ジムニー専門店では、軽自動車という制約を逆手に取った独創的なカスタムが展開されています。特に注目すべきは、ランドクルーザー70風のスタイリングを施した「70YO.70」というカスタム車両で、価格は440万円(税込)となっています。
このカスタムの特徴は以下の通りです。
福岡県のジムニーランドでは、「お客さまからは、『1年以上待ちといわれたジムニーシエラが、70YO.70だと納車まで早くてビックリしました』『完全再現すぎて本物と間違えました』など」の反響があったといいます。
また、北海道では5ドアのジムニーノマドが正規販売され、専門店での取り扱いも始まっています。これにより、従来の3ドアジムニーでは実現できなかった実用性とオフロード性能の両立が可能になりました。
ランドクルーザー専門店では、本格的なオフロード性能を重視したカスタムが主流となっています。特に継続車検での入庫が多く、長期間使用される車両のメンテナンスに特化した技術力を持っています。
ランクル専門店の特徴的なサービス。
有限会社グローバルのような専門店では、「近年の冬季道の塩カル剤散布は、尋常でないくらい撒いてきますが、サビの発生も尋常ではありません」として、下回りの管理整備に力を入れています。これは、ランドクルーザーが長期間使用される車両であることを物語っています。
ジムニーとランドクルーザーの共通点として、両車種ともラダーフレーム構造を採用していることが挙げられます。この構造は本格オフロード4WDの証とも言える重要な要素です。
ラダーフレーム構造の特徴。
「フレームさえ無事であればとりあえず走り続けられる。戦場や紛争地帯でランドクルーザーが重用されているのもうなずける」という専門家の見解があります。
一方で、ジムニーは軽量なラダーフレームを採用することで、「大人3人で何とかできる」という取り回しの良さを実現しています。これは、脱輪や転倒時の復旧作業において大きなアドバンテージとなります。
オフロード性能において、ジムニーとランドクルーザーにはそれぞれ異なる特性があります。実際の使用場面での比較を見てみましょう。
ジムニーが有利な場面:
ランドクルーザーが有利な場面:
専門家の意見では、「シチュエーションを考えるとランクルが有利なのは砂漠のような所のみという感じがする。逆に小さくて軽いことが有利に働くところでは完全にジムニーの独断場」とされています。
専門店でのカスタム価格を比較すると、興味深い傾向が見えてきます。ジムニーのランクル70風カスタム「70YO.70」が440万円という価格設定は、本物のランドクルーザー70の中古車価格と比較しても競争力があります。
価格比較の観点:
ジムニーの場合、軽自動車としての税制優遇や維持費の安さが大きなメリットとなります。一方、ランドクルーザーは「30万キロ以上走れる」耐久性と、世界中での部品供給体制が投資価値として評価されています。
専門店での車検整備を見ると、ランクル系の車両が多く入庫しており、長期間使用される車両としての信頼性の高さが伺えます。これは、初期投資は高くても長期的な視点では経済的である可能性を示唆しています。
また、ジムニーノマドの登場により、従来のジムニーでは実現できなかった実用性が加わったことで、専門店でのカスタム需要も変化しています。5ドア化により、ファミリーユースでの需要も期待されており、カスタム市場の拡大が予想されます。
専門店選びの際は、単純な価格比較だけでなく、アフターサービスの充実度や技術力、カスタムパーツの独自性なども重要な判断材料となります。特に、「パーツ販売をしていないのでジムニーランドさんで買った人しか70YO.70に乗れないところに魅力を感じました」という顧客の声があるように、希少価値も重要な要素となっています。