maasとは簡単に、車好きが知るべき移動革命

MaaS(マース)とは何か、車好きの視点から簡単にわかりやすく解説します。マイカーの稼働率や維持費の実態、日本の導入事例まで、知らないと損する情報が満載。あなたの移動生活は変わるでしょうか?

maasとは簡単に、車好きが押さえたいモビリティサービスの全貌

あなたの愛車、実は1日のうち90%以上は駐車場で眠っているだけで年間75万円以上が消えています。


📋 この記事の3ポイントまとめ
🚗
MaaSとは「移動をサービスとして使う」新概念

Mobility as a Serviceの略。電車・バス・タクシー・カーシェアなど複数の移動手段を、1つのアプリで検索・予約・決済できる仕組みのことです。

📊
日本のMaaSはまだレベル1〜2の発展途上段階

MaaSには0〜4の統合レベルがあり、日本は2025年時点でもレベル1〜2程度。フィンランドのような月額定額乗り放題(レベル3)には届いていません。

💡
車好きこそMaaSを知っておくべき理由がある

MaaSの普及は「車を所有しない時代」を加速させます。一方で、トヨタなど自動車メーカーもMaaSに本格参入しており、車との関わり方そのものが変わってきています。


MaaS(マース)とは何か、車好きへの簡単な意味解説


MaaS(マース)とは「Mobility as a Service」の頭文字をとった言葉で、日本語にすると「サービスとしての移動」という意味になります。電車・バス・タクシー・カーシェアリング・シェアサイクルといった複数の移動手段を、1つのアプリやプラットフォームでまとめて検索・予約・決済できる仕組みのことを指します。


つまり、移動そのものを「サービス商品」として購入・利用する考え方です。


従来の移動では、目的地に向かうたびに「乗り換え案内アプリでルートを調べ」「バスの予約は別サイトで」「タクシーはまた別のアプリで」と手間が分散していました。MaaSはそれをすべて1か所に統合し、煩わしさを取り除く構想です。


概念が生まれたのは2015年ごろで、国際的な自動車産業団体であるITS(Intelligent Transport Systems)アライアンスが提唱しました。それが注目を集めたきっかけは、フィンランドのスタートアップ企業「MaaS Global」が2016年にヘルシンキで「Whim(ウィム)」というアプリの実証実験を開始したことです。Whimは電車・タクシー・レンタカーなどを月額定額で使い放題にするサービスで、利用者の自家用車の使用頻度が大幅に下がることが確認されました。


これは使えそうです。


日本でも、国土交通省が2018年の「未来投資戦略2018」でMaaSを次世代モビリティの核心と位置づけ、2019年から日本版MaaS推進・支援事業がスタートしています。車好きにとっては「自分の車が中心」という価値観が揺らぐ変化かもしれませんが、移動の未来を知るうえで欠かせない概念です。


(MaaSの基本的な定義と国の公式な説明が掲載されています)


MaaSの統合レベル0〜4と、日本の現在地を簡単に整理

MaaSには「統合レベル」という概念があり、レベル0から4の5段階でサービスの成熟度を表します。これを理解すると、日本のMaaSが今どの段階にいるかがはっきり見えてきます。


| 統合レベル | 内容の目安 |
|---|---|
| レベル0 | 各交通手段がバラバラ。統合なし |
| レベル1 | ルート検索・料金確認が可能(乗り換え案内レベル) |
| レベル2 | 複数手段の検索・予約・決済が統合されている |
| レベル3 | 定額制・サブスクで乗り放題になっている |
| レベル4 | 都市計画・政策レベルにMaaSが組み込まれている |


日本の現状は、2025年時点でもレベル1〜2の段階に留まっています。乗り換え案内はすでに充実していますが、複数の交通手段をまたいだシームレスな予約・決済を1アプリで完結できるサービスはまだ限定的です。


意外ですね。


フィンランドのWhimはレベル3に相当します。月額499ユーロ(約8万円)で電車・バス・タクシー・レンタカーが使い放題になるプランも存在し、マイカーを手放す選択肢として一定数の市民が利用しています。日本とのレベル差は大きいと言わざるを得ません。


一方で、日本国内でもMaaSの先進事例が少しずつ登場しています。神奈川県三浦市の「三浦COCOON」はレベル4の実現を最終目標に掲げる観光型MaaS(現状はレベル2)ですし、JR東日本が展開する「TOHOKU MaaS」では東北6県エリアで電子チケットの購入・決済をスマホ一つで完結できます。これらは小さな一歩ですが、着実にレベルが上がってきているサービス群です。


レベル4が実現すれば、都市計画そのものが変わるということですね。


国土交通省「日本版MaaSの推進」
(日本版MaaSの政策方針と各地域の取り組み一覧が掲載されています)


マイカーの稼働率は10%以下、MaaSが生まれた本当の理由

「毎日乗っているから元は取れている」。そう思っているドライバーは多いかもしれません。しかし、実際には通勤に使っているマイカーでも、1日のうち車が動いている時間は平均でわずか10%程度に過ぎないというデータがあります。


残りの90%は駐車場に止まっているだけです。


普通車の年間維持費を見ると、税金・車検・保険・ガソリン代などを合わせると年間75万円前後になることも珍しくありません。軽自動車でも46万円程度はかかるとされています。車を動かしていない時間にもコストが発生し続けているわけです。これが、MaaSが必要とされるようになった根本的な背景の一つです。


