ネズミ捕りで速度違反を検出されても、現場で警察官に停められなかった場合、後日通知が来る可能性があります。従来のネズミ捕りでは、現場で違反が確認できなければ出頭命令が出されることは稀でしたが、現在では状況が変化しています。
特に移動式オービスの導入により、速度違反車両を自動で撮影し、後日警察署へ呼び出すシステムが確立されています。このシステムでは、レーダー波などにより走行中の車両の速度を計測し、一定の基準以上の速度超過をしている車両を自動的に撮影します。
後日通知の流れは以下の通りです。
ただし、必ずしもすべてのケースで後日通知が送られるわけではなく、各地の警察の方針や違反の程度によって異なります。
2018年に愛知県警で実際に発生した事例では、移動式オービスによる反則行為(青切符レベル)の後日検挙が確認されています。この事例では、わずか15km/hオーバーで切符を切られ、その場で検挙されたわけではなく、後日通知が来たとSNSで報告されました。
従来、オービスによる後日検挙は、過去の最高裁の判例により非反則行為(赤切符レベルの速度違反)に対してのみ許されていましたが、この事例では反則行為にも適用されています。
移動式オービスの特徴。
移動式オービスは従来の定置式ネズミ捕りと異なり、違反車両を停止させるスペースや切符を切るための場所が不要で、実施可能な場所の制約が少ないのが特徴です。
後日検挙の法的根拠は「警察官の現認」であり、撮影された写真は単なる状況証拠として解釈されています。この解釈により、警察は移動式オービスによる反則行為の後日検挙を正当化しています。
警察の取り締まり方針の変化。
現在、10を超える都道府県警が可搬式移動オービスを導入し、本格的な取り締まりを開始しています。これにより、従来のネズミ捕りでは対応できなかった場所での速度取り締まりが可能になっています。
後日呼び出しによる違反処理が適用されることで、莫大な予算を投じた移動式オービスの導入効果が最大化されています。
後日通知を受けた場合の対処法について、適切な対応を理解しておくことが重要です。通知を無視することは法的に問題があり、必ず指定された期日に出頭する必要があります。
対処法のポイント。
違反者の中には「自分は運転していなかった。証拠があるのか」などと違反を否認するケースもありますが、撮影された証拠がある以上、適切に対応することが重要です。
予防策として、以下の点に注意しましょう。
元警察官の証言によると、ネズミ捕りという呼び方は警察用語ではなく、警察官が業務中に口にする言葉でもありません。これは速度測定機器がネズミを捕獲する罠のようにたとえられるようになったことが由来とされています。
警察の取り締まり実態。
取り締まりが「コソコソと隠れて」行われているという批判もありますが、実際には交通事故や交通違反の多い場所で重点的に行われており、事故削減という明確な目的があります。
警察官の配置戦略。
現役警察官でさえ、プライベートで運転する際は他のパトカーや白バイを見ると緊張するという証言もあり、取り締まりの抑止効果の高さが伺えます。
最終的に、ネズミ捕りや移動式オービスによる取り締まりは、ドライバーの安全運転意識向上と交通事故削減を目的としています。後日通知の可能性を理解し、常に法令遵守の運転を心がけることが最も重要な対策といえるでしょう。