日産エクストレイルの次期マイナーチェンジは2025年7月から10月頃に予定されており、自動車業界内で大きな注目を集めています。現行T33型エクストレイルは2022年7月の発売から約3年が経過し、モデルライフサイクルの中間点に差し掛かっているタイミングでの大幅アップデートとなります。
北米市場の兄弟車「ローグ」が2023年に先行してマイナーチェンジを実施しており、その変更内容から日本市場向けエクストレイルの進化を予測することができます。今回のマイナーチェンジは単なる年次改良を超えた「ビッグマイナーチェンジ」として業界内で位置づけられており、外観デザインから最新技術まで幅広い変更が見込まれています。
興味深いことに、日産は2026年にエクストレイルの「全面刷新」も宣言しており、今回のマイナーチェンジは次世代モデルへの橋渡し的な役割も担っています。競合他社のSUVが相次いでモデルチェンジを行う中、日産としても起死回生を図る重要なタイミングでの投入となります。
今回のマイナーチェンジで最も注目される変更点が、日産の新デザインアイコン「デジタルVモーション」グリルの採用です。このデザインは既に「セレナ」「ルークス」「デイズ」「サクラ」そしてマイナーチェンジした「ノート」で採用されており、エクストレイルにも同様の進化が期待されています。
フロントマスクでは、シャープなV字型グリルとヘッドライトが一体化するようなデザインへと進化し、より精悍で力強い印象を与えます。すでに公開されているティーザー画像からは、片側5連の発光ユニットで構成された独創的なデイタイムランニングライトの存在が確認されており、現行型とは一線を画すデザイン性を予感させます。
その他の外装変更点として以下が予想されています。
これらの変更により、現行モデルよりも一段と洗練された印象になると考えられ、プレミアムSUVとしての存在感がさらに高まることが期待されています。
内装面では、大型のデジタルメーターとセンターディスプレイを一体化したシームレスなパネルが導入され、さらなる「デジタルコックピット」化が期待されています。特に注目すべきは、12.3インチタッチスクリーンディスプレイの採用と、日産として初めてのGoogleビルトイン搭載です。
Googleビルトインの搭載により、以下の機能が利用可能になります。
また、NissanConnectナビゲーションシステムにHDMI端子が設定され、日産オリジナルナビゲーションやディスプレイオーディオに「インテリジェント アラウンドビューモニター」の映像を投影可能になるなど、使い勝手の向上も図られています。
安全装備面では、プロパイロット2.1への進化が予想されており、より高度な運転支援機能が期待されています。現行モデルでは既に「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)」と「インテリジェント ルームミラー」が全車標準装備となっており、マイナーチェンジ後はさらなる安全性の向上が見込まれます。
パワートレイン面では、現行モデルに搭載されているe-POWERシステムが第2世代へと進化することが確実視されています。この進化は単なる数値的な向上に留まらず、ドライバビリティや燃費性能、静粛性など様々な面で走行性能の向上に貢献します。
さらに注目すべきは、心臓部に第3世代へと進化した「e-POWER」を搭載する見込みがあることです。これにより、現行モデルの優れた燃費性能(WLTCモードで2WDが19.7km/リットル、4WDのe-4ORCEが18.3~18.4km/リットル)からさらなる向上が期待されます。
北米向けには、アライアンスを組む三菱の「アウトランダーPHEV」をベースにした新たなプラグインハイブリッド仕様の展開も予定されており、電動化の選択肢が大幅に拡大される可能性があります。
現行モデルのパワートレイン構成は以下の通りです。
駆動方式 | モーター出力 | エンジン | 燃費性能 |
---|---|---|---|
2WD | 150kW/330Nm | 1.5L VCターボ | 19.7km/L |
4WD(e-4ORCE) | フロント150kW+リア100kW | 1.5L VCターボ | 18.3-18.4km/L |
マイナーチェンジを控えた現在、多くの購入検討者が「今買うべきか、待つべきか」という判断に迷っています。この判断には複数の要因を考慮する必要があります。
現在購入するメリット:
マイナーチェンジまで待つメリット:
価格面では、世界的な原材料費や物流費の高騰を背景に、現行モデルから若干の値上げが見込まれています。しかし、今回のマイナーチェンジで内外装のデザインが一新され、先進技術が多数搭載されることを考慮すれば、価格に見合う価値は十分にあると考えられます。
特に注目すべきは、マイナーチェンジで追加される新グレード「AUTECH(オーテック)」および「NISMO(ニスモ)」の存在です。これらの特別仕様車は個性と走行性能を高めた仕様となっており、従来のエクストレイルとは異なる魅力を提供することが期待されています。
現行モデルでも90周年記念車が設定されており、カッパー色のアクセントカラーを施したVモーショングリルや専用18インチブラックアルミホイール、90th Anniversaryタグ付きの専用シートなど、特別感のある装備が魅力となっています。
最終的な購入判断は個々のニーズによりますが、最新技術と洗練されたデザインを求める方にはマイナーチェンジ後のモデルを、コストパフォーマンスを重視する方には現行モデルの値引きタイミングでの購入をおすすめします。