光電管式速度取り締まりは、従来のレーダー式とは全く異なる測定原理を採用している。この方式では、道路の歩道側に3メートル間隔で2台の光電管装置を設置し、対向する中央線側には反射器を配置する構成となっている。
光電管装置には投光部と受光部が組み込まれており、反射器に向けて赤外線や可視光線を照射している。車両が最初の装置を通過すると光線が遮られて測定が開始され、2台目の装置を通過した時点で測定が終了する仕組みだ。
この測定方式の特徴として、以下の点が挙げられる。
ただし、光電管のセンサー位置がずれると正確な測定ができなくなるため、設置時の調整は非常にシビアで、間隔が狭すぎるととんでもない数値が出てしまうこともある。
光電管式取り締まりの最大の特徴は、レーダー探知機では全く探知できないことだ。この理由を詳しく解説する。
従来のレーダー式オービスは、車両に向けて電波(レーダー波)を照射し、反射波の周波数変化(ドップラー効果)から速度を測定している。レーダー探知機は、この電波を受信することで取り締まりを事前に察知していた。
しかし光電管式では、測定に使用するのは「光」であり、電波ではない。具体的には。
この特性により、最新のレーダー探知機でも光電管式の取り締まりを事前に察知することは物理的に不可能となっている。
さらに厄介なのは、光電管式の取り締まりでは測定後の処理方法が2パターンあることだ。
光電管式取り締まりが実施される場所には明確な傾向がある。警察が選ぶ取り締まりポイントの特徴を分析すると、以下のような条件が揃った場所で実施されることが多い。
地理的条件。
運用上の条件。
特に注意すべきは、40km/h制限の生活道路での取り締まりだ。固定オービスが30km/h以上の超過で作動するのに対し、光電管式の移動取り締まりでは15km/h超過でも検挙される場合がある。
都市部では日常的に光電管式のネズミ捕りが行われており、特に朝夕の通勤時間帯に実施されることが多い。また、事故多発地点や住民からの苦情が多い道路では、重点的に取り締まりが実施される傾向にある。
レーダー探知機が使えない光電管式取り締まりでは、目視による早期発見が唯一の対策となる。効果的な発見方法を具体的に解説する。
装置の視認ポイント。
光電管装置は歩道側に設置されるため、運転席からでも確認可能だ。発見のコツは以下の通り。
早期発見のための運転技術。
発見後の対処法。
光電管式では2台目の装置を通過するまでは速度測定が完了しないため、1台目を通過した後でも減速すれば違反を回避できる可能性が高い。ただし、急ブレーキは後続車との事故リスクがあるため、自然な減速を心がけることが重要だ。
従来のレーダー探知機が通用しない光電管式取り締まりに対して、新たな対策技術と情報収集方法が注目されている。
GPS式探知機の活用。
最新のレーダー探知機は、電波探知だけでなくGPS機能を搭載している。これにより。
スマートフォンアプリの活用。
オービスガイドなどのスマホアプリは、光電管式取り締まりに対してレーダー探知機よりも情報反映が速い場合がある。これらのアプリの特徴。
警察公式情報の活用。
一部の警察署では、SNSやホームページで取り締まり予定を事前公開している。これらの公式情報は。
コミュニティ情報の活用。
自動車関連のフォーラムやSNSでは、リアルタイムの取り締まり情報が共有されている。ただし、これらの情報は。
これらの技術と情報を組み合わせることで、光電管式取り締まりのリスクを大幅に軽減できる。ただし、最も重要なのは日頃からの安全運転であり、これらの対策は補助的な手段として活用すべきだ。
光電管式取り締まりの登場により、従来の「レーダー探知機があれば安心」という考え方は通用しなくなった。新しい取り締まり技術に対応するためには、技術的対策と運転技術の両面からアプローチすることが不可欠となっている。