クロスバンギア トヨタ車体の革新的SUVミニバン

トヨタ車体が開発したクロスバンギアコンセプトは、ミニバンの実用性とSUVのアクティブスタイルを融合した革新的な車両です。その特徴や市販化の可能性について詳しく解説します。この新しいカテゴリーの車両は自動車業界にどのような変化をもたらすのでしょうか?

クロスバンギア トヨタ車体の革新的コンセプト

クロスバンギアの主要特徴
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SUVとミニバンの融合

アクティブなSUVスタイルと実用的なミニバンの大空間を両立

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6人乗り3列シート

ファミリー向けの多人数乗車に対応した室内設計

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革新的なドア構造

Bピラーレスの大開口スライドドアで利便性を向上

クロスバンギア トヨタ車体のコンセプト発表背景

トヨタ車体は2023年のジャパンモビリティショーにおいて、「X-VAN GEAR CONCEPT」(クロスバンギア)を発表しました。このコンセプトカーは「多様化するライフスタイルに合わせ、すべての人が人生を楽しむ次世代のキャブワゴン」というコンセプトで開発されています。

 

現在の自動車市場では、SUVが新車販売の約30%を占める人気カテゴリーとなっています。一方で、ミニバンも子育てファミリーを中心に根強い人気を誇っています。しかし、ミニバンをベースにしたSUVは三菱デリカD:5が独占状態で、他に類を見ないボディタイプでした。

 

トヨタ車体は、アルファード&ヴェルファイア、ノア&ヴォクシー、グランエース、ハイエースなどバンタイプのトヨタ車を多く手掛けるメーカーです。そのノウハウを活かし、新しいカテゴリーの車両として開発されたのがクロスバンギアなのです。

 

クロスバンギア トヨタのボディサイズと室内空間

クロスバンギアのボディサイズは全長4695mm×全幅1820mm×全高1855mmで、トヨタのノア・ヴォクシー(全長4695mm×全幅1730mm×全高1895mm-1925mm)と同等のサイズ感を持っています。注目すべきは、ノア・ヴォクシーよりも全幅が90mm広く設計されている点です。

 

室内空間については、室内長2965mm×室内幅1550mm×室内高1340mmという寸法が公開されており、ノアやヴォクシーと同等以上の室内空間を確保しています。この広い室内空間により、最大6名の乗車が可能となっています。

 

乗車定員は6人で、3列シートを備えています。SUVながら多人数乗車(5人以上の乗車)に対応できるのが大きな特徴となっています。この設計により、ファミリー層のニーズとアウトドア派のニーズを同時に満たすことができます。

 

クロスバンギア トヨタの革新的ドア構造とデザイン

クロスバンギアの最も注目すべき特徴の一つが、Bピラーレスによる大開口ドアの採用です。これはダイハツ「タント」のような構造で、自転車や釣り竿といった趣味のアイテムの積み下ろしが容易になっています。また、2列目シートや3列目シートの乗降性も大幅に向上しています。

 

エクステリアデザインでは、SUVらしさが強調された前後の張り出したフェンダー部分と、ブラックアウトされたフロントマスクのグリルがワイルドな印象を与えています。無塗装樹脂パーツを多用した直線的なエクステリアデザインを採用しており、トヨタ「ランドクルーザー」シリーズのような力強さを感じさせるものとなっています。

 

このデザインアプローチは、かつてのホンダ「エレメント」に似たミニバン+クロスオーバーSUVの要素を持っています。カクカクとした角張ったボディ形状は、機能性を重視したデザインの現れでもあります。

 

クロスバンギア トヨタの市販化可能性と特許登録

2024年3月11日、クロスバンギアコンセプトが特許庁に意匠登録されたことが明らかになりました。これは市販化に向けた重要なステップと考えられています。意匠登録は、デザインの知的財産権を保護するためのもので、商品化を前提とした場合に行われることが多いのです。

 

現在、SUVミニバンというジャンルは三菱「デリカD:5」が独占状態にあります。クロスバンギアが市販化されれば、この市場に新たな選択肢を提供することになります。特に、ノア・ヴォクシーサイズでありながらSUVテイストを持つ車両は、これまで存在しなかった新しいカテゴリーとなります。

 

市販化された場合の予想価格は400万円前後とされています。これは同サイズのミニバンやSUVと比較して妥当な価格設定と考えられます。ただし、革新的なドア構造や特殊な設計により、コストアップ要因もあるため、最終的な価格設定は注目されるところです。

 

クロスバンギア トヨタへの市場反応と将来展望

ネット上では、クロスバンギアに対して多くの期待の声が寄せられています。「ミニバンとSUVのいいとこ取り」「家族連れにもアウトドア派にも最高のクルマになりそう」「Bピラーレスの大きなスライドドアは画期的!」といった評価が多数見られます。

 

一方で、現実的な懸念も示されています。「市販化されたら価格が気になる」「燃費や環境性能も重視してほしい」といった意見もあります。また、「このサイズ感なら駐車場にも困らなそう」「シートアレンジの自由度が高く、キャンプや旅行で重宝しそう」と、具体的な使用シーンを想像する声も多く見られました。

 

クロスバンギアのようなコンセプトが市販化されれば、従来のミニバンやSUVの枠を超えた新しい選択肢として、幅広い層から支持を集めることが予想されます。特に、多様化するライフスタイルに対応できる多機能性は、現代の消費者ニーズに合致しています。

 

自動車業界全体を見ると、電動化の波が押し寄せる中で、新しいカテゴリーの車両が注目を集めています。クロスバンギアも、将来的にはハイブリッドやEV仕様での展開が期待されます。トヨタ車体の技術力と、トヨタグループの電動化技術を組み合わせることで、環境性能と実用性を両立した革新的な車両が誕生する可能性があります。

 

また、このような新しいカテゴリーの車両は、海外市場でも注目される可能性があります。特に、アウトドア文化が根付いている北米市場や、多様なライフスタイルが求められる欧州市場での展開も考えられます。

 

クロスバンギアは、単なるコンセプトカーを超えて、自動車業界の新しい方向性を示す重要な存在となっています。その市販化の動向は、今後の自動車市場の変化を占う重要な指標となるでしょう。