感応式信号の中核を担うのが超音波センサーです。停止線の手前上空5~6メートルの地点に取り付けられたセンサーは、直径15センチメートル程度の拡声器のような形状をしています。このセンサーは常時超音波を発射しており、その波が路面に反射して戻ってくるまでの時間を計測しています。
通常、超音波が路面から跳ね返る時間は一定ですが、車両がセンサー真下に停車した場合、反射時間が短くなります。その時間差を検出することで、交差点に車両が停車したことを認識し、信号を青に切り替えるという仕組みです。しかし重要な制限があります。検知できる範囲はセンサー直下の直径約1.2メートル程度に限定されており、この範囲外に停車した車両は認識されません。
加えて、誤作動を防ぐため、システムは3秒間以上連続して車両を検知する必要があります。バイクは車体が揺れやすく、停止中も若干の動きが生じるため、この連続検知の条件を満たしにくいという特性があります。これらの要因が組み合わさることで、バイクは感応式信号に反応しにくくなるのです。
感応式信号には大きく分けて2つの方式があります。全感応式は主道路と従道路の両方にセンサーを備えており、両方向からの交通量を常時監視しています。一方、半感応式は交通量の少ない従道路にのみセンサーが設置され、従道路に車両が停車した場合に限って信号が変わります。
バイクにとって問題となるのは主に半感応式です。全感応式が設置されている交差点は通常、交通量が比較的多い幹線道路との交差点であり、後続車が続くため信号が変わらないという問題は少ないです。しかし半感応式の交差点は交通量が少ないエリアに設置されており、バイク一台のみの停車では検知されず、いつまで経っても青信号に変わらないという事態が発生しやすいのです。
さらに、半感応式の多くは歩行者用の押しボタンが併設されている点も特徴的です。これはバイクが検知されない可能性に対応するための措置として位置付けられており、降車して歩行者用ボタンを押すことが一つの解決策となります。
感応式信号がバイクを検知するかどうかは、停止位置が極めて重要な要素になります。センサー直下の直径1.2メートル範囲内に停車していれば検知される可能性が高まりますが、停止線のギリギリに止まったり、対向車の大型トラックによる右左折に備えてセンサーより手前に止まったりすると、検知範囲外になってしまいます。
狭い道路の感応式信号はさらに厳しい条件があります。両側が一車線しかない道路の交差点では、対向車による誤作動を防ぐため、検知範囲がさらに狭く設定されている場合が多いです。この場合、バイクはセンサーの真下に極めて正確に停車する必要があり、現実的には困難になります。
重要な工夫として、信号機に「感知中」「お待ちください」といった表示ランプを備えているタイプがあります。バイクが検知されたかどうかを確認できるため、信号が変わらない場合はまずこのランプをチェックすることが推奨されます。ランプが点灯していなければ、別の対応が必要だと判断できます。
感応式信号が設置されている交差点の多くは、バイクが検知されない事態に対応するため、2輪車用ボタンを併設しているケースが増えています。歩道側の電柱に取り付けられたボタンで、バイクが検知されない場合の代替手段として機能します。もしボタンを発見した場合は、バイクから降車して押すことで信号を切り替えることができます。
2輪車用ボタンがない場合でも、歩行者用押しボタンを利用することで信号が変わります。多くの地域で、バイク利用者の利便性向上が進められており、交差点の周辺を丁寧に確認すれば何らかのボタンが見つかるケースがほとんどです。
ボタンを押すために降車する際は、後続車からのクラクションに慌てないことが安全上重要です。交差点付近の路面は轍で凸凹している場所が多く、焦ってバイクを降りると足を挫いたり立ちゴケをするリスクが高まります。深呼吸をして落ち着き、安全に降車・操作することが大切です。バイクが検知されず待ちくたびれていたときでも、落ち着いた行動が事故防止につながります。
交通量の少ない地域では、日中は定時制の信号で、夜間のみ感応式に切り替わる交差点が存在します。この場合、独特の問題が生じます。夜間は周囲が暗くなるため、停止線上空に設置されたセンサーの位置そのものが視認困難になるのです。センサーは昼間は光に反射して比較的容易に発見できますが、夜間はその輪郭が不明瞭になります。
ライダーが青信号を待つ際、セッテンサーの位置を特定できなければ、停止位置を最適化することが困難になります。結果として、検知範囲外での停車となり、いつまで経っても信号が変わらないという悪循環に陥ります。このような場況では、周辺の押しボタンを探すことが現実的な解決策になります。
夜間の感応式信号対応では、交差点周辺に2輪車用ボタンや歩行者用ボタンの存在を事前に認識することが重要です。複数回同じ交差点を通行する場合は、昼間の通行時にセンサー位置とボタン位置をメモしておくと、夜間運行時に役立ちます。安全運転の基本として、交差点の構造を事前把握することは極めて有効な対策なのです。
<参考リンク>
感応式信号の仕組みやバイク検知の詳細なメカニズムについては、以下のサイトが参考になります。交通安全の専門知識を基にした信号機構造の解説が掲載されています。
バイクは反応しないこともある?感応式信号の仕組みとは
感応式信号がバイクに反応しにくい理由と、実践的な対処法については、こちらのコンテンツで詳しく解説されています。停止位置の工夫やボタン操作に関する具体的なアドバイスが含まれています。
なかなか青にならずイライラ…。バイクで気をつけたい"感応式信号"

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