2025年1月29日、カスタムパーツブランド「fusion FROM SPIEGEL」が開発した「fusion 500ZX」の紹介動画が公開され、自動車業界で大きな話題となっています。このカスタムモデルは、ダイハツ「ハイゼットトラックジャンボ」をベースに、トヨタ「ランドクルーザー300」のZXグレードを思わせる迫力あふれるフロントマスクを実現した革新的な軽トラックです。
最も注目すべき点は、ヘッドライトを除くフロントフェイス全体を専用のフェイスリフトキットで交換することで、軽トラックでありながらランドクルーザー級の存在感を獲得している点です。開発担当者は「FRP製の限界に挑戦した」とコメントしており、見た目の良さと高品質を追求した結果、まるで純正品のような自然な外観を実現しています。
このカスタムは2025年1月10日から開催された「オートサロン2025」にも出展され、軽トラックの外観を大きく変えるアイテムとして多くの来場者の注目を集めました。オフロード用タイヤとの組み合わせにより、圧倒的なワイルドさを発揮する仕上がりとなっています。
SPIEGELが開発したフェイスキットの最大の特徴は、純正バンパーと変わらない寸法設計にあります。これまでの軽トラックカスタムでは、大胆なデザイン変更により車両の全長が延長されたり、地上高が変わったりするケースが多く見られましたが、fusion 500ZXは異なります。
バンパーの上下方向の大きさも純正バンパーと同サイズに設計されているため、バンパー交換による路面との干渉リスクを回避しています。この設計により、日常使用における実用性を損なうことなく、劇的な外観変更を実現できるのです。
フェイスキットの価格は19万8000円(税込)となっており、これだけのイメージ変更効果を考慮すると、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。適合車種はハイゼット・ハイゼットジャンボのほか、OEMモデルとなるスバル「サンバー」やトヨタ「ピクシストラック」にも対応しています。
fusion 500ZXの魅力の一つは、多彩な塗装オプションにあります。基本となるのはランドクルーザー300のZXグレードを再現したデザインで、ランドクルーザー300と同じ塗り分けを施すことで、本格的なランクル風の仕上がりを実現できます。
さらに興味深いのは、バンパー全体をマットブラックで塗装することで、「RAV4」のオフロードパッケージIIのような無骨でワイルドな仕様にアレンジできる点です。この塗装により、より攻撃的で実用的な印象を演出することが可能になります。
ユーザーがオリジナルの塗り分けを行うことで、世界に一台だけのオンリーワンフロントマスクを演出できるのも大きな魅力です。細かな部分は塗り分けだけで表現されているため、カスタマイズの自由度が高く、所有者の個性を反映した仕上がりを実現できます。
「農道最強モデル」と称されるランクル軽トラですが、その実用性についても注目すべき点があります。軽トラックの基本性能を維持しながら、見た目の迫力を大幅に向上させている点が評価されています。
オートサロンに展示された車両には40mmのリフトアップやシートカバーの取り付け、タイヤホイールの交換などが施されていましたが、迫力のフロントマスクはリフトアップだけでなく、ローダウンスタイルにも似合う汎用性の高いデザインとなっています。
農業や建設業などの実用用途においても、この存在感のあるフロントマスクは作業現場での注目度を高め、事業者のブランドイメージ向上に貢献する可能性があります。軽トラックの基本的な積載能力や燃費性能を損なうことなく、プレミアム感を演出できる点が大きな魅力です。
2024年の東京オートサロンでの初披露以来、ランクル軽トラは継続的に注目を集めています。2025年のオートサロンでも再び出展され、軽トラックカスタムの新たな可能性を示すモデルとして高い評価を受けました。
来場者からは「軽トラックの概念が変わった」「これなら普段使いでも恥ずかしくない」といった声が多く聞かれ、軽トラックに対する従来のイメージを覆す効果を発揮しています。特に若い世代からの関心が高く、軽トラック市場の活性化に寄与する可能性が期待されています。
今後は、さらなるカスタムオプションの展開や、他の軽トラックモデルへの適合拡大なども検討されており、軽トラックカスタム市場の新たなトレンドを創出する可能性を秘めています。また、実際の農業従事者や建設業者からの実用性に関するフィードバックも注目されており、実用車としての価値向上にも期待が寄せられています。
軽トラック業界における技術革新と個性化の流れの中で、ランクル軽トラは新たなカスタムスタイルの先駆けとして、今後の市場動向を左右する重要な存在となりそうです。