タッチ決済クレジットカードを1枚持っていれば、乗り放題券を買わなくても当日の運賃上限は800円で止まります。
ポートループ(Port Loop)は、2021年4月1日に神戸市のウォーターフロント活性化策として運行を開始した連節バス路線です。運行事業者は神姫バス株式会社で、新神戸駅前・三宮駅前から港エリアを大きく循環し、神戸駅南口まで結びます。2024年11月8日には神戸駅南口への乗り入れが新たに開始され、アクセスがさらに向上しました。
停留所は全部で13ヶ所あります。新神戸駅前(PL30)を起点に、三宮駅前(PL31)、市役所・東遊園地前(PL32)、KIITO前(PL33)、アリーナ前(PL44/PL40)、新港町(PL34/PL39)、メリケンパーク(PL35)、かもめりあ(PL38)、ハーバーランド(PL37)、神戸駅南口(PL43)、ポートタワー前(PL36)、三宮センター街東口(PL42)を経由し、再び新神戸駅前へと戻ってきます。全停留所は兵庫県神戸市中央区に集中しているため、神戸の定番観光エリアをほぼカバーしています。
1周の所要時間は約80分です。どの停留所から乗っても約80分後には同じ停留所に戻れる計算なので、一周乗り通すだけでも観光気分が楽しめます。運行時間は平日が始発8:50、土日祝が始発8:55で、最終は21時台まで。おおむね20分間隔での運行です。
なお、年末年始のGW・お盆などの繁忙期は新神戸駅を全便通過する特別ダイヤになるため、新神戸発着を予定している場合は事前に公式サイトで確認が必要です。2025年4月からは夕方以降の便が、アリーナ前を出発すると三宮駅前まで直行するルートに変更され、帰宅・移動時間が短縮されています。
神戸市公式:連節バス「Port Loop(ポートループ)」運行概要・時刻表(神戸市)
ポートループの運賃は大人230円・小児120円の全区間均一です。つまり、新神戸駅前から神戸駅南口まで乗っても、隣のバス停一つぶんだけ乗っても同じ料金です。これが基本です。
支払い方法は現金・全国共通交通系ICカード・タッチ決済対応のクレジットカード(VISA・JCB・Diners・Discover・AMEX・銀聯)に対応しています。乗車方式は「後払い」で、後ろまたは中央のドアから乗り、前ドアから降りる際に支払いを行います。現金の場合はおつりが出ないため、事前に両替が必要です。ICカードなら乗車時にタッチ、降車時に運賃箱の読取機にタッチする2ステップで完了します。
エコファミリー制度も覚えておきたいポイントです。全日(平日・土日祝)ともに、大人1名につき同伴する小学生以下2名まで無賃になります。降車時に「エコファミリーです」と申告するだけでOKです。家族連れにとってはかなりお得な制度です。
また、神戸市バス全路線との乗継割引も設定されています。ICカード利用で、1乗車目の降車時刻から30分以内に乗車した場合、2乗車目の運賃が割引になります。ポートループと市バスを組み合わせて移動するときは活用できます。
なお、乗車中に確認した場合、シティーループの運賃は大人300円と少し高めです。ポートループの方が1回あたり70円安く乗れることになります。これは使えそうです。
タッチ決済対応のクレジットカード1枚あれば、1日乗車券を事前に購入しなくても、実質的に乗り放題と同等の使い方ができます。これがポートループ最大の「知って得する」ポイントです。
具体的には、タッチ決済カードで乗車すると当日の利用合計が800円に達した時点で、それ以上の請求が発生しない仕組みになっています。シティーループとポートループを合わせた上限が800円です。たとえばポートループに1回(230円)、シティーループに3回(300円×3=900円)乗った場合、合計1,130円になりますが、実際の請求は800円で止まります。1日乗車券と同じ金額です。
事前に乗車券を購入する手間が省けるのがタッチ決済の強みです。旅行中に急遽予定が変わっても、カードをそのまま使うだけで自動的に上限が適用されます。ただし、この上限制度が適用されるのはタッチ決済クレジットカードのみであり、SuicaやICOCAなどの交通系ICカードには適用されません。交通系ICカードで何度も乗り直す場合は、1日乗車券を別途購入した方が確実です。
1日乗車券(大人800円・小児400円)や2日乗車券(大人1,200円・小児600円)は、アプリ「PassRu(パスルー)」・「RYDEPASS」・「HHcrossTOWNS」からも購入可能です。乗車前にスマートフォンで購入しておくとスムーズです。
また、1日乗車券・2日乗車券を提示すると、神戸ポートタワーやNAVIO(神戸ポートミュージアム)など周辺施設での割引・特典を受けられる優待サービスもあります。乗り物の料金節約だけでなく、観光全体でのコスト削減につながります。
神姫バス公式:ポートループ(連節バス)乗車券・運賃詳細(神姫バス)
ポートループに使用されているのは、日野自動車の「ブルーリボンハイブリッド連節バス」です。国産の連節バスというのは実は珍しく、日本国内で運行されている連節バスの多くは輸入車です。国産ハイブリッドであるため、燃費性能と環境性能に優れています。
