ジャパンタクシー個人所有の実態とメリット・デメリット完全ガイド

トヨタのジャパンタクシーを個人で所有することは可能なのか?購入方法から維持費、LPGガス問題まで、実際の所有者の声を交えて詳しく解説。あなたも憧れのタクシーを手に入れられる?

ジャパンタクシー個人所有の全貌

ジャパンタクシー個人所有のポイント
🚗
購入可能性

トヨタ販売店で個人購入が可能、ただし条件あり

燃料問題

LPGガス使用のため給油場所が限定的

💰
コスト面

車両価格は高額だが燃料費は安価

ジャパンタクシー個人購入の基本条件と手続き

トヨタのジャパンタクシーは、実際に個人で購入することが可能です。全国のトヨタ店とトヨペット店で、一般ユーザー向けにも販売されており、個人名義での購入に制限はありません。

 

車両価格は標準グレードの「和(なごみ)」で336万7100円、上級グレードの「匠(たくみ)」で359万2600円となっています。シエンタのハイブリッドG Cueroが258万円であることを考えると、約100万円の価格差があります。

 

購入時の注意点として、販売店側は以下の点を慎重に確認します。

  • 車庫証明が問題なく取得できる保管場所の確保
  • LPGガスを個人向けに販売するスタンドの近隣での存在確認
  • 高額車両のため、契約時に車両金額の1〜2割程度の先払いが必要な場合がある

実際の購入例は「ごく少数」「自家用のコースターと同じ程度」とされており、非常にレアなケースといえます。

 

ジャパンタクシーのLPGガス問題と給油環境

個人所有における最大の障壁は、燃料がLPG(液化石油ガス)のみという点です。LPGスタンドは全国で約1,400箇所しかなく、ガソリンスタンドの2万8,000店舗と比較すると20分の1程度の数しかありません。

 

さらに問題となるのは、すべてのLPGスタンドが個人向けに販売しているわけではないことです。多くは法人契約やタクシー専用に開放しており、個人向けに販売を行っている場所は「ごく少数」です。

 

LPGガスのメリット。

  • 価格が1リットルあたり80〜90円と安価(レギュラーガソリン140円前後と比較)
  • 二酸化炭素や窒素酸化物(NOx)の排出量が少なく環境に優しい
  • タクシーのような長距離走行では燃料コスト削減効果が大きい

デメリット。

  • LPGボンベが荷室容量を圧迫
  • ボンベは6年ごとに検査が必要で、検査にパスしていないとLPG充填が不可能
  • 近隣に個人向けLPGスタンドがない場合、日常使用が困難

ジャパンタクシー個人所有のメリットと実用性

ジャパンタクシーを個人所有する場合の魅力的なメリットがいくつか存在します。

 

広い室内空間と快適性
全高1,750mmとエスティマクラスの高さがあり、後部座席の広さは圧倒的です。タクシーとして設計されているため、乗客の快適性を最優先に考えられた設計となっています。

 

優れた耐久性
タクシーとして使用できるタフさは、一般的な乗用車とは比較になりません。電動スライドドアも耐久性があり、長期間の使用に耐える設計です。

 

バリアフリー対応
車いすの乗降が可能で、スロープの設置から車いす固定まで約3分で完了します。体が不自由な人を送迎する機会が多い人にとっては、非常に魅力的な機能です。

 

メンテナンス性の良さ
経済性を重視した設計で、バンパーは3分割で交換可能、ヘッドライトとリヤコンビネーションライトはアウターレンズのみの交換も可能です。ちょっとした傷を安価に修理できる工夫が施されています。

 

エコカー減税の対象
「2020年燃費基準+30%達成車」のため、購入時の自動車税の免除などの優遇が受けられます。

 

ジャパンタクシー個人所有者の実際の声と活用事例

実際にジャパンタクシーを個人所有している事例は非常に珍しく、その用途も特殊なケースが多いようです。

 

元タクシードライバーの購入例
タクシードライバーを定年退職した人が「乗り慣れたクルマに乗りたいし、LPGスタンドにも慣れている」という理由で購入するケースが確認されています。この場合、LPGガスの取り扱いに慣れており、給油場所の問題もクリアできています。

 

ショーカー・カスタム用途
あるトヨタ販売店では、完全なプライベート利用ではなく、ショーカーとしての要素を含めて購入し、外装を改造する予定の顧客がいたと報告されています。クラシカルなスタイルをカスタムするという、ユニークな活用方法です。

 

誤認される問題
興味深いことに、ポルテユーザーからは「カラーリングがダーク系で形状もJPタクシーと同じなので、繁華街の暗い道ではよく弊車を見て手を挙げる方多い」というコメントもあり、一般道でのタクシーとの誤認問題も存在します。

 

SNSでの交流
現在では個人でLPG車を愛用している人同士がSNSなどで交流しており、情報交換や相談ができる環境が整いつつあります。

 

ジャパンタクシー個人所有の隠れたビジネス活用法

一般的には知られていませんが、ジャパンタクシーの個人所有には意外なビジネス活用の可能性があります。

 

介護・福祉事業での活用
車いす対応機能を活かし、個人事業主として介護タクシーや福祉輸送サービスを展開することが可能です。通常のタクシー事業とは異なる許可で運営でき、高齢化社会において需要が増加している分野です。

 

イベント・撮影用車両としての需要
映画やドラマの撮影、イベントでの展示用として、個人所有のジャパンタクシーをレンタルするビジネスモデルも考えられます。実際のタクシーを借りるより手続きが簡単で、撮影スケジュールにも柔軟に対応できます。

 

観光ガイド事業への転用
地方の観光地では、ジャパンタクシーの特徴的な外観を活かした観光ガイド事業も可能です。外国人観光客にとって、日本らしいデザインのタクシーは魅力的な移動手段となります。

 

企業の送迎車両としての価値
法人向けの送迎サービスでは、ジャパンタクシーの広い室内空間と快適性が重宝されます。特に高齢者や身体の不自由な顧客を持つ企業にとって、バリアフリー対応は大きなアドバンテージとなります。

 

維持費の詳細については、自動車税34,500円(年額)、自動車重量税12,300円(年額)に加え、新車購入時の諸費用は20〜25万円程度が必要です。LPGボンベの6年ごとの検査費用も考慮する必要があります。

 

ジャパンタクシーの個人所有は、確かに可能ですが、LPGガスという特殊な燃料システムが最大のハードルとなります。しかし、適切な環境と用途があれば、その独特な魅力と実用性を活かした所有が実現できる、非常にユニークな選択肢といえるでしょう。