処分の両方を受ける可能性が高いのです。

 

レンタカーオービス撮影後の出頭と警察手続き

通知が届いた場合、指定された警察署への出頭が必須となります。レンタカーを借りた旅先で違反が発生した場合、基本的には違反地の警察への出頭が求められます。ただし、遠い旅先であって再度訪問が困難な場合、警察は「捜査嘱託」という手続きを通じ、違反者の住所地を管轄する警察へ出頭させることができます。

 

警察署で出頭すると、オービスで撮影された写真が提示されます。この写真には、撮影日時・道路名・速度測定値が焼き付けられており、違反者の顔部分やナンバープレートの拡大画像も添付されています。違反者は以下の3点を確認・供述することになります。

• 写真に写っているのが自分であること
• その日時にそのレンタカーを運転したこと
• 測定された速度を出したこと

なお、写真を事前に郵送やメール添付で送ってもらう、あるいは出頭前に電話で速度を教えてもらうといった情報は誤りです。オービス事件における写真は最重要証拠であり、日本の法制度では違反者に事前送付されることはありません。

 

レンタカーオービス撮影後の罰金支払いと免停執行

出頭して供述調書が作成された後、数日から数週間のうちに住所地の簡易裁判所から出廷通知書が届きます。この通知には、出廷日時・場所・持参すべき金額が記載されています。罰金の上限は現在10万円であり、超過速度によって具体的金額が決定されます。

 

出廷時には現金を持参する必要があり、多くの場合10万円程度の用意が推奨されます。支払いが済めば、その後の法的トラブルは基本的に解決します。

 

運転免許の行政処分（免停）は、罰金手続きとは別に、運転者の住所地を管轄する公安委員会（実質的には警察）によって執行されます。つまり、旅先で違反したとしても、自分の住所地の運転免許センターで免停の手続きを受けることになります。30km/h以上50km/h未満の超過であれば30日間の免停、50km/h以上であれば60日間から120日間の免停が科されるのが一般的です。

 

レンタカーオービス対応時に知られていない責任問題

レンタカーでの違反に関して、しばしば誤解が生じるポイントがあります。レンタカー会社は運行供用者としての責任を問われる場合があり、会社によっては利用者に違約金を請求することがあります。多くのレンタカー会社の貸渡約款には、利用者が交通違反を起こした場合に2万円～5万円の違約金を課す規定が存在します。

 

また、駐車違反についても注意が必要です。レンタカーで駐車違反を犯した場合、放置違反金の通知はレンタカー会社に届きます。自家用車の場合は所有者が罰金を払えば解決しますが、レンタカーの場合、利用者は警察署に出頭して青切符を切ってもらわなければならないという独特のプロセスが必要です。このプロセスを無視すると、レンタカー会社から2万5000円前後の違約金を請求されます。

 

さらに、オービスの種類によって対応も変わる点があります。固定式オービス（全国461ヶ所）のほか、可搬式オービス・半可搬式オービス・光電管式オービスなど、複数の種類が存在します。可搬式オービスは生活道路など予想外の場所に設置されることがあり、気づかぬうちに撮影されるリスクが高まっています。

 

参考リンク：オービスの種類と撮影の流れについて詳しく解説
知ってた!? オービスの種類は6つあります - car-me
参考リンク：レンタカー利用時の違反手続きと出頭から罰金まで
レンタカーで旅行中、オービスに撮られたら・・・どうなる・どうする？知らぬと損する交通違反 - マイナビニュース
参考リンク：オービス取り締まりの基本と法的責任
レンタカーのオービス取り締まりは逃げられる？ - ラジオライフ

 

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