トヨタオーストラリアが2024年8月2日に発表したランドクルーザープラドの最上級グレード「kakadu」は、日本のランドクルーザー250をベースとした豪州専用モデルです。
パワートレインには2.8リッター4気筒ディーゼルエンジンを搭載し、最高出力204ps、最大トルク500Nmを発生します。このエンジンにトヨタが「Vアクティブテクノロジー」と呼ぶ48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせることで、発進時の加速アシストとブレーキエネルギー回生による燃費向上を実現しています。
ボディサイズは以下の通りです。
価格設定は99,990豪ドル(約10億ルピア相当)で、プラドシリーズの中では最も高価な設定となっています。これは日本円に換算すると約1,000万円を超える価格帯となり、プレミアムSUVとしての位置づけが明確になっています。
kakaduグレードの最も特徴的な要素は、先代プラドを思わせる懐かしいデザインの専用フロントグリルです。このグリルは垂直ブレードで装飾された大型デザインとなっており、他のグレードが「TOYOTA」の文字のみを配置しているのに対し、kakaduは前面にトヨタエンブレムを光沢のある印象で表示しています。
エクステリアの特徴。
このデザインアプローチは、過去のプラドモデルの人気を受けて採用されたもので、顧客が最新のランドクルーザープラドであることを一目で認識できるよう配慮されています。カクカクとしたボディラインと相まって、タフで力強い印象を与える仕上がりとなっています。
kakaduグレードは、オフロード走行に特化した豪華装備を標準搭載しています。最も注目すべきは、アダプティブバリアブルサスペンション(AVS)システムの採用です。このシステムは、ドライブモードセレクションとマルチテレーンセレクションと組み合わせて動作し、様々な路面状況に対応します。
標準装備の主要機能。
バックアンダーフロアビューは、車両を疑似的に透過して後輪付近を表示する先進技術で、困難な地形での走行をサポートします。これらの装備により、kakaduは単なる高級SUVではなく、本格的なオフロード走行能力を持つ実用的なモデルとして位置づけられています。
kakaduグレードの発表は、日本の自動車愛好家の間で大きな反響を呼んでいます。特に「カッコいい」「懐かしい旧車デザイン」といった肯定的な評価が多数寄せられており、日本での販売を望む声も上がっています。
しかし、現時点でトヨタは日本市場でのkakadu販売について明言していません。これは以下の要因が考えられます。
市場戦略上の理由。
日本のランドクルーザー250には丸目ヘッドライトのオプションが用意されているのに対し、kakaduには設定されていない点も、市場の嗜好の違いを反映しています。
トヨタオーストラリアの副社長ショーン・ハンリー氏は、「モダンなユーティリティと高級SUVディスプレイを備えたランドクルーザーの70年間のオフロード遺産を埋め込んで、この車は最も望ましい世代になる運命にある」と述べています。
2024年第4四半期の発売予定で、8月末から先行予約が開始されており、オーストラリア市場での成功が他地域への展開を左右する可能性があります。
将来的な展開の可能性。
特に48Vマイルドハイブリッドシステムの「Vアクティブテクノロジー」は、今後のトヨタSUVラインナップにおいて重要な技術となる可能性が高く、kakaduはその先駆的モデルとしての意義を持っています。
また、プレミアム機能を搭載した高能力オフロード車に対する世界的な需要増加を背景に、kakaduのような特別仕様車の展開が他のモデルにも波及する可能性があります。トヨタの70年にわたるオフロード車製造の歴史と最新技術の融合を体現するkakaduは、ブランドの新たな方向性を示すモデルとして注目を集め続けるでしょう。