ノアアクティブクロス コンセプトカー 東京モーターショー

トヨタが2015年東京モーターショーで発表したノアアクティブクロスは、ミニバンとSUVを融合させた革新的なコンセプトカーです。その魅力的な特徴と市販化への可能性はいかに?

ノアアクティブクロス コンセプトカー 詳細解説

ノアアクティブクロス 概要
🚗
SUVミニバンの融合

ミニバンの実用性とクロスオーバーSUVの力強さを組み合わせた革新的なコンセプト

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東京モーターショー2015

トヨタ車体ブースで参考出展された話題のコンセプトカー

🎯
アクティブライフ対応

都会的な洗練さとアウトドアでの実用性を両立したデザイン

ノアアクティブクロス 東京モーターショー2015 出展背景

ノアアクティブクロスは、2015年の東京モーターショーでトヨタ車体のブースに参考出展された特別なコンセプトカーです。このモデルは、当時販売されていた3代目ノア(2014年〜2021年)をベースに開発され、「都会での洗練されたアーバンライフと、自然の中での開放されたアクティブライフに対応した 乗り込んだ瞬間からトキメキと笑顔が広がる7シータークロス」というコンセプトで設計されました。

 

このコンセプトカーが生まれた背景には、日本の国民車とも言えるミニバンと、世界的なトレンドとなっているクロスオーバーSUVを融合させるという斬新なアイデアがありました。トヨタ車体は、従来のミニバンの枠を超えた新しい価値提案を目指し、ファミリー層だけでなくアウトドア愛好者にも訴求できる車両の可能性を探っていたのです。

 

当時の自動車業界では、SUVブームが本格化し始めており、各メーカーがクロスオーバーモデルの開発に注力していました。そうした中で、ミニバンの実用性を保ちながらSUVの魅力を取り入れるという発想は、非常に革新的なものでした。

 

ノアアクティブクロス デザイン 特徴

ノアアクティブクロスのエクステリアデザインは、標準的なノアとは大きく異なる力強い印象を与えます。白を基調としたボディカラーに、前後バンパーやフェンダーにサテンシルバーのプロテクターを装備し、SUVらしいタフな外観を演出しています。

 

特に注目すべきは、グリルやエンブレムに施されたオレンジのアクセントカラーです。このオレンジは、アクティブかつモダンな雰囲気を演出する重要な要素となっており、従来のミニバンにはない個性的な印象を与えています。

 

さらに、標準ノアにはないハイルーフ仕様とガラスルーフを採用することで、明るく開放感あふれる室内空間を実現しています。このガラスルーフは、単なるデザイン要素ではなく、室内の開放感を大幅に向上させる機能的な装備として位置づけられています。

 

足回りには、ヨコハマのジオランダー・オールテレーンタイヤ(225/55 18インチ)を装着し、最低地上高を高めることでオフロード走破性を強化しています。これにより、街乗りからアウトドアまで幅広いシーンに対応できる性能を獲得しています。

 

ノアアクティブクロス 機能性 アウトドア対応

ノアアクティブクロスの最大の魅力は、その多機能性にあります。リアゲートにはキャリア機能を備えており、スキーやサーフボードなどの長尺物を簡単に積載することが可能です。これは、アウトドア愛好者にとって非常に実用的な機能と言えるでしょう。

 

さらに興味深いのは、福祉車両にも採用されるリアスロープの活用です。このスロープは、アウトドアギアの積み込みを容易にするだけでなく、簡易テーブルとしても活用できるユニークな設計となっています。キャンプやピクニックの際に、車両の一部がテーブルとして機能するというアイデアは、従来のミニバンにはない発想です。

 

インテリアも外観と調和したデザインが採用されており、ホワイト基調にオレンジのアクセントを散りばめたモダンな空間となっています。ダイブダウン式の助手席と2列目シートにより、フラットな床面を形成することができ、3列目を跳ね上げれば長尺物の積載も容易になります。

 

この広大なスペースは、レジャーやアウトドアでの使い勝手を格段に向上させる設計となっており、従来のミニバンの概念を大きく拡張したものと言えます。車中泊にも対応できる空間設計は、現在のアウトドアブームを先取りしたものでした。

 

ノアアクティブクロス 市販化 可能性

残念ながら、ノアアクティブクロスはコンセプトモデルにとどまり、現時点では市販化に至っていません。しかし、近年のSUV人気の拡大を考えると、このようなコンセプトの市販化には大きな可能性があると考えられます。

 

実際に、三菱「デリカD:5」のようにミニバンとSUVの魅力を融合させたモデルが独自の地位を築いており、市場にはこうした車両への需要が存在することが証明されています。デリカD:5は、オフロード性能を持つミニバンとして長年にわたって支持を集めており、ノアアクティブクロスのようなコンセプトが市販化されれば、同様の成功を収める可能性があります。

 

トヨタとしても、現在のSUVブームやアウトドアブームを考慮すると、このようなクロスオーバーモデルの市販化は戦略的に意味があると考えられます。特に、ファミリー層とアウトドア愛好者の両方にアピールできる車両は、市場での差別化要因となり得ます。

 

また、現在の4代目ノアの技術をベースにすれば、より洗練されたクロスオーバーモデルの開発も可能でしょう。ハイブリッドシステムの搭載や安全装備の充実など、現代の技術を活用することで、より魅力的な車両に仕上げることができるはずです。

 

ノアアクティブクロス 競合車種 比較分析

ノアアクティブクロスのコンセプトを理解するためには、類似の車種との比較が重要です。最も近い存在として挙げられるのが、前述の三菱デリカD:5です。デリカD:5は、本格的な4WDシステムを搭載し、SUVとしての走破性を持ちながら、8人乗りのミニバンとしての実用性も兼ね備えています。

 

しかし、ノアアクティブクロスは、デリカD:5よりもよりアーバンな使用を想定したデザインとなっており、都市部での使い勝手を重視した設計が特徴です。また、ガラスルーフやモダンなインテリアデザインなど、より洗練された要素を取り入れている点も差別化要因となっています。

 

海外に目を向けると、ホンダの「リッジライン」のようなピックアップトラックベースのファミリーカーや、フォードの「エクスプローラー」のような大型SUVが類似のポジションにありますが、日本の道路事情や駐車場事情を考慮すると、ノアアクティブクロスのようなコンパクトなクロスオーバーミニバンの方が実用的と言えるでしょう。

 

また、現在人気のトヨタ「ハリアー」やマツダ「CX-5」などのクロスオーバーSUVと比較すると、ノアアクティブクロスは明らかに室内空間と積載性で優位に立ちます。7人乗りの座席配置と大容量の荷室は、ファミリー層にとって大きな魅力となるでしょう。

 

現在の自動車市場では、単一の用途に特化した車両よりも、多様な用途に対応できる車両が求められる傾向にあります。ノアアクティブクロスのようなクロスオーバーミニバンは、まさにこうしたニーズに応える車両と言えるのです。