ランドクルーザー250の当年もの(新車登録から1年未満)の残価率は、平均で128.3%という驚異的な数値を記録しています。これは新車価格を大幅に上回る中古車価格が付いていることを意味し、自動車業界でも極めて稀な現象です。
特に注目すべきは、2.7 VXファーストエディションの145.2%という残価率で、新車価格590万円に対して平均買取相場が857万円となっています。この数値は、需要と供給のバランスが大きく崩れていることを示しており、新車の納期遅延が中古車市場に与える影響の大きさを物語っています。
グレード別に見ると、以下のような残価率となっています。
1年落ちのランドクルーザー250でも、平均残価率は119.2%を維持しており、依然として新車価格を上回る状況が続いています。当年ものと比較すると約9ポイントの下落となりますが、それでも一般的な車両の残価率を大幅に上回る水準です。
1年落ちのグレード別残価率は以下の通りです。
この数値から読み取れるのは、高額グレードほど残価率の下落幅が大きいという傾向です。特にディーゼルモデルの上位グレードでは、当年ものから1年落ちにかけて残価率が約3-4ポイント下落しています。
業界専門家による予測では、ランドクルーザー250の3年後残価率は90%以上を維持すると見込まれています。これは一般的な普通乗用車の3年落ち平均残価率50~60%と比較すると、圧倒的に高い水準です。
実際の3年落ちデータを見ると、グレード別の残価率は以下のようになっています。
この数値から、3年経過後でも多くのグレードで新車価格を上回る、または同等の価値を維持していることが分かります。特にGXグレードの残価率の高さは注目に値し、エントリーグレードでありながら最も高い残価率を記録しています。
ランドクルーザーシリーズの過去の実績を見ると、ランクル200が約90%、プラドTX-Lが約90%の3年後残価率を記録しており、ランクル250もこの水準を維持する可能性が高いと予想されます。
グレード別の残価率を詳細に分析すると、興味深い傾向が見えてきます。最も残価率が高いのは意外にもエントリーグレードのGXで、3年落ちでも110.2%~117.3%という高い数値を維持しています。
一方、最上位グレードのZXファーストエディションは92.5%~99.5%と、相対的に残価率が低くなっています。これは以下の要因が考えられます。
エントリーグレードが高残価率を維持する理由
上位グレードの残価率が相対的に低い理由
ファーストエディションについては、限定モデルとしてのプレミアム性が残価率に影響しています。VXファーストエディションは平均113.15%の残価率を記録している一方、ZXファーストエディションは95%と差が生じています。
ランドクルーザー250の残価率を他のランクルシリーズと比較すると、その位置づけが明確になります。3年落ちまでの残価率比較では以下のような結果となっています。
この比較から、ランクル70が最も高い残価率を誇り、続いてランクル250、ランクル300の順となっています。ランクル70の高残価率は、その希少性と海外での絶大な人気によるものです。
ランクル250の競合優位性
他車種との差別化ポイント
一般的なSUVと比較すると、ランクル250の残価率の高さは際立っています。例えば、同価格帯の輸入SUVでは3年後残価率が60-70%程度に留まることが多く、ランクル250の90%超という数値は異次元の高さと言えるでしょう。
この高い残価率は、トヨタブランドの信頼性、ランドクルーザーシリーズの伝統、そして世界的な需要の高さが複合的に作用した結果です。特に海外市場での需要は、日本国内の中古車価格を押し上げる重要な要因となっています。
購入を検討している方にとって、この高い残価率は大きなメリットとなります。仮に5年後に売却する場合でも、予想残価率80%前後を考慮すると、実質的な車両使用コストを大幅に抑えることが可能です。
また、残価設定ローンを利用する場合、高い残価率により月々の支払額を抑えることができ、より手軽にランクル250を所有することが可能になります。これは特に若い世代や初回購入者にとって大きなメリットとなるでしょう。
ただし、残価率は市場環境や車両の状態によって変動するため、定期的なメンテナンスや適切な使用を心がけることが重要です。また、売却タイミングも残価率に大きく影響するため、市場動向を注視しながら最適な時期を見極めることが求められます。