2019年10月に生産終了したエスティマですが、2025年に入って開発プロジェクトが再開されたという信頼できる情報が入ってきました。トヨタは当初、燃料電池車(FCEV)としての復活を検討していましたが、市場の動向やe-TNGAプラットフォームの開発状況を踏まえ、BEV(バッテリー電気自動車)とPHEV(プラグインハイブリッド)での復活に方針転換したとされています。
この背景には、トヨタの電動化戦略の加速があります。2030年までに電動車の販売台数を大幅に増やす目標を掲げる中で、ミニバン市場での電動化も重要な要素となっています。特に、ファミリー層に人気の高いエスティマブランドを活用することで、電動車の普及促進を図る狙いがあると考えられます。
また、エスティマファンからの復活を望む声も開発再開の要因の一つです。独特の「天才タマゴ」デザインで愛され続けたエスティマの復活は、多くのユーザーが待ち望んでいる状況でした。
次期エスティマには、複数のパワートレインが用意される予定です。主力となるのはBEVとPHEVの2つのバリエーションで、それぞれ異なる特性を持ちます。
BEVバージョンの予想スペック:
PHEVバージョンの予想スペック:
当初検討されていた燃料電池車(FCEV)については、インフラ整備の遅れや製造コストの問題から見送られる可能性が高いとされています。代わりに、より実用的で普及しやすいBEVとPHEVに集中することで、幅広いユーザーニーズに対応する戦略と考えられます。
次期エスティマには、新開発の「マルチパスウェイプラットフォーム」が採用される見込みです。これは、GA-Kプラットフォームをベースとしながら、BEVとPHEVの両方に対応できるよう設計された革新的なプラットフォームです。
プラットフォームの特徴:
予想ボディサイズ:
このサイズアップにより、室内空間の拡大と積載性の向上が期待されます。特に3列目シートの居住性改善は、ファミリー層にとって大きなメリットとなるでしょう。
また、e-TNGAプラットフォームの採用により、バッテリーを床下に配置することで、従来のミニバンでは実現困難だった低重心化を実現。これにより、ミニバン特有の揺れやふらつきを大幅に軽減し、乗用車並みの安定した走行性能を提供できると予想されます。
次期エスティマのデザインは、2017年東京モーターショーで公開された「Fine-Comfort Ride」のコンセプトを踏襲しつつ、市販車として実用的にアレンジされると予想されます。
エクステリアデザインの特徴:
インテリアの予想仕様:
特に注目すべきは、コンセプトカーで提案された円形の独立シートです。これにより、従来のミニバンとは一線を画す上質な移動空間を提供できると期待されています。また、電動化により静粛性が向上することで、より快適な車内環境が実現されるでしょう。
内装色については、コンセプトカーで採用されたパープルの革シートと紺色のフロアマット、ホワイトのサイドパネルという組み合わせが市販車でも採用される可能性があります。これにより、他のミニバンとは差別化された特別感のある内装空間を演出できると考えられます。
次期エスティマの価格設定は、従来モデルから大幅に上昇すると予想されています。先代エスティマのハイブリッド車が435万円程度からだったのに対し、次期モデルは安くても500万円台後半からのスタートとなる見込みです。
予想価格帯:
この価格上昇の要因として、以下の点が挙げられます。
トヨタは次期エスティマを、アルファード・ヴェルファイアとは異なる「スポーティ・プレミアム」路線で展開する戦略と考えられます。これにより、従来のラグジュアリー志向とは差別化を図り、新たな市場セグメントの開拓を目指すものと思われます。
また、月々定額のカーリースサービスの充実により、高額な車両価格でも手の届きやすい支払い方法を提供することで、幅広い層への普及を図る可能性があります。
競合車種との比較では、日産エルグランドやホンダオデッセイといった従来のライバルに加え、輸入車のミニバンとも競合することになるでしょう。電動化技術と日本車らしい信頼性を武器に、プレミアムミニバン市場での地位確立を目指すと予想されます。