トヨタのラインナップでジムニーに最も近い存在として挙げられるのが、ランドクルーザー70です。1984年のデビュー以来、40年近くにわたってフルモデルチェンジを行わず、その無骨なデザインと本格的なオフロード性能を維持し続けています。
ランドクルーザー70の最大の特徴は、ラダーフレーム構造による圧倒的な耐久性です。この構造により、過酷な環境下でも安定した走行性能を発揮し、世界中の過酷な地域で愛用されています。エンジンは4.0L V6自然吸気エンジンを搭載し、最大出力228PS、最大トルク360N・mを発生します。
価格帯は新車で約480万円からとなっており、ジムニーと比較すると高額ですが、その分サイズも大きく、より本格的なオフロード走行が可能です。特に商用車としての需要も高く、建設現場や農業分野での活用も多く見られます。
ただし、燃費性能はWLTCモードで約8.1km/Lと決して良好とは言えず、維持費の面では覚悟が必要です。また、全長4,890mm、全幅1,870mmという大柄なボディサイズのため、都市部での取り回しには注意が必要です。
より手軽にジムニーのような雰囲気を味わいたい方には、トヨタ ライズがおすすめです。2019年に発売されたコンパクトSUVで、ダイハツとの共同開発により生まれた車種です。
ライズの魅力は、コンパクトなボディサイズながらもSUVらしい力強いデザインを実現している点です。全長3,995mm、全幅1,695mm、全高1,620mmというサイズは、ジムニーシエラに近く、都市部での使い勝手も良好です。
エンジンは1.0L直列3気筒ターボエンジンを搭載し、最大出力98PS、最大トルク140N・mを発生します。燃費性能はWLTCモードで約18.6km/Lと優秀で、経済性も魅力の一つです。
価格は新車で約171万円からとリーズナブルで、ジムニーと比較しても手が届きやすい価格設定となっています。四輪駆動システムも用意されており、軽度なオフロード走行にも対応可能です。
内装は現代的で使いやすく、安全装備も充実しています。Toyota Safety Sense搭載により、衝突回避支援や誤発進抑制機能など、最新の安全技術が標準装備されています。
2018年に販売終了したものの、中古車市場で根強い人気を誇るのがトヨタ FJクルーザーです。このモデルは、1960年代から1980年代にかけて販売されていた初代ランドクルーザー(FJ40)をモチーフとしたレトロフューチャーなデザインが特徴です。
FJクルーザーの最大の魅力は、その独特な丸目ヘッドライトと角ばったボディラインです。まさにジムニーのような無骨さと愛嬌を併せ持つデザインで、街中でも非常に目立つ存在です。ボディカラーも豊富で、特にイエローやオレンジなどの鮮やかな色が人気でした。
エンジンは4.0L V6自然吸気エンジンを搭載し、最大出力276PS、最大トルク380N・mという力強いパフォーマンスを発揮します。本格的な四輪駆動システムにより、高いオフロード性能を実現しています。
中古車市場では、走行距離や年式によって価格が大きく異なりますが、概ね200万円から500万円程度の価格帯で取引されています。販売終了から時間が経過しているため、程度の良い個体は価格が高騰する傾向にあります。
購入を検討する際は、メンテナンス履歴や修復歴の有無を必ず確認し、信頼できる販売店での購入をおすすめします。
2020年に発売されたヤリスクロスは、トヨタの新世代コンパクトSUVとして注目を集めています。ヤリスをベースとしながらも、SUVらしい力強さを表現したデザインが特徴です。
ヤリスクロスの魅力は、優れた燃費性能と都市部での使いやすさです。ハイブリッドモデルでは、WLTCモードで約30.8km/Lという驚異的な燃費性能を実現しており、経済性を重視するユーザーには最適な選択肢です。
エンジンラインナップは、1.5L直列3気筒自然吸気エンジンと1.5Lハイブリッドシステムの2種類を用意。ガソリンモデルでも約20.2km/Lの燃費性能を実現しています。
四輪駆動システムも設定されており、E-Four(電気式4WDシステム)により、雪道や軽度なオフロードでの走行も安心です。ただし、本格的なオフロード走行には向いておらず、どちらかといえば都市型SUVとしての性格が強い車種です。
価格は新車で約179万円からとなっており、装備内容を考慮すると非常にコストパフォーマンスに優れています。安全装備も充実しており、Toyota Safety Sense 2.0が全車標準装備されています。
トヨタでジムニーのような車を選ぶ際には、購入前に知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。まず、用途を明確にすることが最も重要です。本格的なオフロード走行を重視するならランドクルーザー70、都市部での使い勝手を重視するならライズやヤリスクロスが適しています。
維持費の面では、車種によって大きな差があります。ランドクルーザー70の場合、燃費が約8.1km/Lと悪く、ハイオクガソリン仕様のため燃料費が高額になります。また、タイヤサイズも大きく、交換費用も高額です。一方、ライズやヤリスクロスなら燃費が良好で、レギュラーガソリン仕様のため経済的です。
保険料についても考慮が必要です。ランドクルーザー70のような高額車両は車両保険料が高くなる傾向があります。また、盗難リスクも高いため、セキュリティ対策も重要になります。
メンテナンス費用では、ランドクルーザー70は部品代が高額になる傾向があります。特に、オフロード走行を頻繁に行う場合は、足回りやエンジン関連の消耗が早くなる可能性があります。
税金面では、ランドクルーザー70は排気量が大きいため自動車税が高額になります。2019年10月以降の新車登録車では、4.0L超の場合年額66,500円となります。
購入時期についても戦略的に考える必要があります。新車の場合、モデルチェンジ前や年度末には値引きが期待できる場合があります。中古車の場合は、需要と供給のバランスを見極めることが重要です。
最後に、ディーラーでの購入メリットも考慮しましょう。トヨタディーラーでは、充実したアフターサービスや保証制度が利用できます。特に、長期間乗り続ける予定の場合は、ディーラーでの購入がおすすめです。