都市部ではさらに駐車場代がこれに加算されます。東京都心であれば月3万円を超える駐車場も珍しくなく、年間に換算すると36万円以上が「止めておくためだけ」にかかる計算になります。合計で100万円超えという家庭も存在します。


厳しいところですね。


フィンランドでMaaSの実証実験が始まった背景にも同様の問題がありました。ヘルシンキは車への依存度が高く、交通渋滞とCO2排出が慢性的な課題でした。MaaS Global社がWhimアプリで実証した結果、利用者のマイカー使用率が目に見えて減少し、公共交通の利用が増えることが確認されました。


MaaSは「車を持たせない」ためではなく、「持たなくても不便にならない社会」を作るための仕組みです。車好きにとっては「乗りたいときだけ最高の車に乗れる」という選択肢にもなり得ます。カーシェアリングやサブスクリプション型サービスの充実がその一例です。


神戸製鋼所情報技術「CASEとMaaS:マイカー保有のコストと稼働率の実態」
(マイカーの稼働率10%という具体的なデータと、MaaSへの移行背景が詳しく解説されています)


日本版MaaSの具体的な導入事例と車好きへの影響

日本では、自動車メーカー・鉄道会社・自治体が三者三様でMaaSに参入しています。


最も注目度が高い事例の一つが、トヨタ自動車と西日本鉄道が共同開発した「my route(マイルート)」です。2018年11月から福岡市でスタートし、鉄道・バス・タクシー・レンタカーを組み合わせたルート検索・予約・支払いが1アプリで完結できます。また、トヨタは「MSPF(モビリティサービス・プラットフォーム)」というシステムも構築しており、世界中のコネクティッドカーから集まるビッグデータを活用した次世代モビリティ基盤の整備を進めています。


つまり、トヨタ自身がMaaSの中核を担おうとしているということですね。


鉄道業界では、JR東日本が「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」の開発を推進し、東北6県を対象とした「TOHOKU MaaS」を継続展開中です。スマホで電子チケットを購入し、観光施設の入場や交通手段の乗車をまとめて管理できる点が特徴です。旅先での移動がかなりスマートになります。


自治体主体の事例では、仙台市が取り組む「仙台MaaS」が挙げられます。路線バス・地下鉄・タクシーのデジタルチケット化と、スマホによる一括管理が特徴で、都市の回遊性向上を目指しています。MaaSはこうした中核都市でも、利便性向上と地域活性化を両立する手段として機能しています。


車好きにとって気になるのは、「MaaSが普及すると自動車産業はどうなるのか」という点でしょう。MaaSの普及によって自動車の個人購入台数が減少するという見方もある一方、カーシェアリングやサブスク型サービス向けの車両需要が増えるという見方もあります。マイカーは「特別な車を楽しむもの」になり、移動の道具としての車は「MaaSの一部品」になっていくという未来像も示されています。


Toyota Connected「MaaS事業サービス概要」
(トヨタのMSPFとカーシェアリングサービスの具体的な内容が確認できます)


MaaSのメリット・デメリットと、車好きが知っておくべき課題

MaaSが普及した場合のメリットは複数あります。まず、移動の利便性が上がります。複数の交通手段を1つのアプリで横断検索・予約・決済できるため、旅先でも初めての土地でもスムーズに移動できます。


次に、交通渋滞の緩和が期待されます。特に都市部では、MaaSによって公共交通やカーシェアリングへの移行が進むことで、道路を走る車の総数が減り、渋滞が解消される可能性があります。渋滞が減れば、逆にドライブが楽しくなるという側面もあります。


そして、高齢者や免許返納後の方の移動確保というメリットも大きいです。地方では交通空白地帯の問題が深刻で、車を運転できない人が病院や買い物に行けないケースが増えています。MaaSはこうした交通弱者の移動を支える手段としても期待されています。


一方で、課題もあります。


日本最大の課題は「サイロ化」です。各地域・各企業がそれぞれ独自のMaaSシステムを構築しているため、データが統合されず、1つのアプリで全国を網羅するサービスには程遠い状況です。経済産業省の2024年度調査でも、実証実験止まりのプロジェクトが多く、予算切れや合意形成の難航で断念した事例が報告されています。


もう1つはデジタル・ディバイドの問題です。MaaSはスマートフォンを前提に設計されているため、高齢者など端末操作に不慣れな層には恩恵が届きにくい側面があります。せっかく利便性が高まっても、必要とする人が使えなければ意味がありません。


これが原則です。


市場規模という観点では、日本のMaaS市場は2030年までに約6兆円規模に達するとも予測されています。世界市場全体では2032年までに年平均11.6%の成長が見込まれており、自動車・鉄道・ITの各産業が交差する巨大な成長領域です。車好きであれば、この変化の流れを知っておいて損はありません。


MaaSとCASE(Connected・Autonomous・Shared・Electric)は深く連動しています。CASEが「車の技術革新」を指すのに対し、MaaSは「移動サービスの統合」という異なる方向性を持ちつつ、互いに影響し合っています。コネクティッドカーや自動運転が普及すれば、MaaSのサービス品質はさらに向上します。逆に、MaaSの需要拡大がコネクティッドカーの普及を後押しするという関係でもあります。


Plug and Play Japan「MaaS(マース)とは?事例や課題、2025年以降の展望を解説」
(日本のMaaSのサイロ化問題と2025年以降の展望が詳しくまとめられています)


国土交通省「国土交通白書2020年版:MaaSの市場規模予測」
(2030年6兆円・2050年900兆円規模という世界市場予測の根拠データが掲載されています)




MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