運転免許証の12桁番号から学科試験の点数が分かるという噂が長年にわたって広まっています。この都市伝説によると、左から5桁目と6桁目の数字が「最初に受験した学科試験の減点数」を示しているとされています。
具体的には以下のような解釈がされています。
しかし、元警察官への取材によると「学科試験の点数が分かるということはない」と明確に否定されています。学科試験の合格ラインは90点以上ですが、実際には5桁目と6桁目が「10」を超えている免許証が多数存在することからも、この説が間違いであることが証明されています。
この都市伝説が広まった背景には、免許証の番号に何らかの意味があるという推測と、学科試験の点数を知りたいという心理が組み合わさったものと考えられます。SNSでは「私は満点だった」と信じているユーザーの声も見られますが、これは誤解に基づいたものです。
免許の点数や違反歴を正式に確認するには、「累積点数等証明書」の取得が必要です。この証明書は、現在の免許の点数状況や過去の違反歴を公式に確認できる唯一の方法です。
取得方法と必要書類:
証明書で確認できる内容:
郵便局でも申請可能ですが、都道府県によって書類の形式が異なるため、県外の家族が代理申請する場合は事前に必要書類を確認することが重要です。
運転免許証の12桁番号には、学科試験の点数ではなく、以下のような正式な意味があります。
12桁番号の構成:
主要都道府県の管轄番号:
都道府県 | 番号 | 都道府県 | 番号 |
---|---|---|---|
北海道本部 | 10 | 東京都 | 30 |
神奈川県 | 45 | 大阪府 | 62 |
愛知県 | 54 | 福岡県 | 90 |
沖縄県 | 97 | 青森県 | 20 |
5~10桁目の「個人情報・国家秘密」部分は、各都道府県の公安委員会が独自の基準で決めており、その詳細は公表されていません。地域によって基準が異なるため、同じ点数でも異なる番号になる可能性があります。
12桁目の交付回数は、紛失や盗難などで再発行された回数を示しており、短期間で何度も再発行を繰り返すと厳重注意を受ける場合があります。
運転免許の点数制度は、交通違反や交通事故を起こした際に累積される「減点方式」ではなく、「加点方式」を採用しています。初期状態では0点からスタートし、違反を犯すたびに点数が加算されていきます。
主な交通違反と点数:
処分基準:
点数は違反から3年経過すると自動的にリセットされますが、無違反期間が1年間続くと、それ以前の点数がリセットされる特例もあります。ゴールド免許を維持するためには、5年間無違反・無事故である必要があります。
免許の点数確認を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、免許証自体には現在の累積点数は記載されておらず、必ず累積点数等証明書を取得する必要があります。
点数確認時の注意点:
効率的な点数管理方法:
違反をしてしまった場合は、すぐに点数を確認するのではなく、1週間程度待ってから証明書を取得することをお勧めします。これは、違反の処理に時間がかかる場合があるためです。
また、免停や免取の通知が来る前に自分の点数状況を把握しておくことで、安全運転講習の受講や運転行動の見直しなど、適切な対策を取ることができます。
デジタル化の動向:
近年、一部の都道府県では電子申請システムの導入が進んでおり、オンラインで累積点数等証明書を申請できるようになっています。ただし、まだ全国的な普及には至っていないため、従来の窓口申請が主流となっています。
定期的な点数確認は、安全運転意識の向上にもつながります。特に業務で運転する機会が多い方や、ゴールド免許を維持したい方は、年に1回程度の点数確認を習慣化することをお勧めします。