高速道路パトロールカー捕まる違反取締権限

高速道路で見かける黄色いパトロールカーに違反で捕まることはあるのか?警察車両との違いや取締権限について詳しく解説します。実際の権限範囲を知りたくありませんか?

高速道路パトロールカー捕まる違反取締権限

高速道路パトロールカーの基本情報
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正体はNEXCO所属の道路巡回車

警察車両ではなく、高速道路管理会社の交通管理隊が運用

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限定的な取締権限

車両制限令違反のみ取締可能、一般的な交通違反は対象外

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主な業務は道路の安全確保

定期巡回、事故処理、落下物除去などが中心業務

高速道路パトロールカーの正体と警察車両との違い

高速道路を走行中に目にする黄色いパトロールカーは、多くのドライバーが警察車両と勘違いしがちですが、実際は全く異なる組織の車両です。この黄色いパトロールカーの正体は、NEXCO(ネクスコ)などの高速道路管理会社が運用する「道路巡回車」で、正式名称は「高速道路パトロールカー」と呼ばれています。

 

運転しているのは警察官ではなく、「交通管理隊」(通称:高速パトロール隊)の隊員です。この隊員たちは24時間365日体制で高速道路を巡回し、道路の安全確保に従事しています。

 

警察車両との最も大きな違いは、その権限の範囲にあります。警察のパトカーが幅広い交通違反の取り締まりを行えるのに対し、高速道路パトロールカーの取り締まり権限は非常に限定的です。

 

車両の外観も特徴的で、黄色いボディにゼブラ柄の赤白バンパーが目を引きます。ルーフには回転灯と昇降式のLED表示板が装備されており、「落下物」や「事故」などの文字を表示して周囲の車両に危険を知らせる機能を持っています。

 

高速道路パトロールカー取締権限の実際の範囲

高速道路パトロールカーが実際に取り締まりを行える違反は、「車両制限令」に関する違反のみです。具体的には、トラックやトレーラーなどの大型車両の重量超過や寸法超過に対する取り締まりが主な対象となります。

 

一般的なドライバーが最も気になるスピード違反については、高速道路パトロールカーには取り締まり権限がありません。つまり、黄色いパトロールカーの前を制限速度を超えて走行しても、直接的に違反キップを切られることはないのです。

 

ただし、注意すべき点があります。高速道路パトロールカーは警察との連携体制を取っており、必要に応じて高速道路交通警察隊に出動要請を行うことがあります。そのため、パトロールカーが警察車両でないからといって完全に油断するのは危険です。

 

車両制限令違反の取り締まりは、主にインターチェンジの入口や料金所などで実施されています。道路の劣化を防ぐため、重量超過する違反車両への対応は年々厳しくなっている傾向があります。

 

高速道路パトロールカー業務内容と遭遇時の対応

高速道路パトロールカーの主要業務は多岐にわたります。最も重要な任務は定期巡回で、エリアによっては1日20回もの巡回を行うことがあります。この巡回により、平時と異なる道路状況を素早く察知し、迅速な対応を可能にしています。

 

事故処理も重要な業務の一つです。交通事故が発生すると現場に急行し、二次被害防止のための車線規制や、状況に応じてけが人の救出も行います。また、落下物の除去作業も命がけの重要な任務です。高速道路では小さな落下物でも重大事故につながる可能性があるため、通報があれば即座に対応します。

 

パトロールカーには様々な装備が搭載されています。

  • 矢印板やパイロン
  • 各種ライト類
  • 油処理剤(燃料やオイル流出時用)
  • 消火器、発炎筒、救急箱
  • けん引ロープ
  • 落下物除去用のスコップや竹ぼうき

ドライバーがパトロールカーに遭遇した際は、警告灯が点灯している場合は速度を落とし、安全な車間距離を保つことが重要です。作業中のパトロールカーの周辺では、隊員の安全確保のため徐行運転を心がけましょう。

 

高速道路パトロールカー違反通報システムの実態

近年、NEXCO中日本では安全運転啓発の一環として、パトロールカーが撮影した危険運転の映像をSNSに投稿する取り組みを行っています。これらの映像には、多重追突事故や横転事故の瞬間、サイレンを鳴らしているにも関わらず危険な車線変更を行う車両などが含まれています。

 

この取り組みの狙いは交通事故防止の観点から安全に寄与することで、NEXCO中日本の担当者によると「動画を添付して投稿すると閲覧数も多く、交通事故防止の観点から安全に寄与できている」とその効果を評価しています。

 

ただし、これらの映像投稿は直接的な取り締まりではなく、あくまで注意喚起が目的です。実際の交通違反の取り締まりは、警視庁および全国の道府県警察に設置されている「高速道路交通警察隊」が担当しています。

 

パトロールカーが危険運転を目撃した場合、その情報は道路管制センターに無線で伝えられ、必要に応じて警察への通報が行われます。このシステムにより、間接的ではありますが違反車両の取り締まりに貢献しているのが実情です。

 

興味深いことに、首都高では「黄バイ」と呼ばれる黄色いバイクのパトロール部隊も存在します。これは日本最長の山手トンネル(全長18.2km)での緊急事態に対応するもので、民間企業として日本初の緊急指定を受けた二輪車として、警察の白バイと同様にサイレンを鳴らして緊急走行が可能です。

 

高速道路パトロールカー遭遇時の法的注意点とマナー

高速道路パトロールカーとの遭遇時に知っておくべき法的な注意点があります。まず、パトロールカーが緊急走行している際は、一般車両と同様に道を譲る義務があります。黄色いパトロールカーも緊急車両として指定されており、サイレンを鳴らして緊急走行する権限を持っています。

 

作業中のパトロールカーに対しては、特に注意が必要です。高速道路上での作業は常に危険と隣り合わせであり、隊員の安全確保のため、作業現場付近では徐行運転が求められます。また、車線変更時には十分な安全確認を行い、作業車両や隊員に危険を及ぼさないよう配慮することが重要です。

 

パトロールカーの LED表示板に「渋滞発生中」「追突注意」などの表示がある場合は、その指示に従って運転することが安全運転の基本です。これらの表示は、前方の道路状況を事前に知らせる重要な情報源となります。

 

違反の疑いで停止を求められた場合、たとえ相手が警察官でなくても、車両制限令違反の取り締まり権限を持つ交通管理隊の指示には従う必要があります。特に大型車両を運転する際は、重量や寸法の制限を事前に確認し、違反のないよう注意することが重要です。

 

また、パトロールカーに対する妨害行為は道路交通法違反となる可能性があります。作業の邪魔になるような行為や、故意に接近するような危険運転は避けるべきです。高速道路の安全は、すべての利用者の協力によって保たれていることを理解し、パトロールカーの活動に協力的な姿勢を示すことが大切です。

 

高速道路パトロールカーは、私たちの安全な高速道路利用を支える重要な存在です。その役割と権限を正しく理解し、適切な対応を心がけることで、より安全で快適な高速道路利用が可能になります。