全長は約17.99メートル、定員は112名です。一般的な路線バスの全長は約11メートルですから、ポートループはその1.6倍以上の長さになります。長さ18メートルといっても実感しにくいかもしれません。平均的な路線バスが小学校の教室1.5つ分の長さに相当するイメージです。
車体カラーは港町神戸をイメージした深い青(ポートブルー)とホワイトの組み合わせ。デザインコンセプトは「PORT BLUE みなとまち神戸の風景をうつし込む ひと・まちが輝く 新たな公共交通」です。GK設計・GKインダストリアルデザイン・GK京都の3社が車両・環境・サインすべてのデザインを担当しており、2021年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
車内は黒と青を基調としたシックなインテリアで、シートにはタータン柄が取り入れられています。後方には向かい合わせのボックス席(特急列車のような配置)が設置されており、グループや家族連れでゆったり移動できます。ドリンクホルダーも付いており、移動そのものを楽しめる工夫がされています。
前後車両の連結部は「じゃばら(アコーディオン状)」になっており、カーブを曲がるときに大きく45〜60度ほどうねります。後部座席に座ると、この曲がる瞬間がよく見えてかなりの迫力です。子どもはもちろん、大人でも「すごい」と声が出るほどのインパクトがあります。
Wikipedia:Port Loop(ポートループ)の車両・沿革・停留所詳細
ポートループの路線は神戸観光の主要エリアをほぼすべてカバーしています。停留所ごとに徒歩圏内の主なスポットを押さえておくと、計画が立てやすくなります。
まず「新港町(PL34)」は、神戸ポートミュージアム(劇場型アクアリウム「アトア」が入居)、天然温泉「神戸みなと温泉 蓮」、「フェリシモ チョコレートミュージアム」が徒歩数分圏内に集まっています。新港エリアだけで半日以上楽しめます。
「メリケンパーク(PL35)」では、神戸ポートタワーのすぐそばに降りられます。2024年にリニューアルオープンした神戸ポートタワーは、展望フロアのほかレストランや体験施設も充実しており、夜景スポットとしても人気です。
「ハーバーランド(PL37)」は、umieモザイク・神戸煉瓦倉庫・ハーバーウォークが隣接するエリアです。約230店舗が集まるショッピングスポットで、食事・買い物ともに選択肢が豊富です。特に夕方以降は夜景と組み合わせた散策が魅力的です。
「アリーナ前(PL44)」は2025年4月に新設されたバス停で、GLION ARENA KOBEへのアクセスが便利になりました。コンサートやスポーツイベントがある日は、アリーナシャトルの増発便も運行されます。当日のイベント有無を確認した上で利用時間を計画すると良いでしょう。
「市役所・東遊園地前(PL32)」で下車すると、神戸市役所の24階展望ロビー(無料)から神戸市内と連節バスが走る様子を俯瞰できます。連節バスの全体像を写真に収めたい場合に使えます。三宮中心部にも近く、南京町・旧居留地へも徒歩15〜20分程度です。
ポートループの連節バスは、観光路線としての顔しか持たないと思われがちです。しかし実際には、平日の朝7時台〜8時台にかけて、ポートアイランド方面の通勤路線バスとして運用されています。これは、ポートライナー(神戸新交通)の朝ラッシュ時混雑緩和策として神戸市が実施している取り組みの一環です。
つまり、観光用の青い連節バスが通勤の足として活躍しているということです。意外ですね。
この時間帯、ポートループの車両はポートアイランド方面への路線バスに充当されます。その代わりにPort Loop本来の循環路線は、神姫バスと神戸市交通局の共同運行によるシャトルバス(新港町行き)が運行されます。観光目的でポートループを早朝から利用しようとすると、朝8時台前半のみ連節バスに乗れないケースがあります。この点は意外と知られていません。
神戸市はポートライナーの混雑対策として、定期券利用者にバスへのシフトを促す「共通乗車証社会実験」なども継続して実施しています。連節バスの定員112名という輸送力は、こうした混雑分散にも有効に機能しています。観光路線として導入された連節バスが、地域の公共交通課題にも貢献しているというのは、日本国内でも珍しい事例と言えます。
また、アリーナでイベントが開催された日には「アリーナシャトル」として連節バスが増発投入されることがあります。2025年4月のGLION ARENA KOBE(ジーライオンアリーナ神戸)開業を機に、イベント開催時の輸送手段としての役割も大きくなっています。1便あたり112名乗れる輸送力は、混雑するイベント後の帰宅時間帯にも安定した輸送を可能にします。
神戸市と神姫バスは、将来的にはBRT(バス・ラピッド・トランジット)化や専用レーンの整備、公共車両優先システム(PTPS)の導入も検討しています。2024年11月〜12月にかけては国道2号線の2か所の交差点で、バスが近づくと青信号が延長される「信号協調システム」の実証実験も行われました。乗客にとっては定時性の向上として恩恵を受けられるようになる見込みです。
神戸市公式:ポートライナー混雑緩和・共通乗車証社会実験の詳細(神戸市)

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