韓国ナンバー日本走行の条件と手続き完全ガイド

韓国のナンバープレートを付けた車両が日本の道路を走行することは可能なのでしょうか。ジュネーブ条約に基づく特別な制度や必要な手続きについて詳しく解説します。あなたも知らなかった国際的な車両運行制度の実態とは?

韓国ナンバー日本走行の実態と制度

韓国ナンバー車両の日本走行制度
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ジュネーブ条約による相互運行

日韓両国がジュネーブ条約を締結しており、特定条件下で相手国ナンバーでの走行が可能

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14日間の期間限定運行

協定により最大14日間、韓国ナンバーのまま日本国内を走行することができる

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フェリーによる車両輸送

関釜フェリーを利用して韓国から日本へ、日本から韓国へ車両を直接輸送可能

韓国ナンバー車両の日本走行における法的根拠

韓国ナンバーの車両が日本国内を走行できる法的根拠は、「道路交通に関する条約の実施に伴う道路運送車両法の特例等に関する法律」に基づいています。この法律により、ジュネーブ条約を締結している112の国と特別行政区のナンバープレートであれば、日本での走行が認められています。

 

韓国は日本とジュネーブ条約を締結しており、相互運行協定も結んでいるため、韓国ナンバーの車両が日本の道路を走行することが可能です。この制度は2012年から本格的に開始され、物流効率化を目的として導入されました。

 

特に注目すべきは、この制度が商用車両だけでなく、一般の乗用車や二輪車にも適用されることです。実際に韓国ナンバーのホンダカブ110で日本一周を行った韓国人旅行者の事例も報告されており、個人レベルでの利用も可能であることが確認されています。

 

韓国ナンバー車両の日本走行に必要な条件と手続き

韓国ナンバー車両が日本で走行するためには、3つの重要な条件を満たす必要があります。

 

第一の条件:輸入者本人の使用
車両を輸入した本人が使用することが義務付けられています。他人への貸与や譲渡は認められておらず、輸入手続きを行った当事者のみが運転できます。

 

第二の条件:1年以内の期間制限
輸入許可を受けた日から1年を経過しないものに限定されています。1年を超える場合は、日本の運輸局で車検を受け、日本のナンバープレートを新規取得する必要があります。

 

第三の条件:登録証書の備え付け
輸出国が発行する登録証書を車両に備え付けることが必須です。この証書により、車両が輸出国の保安基準を満たしていることが証明され、日本での車検が1年間免除されます。

 

韓国から日本への車両持ち込みの場合、関釜フェリーでの手続きが一般的です。釜山港で約1時間半の手続きを経て、黄色い臨時運行証を受け取ることで、韓国ナンバーのまま日本国内の走行が可能になります。

 

韓国ナンバー車両の日本走行における実際の体験談

実際に韓国ナンバー車両で日本を走行した体験談から、興味深い事実が明らかになっています。足立ナンバーの日本車で韓国を走行した事例では、韓国の高速道路システムが日本と類似していることが報告されています。

 

韓国では日本のETCに相当するHi-PASSシステムがありますが、日本ナンバーの車両では使用できないため、現金またはクレジットカードでの支払いが必要です。ただし、一部のクレジットカードブランドでは決済エラーが発生する場合があるため、現金の準備が推奨されます。

 

特に驚くべきは、韓国ナンバー車両で北朝鮮との軍事境界線近くの民間人統制区域(民統線)内への立ち入りが可能だったという報告です。統一展望台出入申告所で申告書を記入し、韓国軍の検問所で手続きを行うことで、外国ナンバーでも特別区域への入域が認められました。

 

2024年11月には、韓国ナンバーのホンダカブ110で日本一周を行う韓国人旅行者が確認されており、3月から11月まで約8ヶ月間にわたって日本各地を巡回していました。この事例は、二輪車でも同様の制度が適用されることを示しています。

 

韓国ナンバー車両の商用利用と物流効率化

韓国ナンバー車両の日本走行制度は、特に商用トレーラーの分野で大きな効果を発揮しています。2013年3月に韓国のトレーラーが初めて日本の道路を走行し、福岡県の日産自動車工場に韓国製自動車部品を運び込みました。

 

この制度により、従来は両国の港でコンテナを積み替える必要があった作業が不要となり、貨物到着時間が7日から4日に短縮されました。また、輸送コストの削減と韓国製部品の納期短縮により、韓国部品企業の競争力向上にも寄与しています。

 

商用車両の場合、韓国と日本の両方のナンバープレートを装着して走行することが一般的です。これにより、どちらの国でも適法な車両として認識され、円滑な物流が実現されています。

 

日中韓三国間のトレーラーシャーシの海陸一貫輸送実現に向けた取り組みも進んでおり、将来的には東アジア地域全体での物流効率化が期待されています。

 

韓国ナンバー車両運行時の注意点と交通ルール

韓国ナンバー車両で日本を走行する際には、いくつかの重要な注意点があります。まず、韓国は右側通行ですが、日本は左側通行のため、運転者は交通ルールの違いに十分注意する必要があります。

 

速度制限についても両国で差があります。韓国では10km/h超過から違反となり、オービス(自動速度取締装置)の設置数が日本の約10倍と非常に多いのが特徴です。一方、日本では一般的に20km/h程度の超過まで取り締まりの対象とならないことが多いため、韓国から来た運転者にとっては比較的緩やかに感じられる可能性があります。

 

ナンバープレートの視認性も重要な要素です。海外ナンバーであっても、表示されている番号や文字がしっかりと識別できる状態を維持する必要があります。韓国のナンバープレートにはハングルが表記されているため、国際条約に基づいて韓国外を走行する場合には、数字とアルファベットのみで構成される特別なナンバープレートが必要となる場合もあります。

 

また、韓国ナンバー車両には日本走行許可を示すステッカーが貼付されており、これにより日本の法執行機関が適法な車両であることを確認できるようになっています。

 

燃料補給や洗車などの日常的なメンテナンスについては、日本国内の施設を通常通り利用することができます。ただし、一部のクレジットカードが使用できない場合があるため、現金の準備が推奨されます。

 

この制度は日韓両国の文化交流促進にも寄与しており、個人レベルでの国際交流の新たな形として注目を集めています。特に自動車愛好家にとっては、異国のナンバープレートを装着した車両との遭遇は貴重な体験となっており、SNSでの話題性も高まっています。