新型パジェロミニは従来のパジェロミニと同様、モノコックボディにラダーフレームを組み合わせたビルドインモノコック構造を採用します。この技術は、ジムニーが採用するはしご型フレーム構造とは異なり、乗用車のような快適性と軽量化を実現できます。
軽自動車規格ギリギリまで拡大されたボディサイズにより、従来の2ドアから4ドアへ変更されました。これにより後席へのアクセスが格段に向上し、ファミリーユースにも対応した実用性が大幅に向上しています。さらに、クラッシャブルボディ構造により衝突時のエネルギーを効果的に吸収し、安全性と乗り心地を両立させています。
新型パジェロミニのボディ構造では、従来モデル比で20%以上の軽量化が見込まれており、これが燃費性能とパフォーマンスの向上につながる隠れた要因となっています。
三菱の最新デザイン言語である「ダイナミックシールド」を採用した新型パジェロミニは、力強さと洗練さを兼ね備えた唯一無二のエクステリアを手に入れました。フロントグリルの大型化により存在感が格段に向上し、従来のSUVとしての威厳を保ちながらもモダンな印象を演出しています。
ヘッドライトには最新のLED技術が採用され、アダプティブLEDヘッドライト機能により対向車や先行車に対する眩惑を自動調整します。この先進的な光学設計は夜間走行時の安全性を大幅に向上させ、同時に高級感のある夜間デザインを実現しています。
エアロダイナミクスを考慮した流線型のボディラインは、見た目のスタイリッシュさだけでなく燃費向上にも貢献しており、0.1以上のCd値削減が期待されています。4ドアタイプへの変更は単なるアクセス向上だけでなく、全体的なプロポーションの美しさも大幅に向上させています。
新型パジェロミニに搭載される新開発の直列3気筒660ccエンジン「BR06」は、自然吸気とターボの2種類をラインアップしています。最大の特徴は、ライバル車のジムニーにはない「マイルドハイブリッドシステム」の標準搭載により、パワーと燃費性能を両立させている点です。
ターボモデルでは最高出力47kW（64ps）、最大トルク100Nm（10.2kgm）を発揮し、NA車を上回るパフォーマンスを実現しています。同時にモーターアシストにより低速トルク領域を補強し、山道やオフロード走行時の実用的なパワー感を大幅に向上させました。マイルドハイブリッドの採用により燃費は約20～27km/L（WLTCモード）が期待されており、これはジムニーを大きく上回る数値です。
CVT（エクストロニック）とのマッチングにより、加速レスポンスと低燃費を同時に実現し、日常の街乗りから山道走行まで幅広いシーンで最適なエンジン制御が行われます。
新型パジェロミニには、日産のプロパイロット同等の三菱版自動運転技術「MI-PILOT（マイパイロット）」が搭載されます。全車速追従機能付きのレーダークルーズコントロール（LCC）と車線維持支援機能（LKA）を組み合わせた統合システムにより、高速道路での運転負荷が大幅に軽減されます。
さらに充実した「e-Assist」には、衝突被害軽減ブレーキシステム（FCM）、踏み間違い衝突防止アシスト（EAPM）、標識認識システム（TSR）、先行車発進通知（LCDN）など8つの安全機能が搭載されています。特に、移動物検知機能付きのマルチアラウンドビューモニターは、後方視界が制限されるラゲッジスペース満載時の安全性を大幅に向上させます。
エアバッグは運転席、助手席、サイド、カーテン、運転席ニーの合計7つを装備し、万が一の衝突時にも多角的な安全対策が施されています。このような充実した安全装備により、軽自動車でありながら普通車並みの安全性能を実現しています。
新型パジェロミニは、FF/4WDの両駆動方式を用意し、路面状況やユースシーンに応じた選択が可能です。特に4WDモデルは、改良されたサスペンションとアクティブスタビリティコントロール（ASC）により、悪路での安定性が従来比で大幅に向上しています。
ジムニーの本格的なはしご型フレーム構造とは異なり、モノコック構造による乗り心地の快適性を保ちながらも、オフロード走行性能は十分に確保されています。これは、日常の街乗りを重視する層と、週末のアウトドア活動を楽しむ層の両方のニーズに対応できる唯一の選択肢となり得ます。
高い最低地上高とアプローチアングル、デパーチャーアングルの改善により、キャンプ地やスキー場への進入路など、意外と走行機会の多い未舗装路での走破性が大幅に強化されています。
新型パジェロミニの予想価格は、ライバルであるスズキ・ジムニーを意識した1,650,000円～2,000,000円程度が見込まれています。ベースグレードから最上位グレードまで約350万円の価格幅により、ユーザーの予算ニーズに幅広く対応できます。
発売日は2026年春から夏にかけてと予想されており、正式なプレリリース発表前から既に高い期待値が集まっています。三菱の中期経営計画「Challenge 2025」で全16車種投入予定の中でも、軽SUVカテゴリーは最後の大型投入となるため、極めて重要な位置付けとなっています。
最新の情報では、東京モーターショーなどの大型展示会でシルエットが公開されており、正式発表に向けた段階的な情報リリースが行われています。予約受付は発表前から関心層を中心に始まる可能性が高く、納期への対応が重要な課題となるでしょう。
軽自動車市場でのポジショニング戦略として、三菱が「デリカミニ」で確立した販売チャネル拡大の経験を活かし、発売から約3ヶ月で9,000台の販売実績を示したモデルの後続投入という意味でも、新型パジェロミニの市場投入は極めて戦略的と言えます。
ジムニーの納期待ちにより転向してくるユーザー層、および従来のパジェロミニの愛用者からの潜在需要の掘り起こしが、販売目標の重要な要素となります。最新の予測では、初年度1万台以上の年間販売を目指す可能性が示唆されており、三菱にとって重要な収益源になると期待されています。
参考リンク。
三菱新型パジェロミニのフルモデルチェンジ詳細情報と最新スペック予想
軽SUVの新基準となる新型パジェロミニの全貌と市場ポジション
