2025年秋の発売が予定されている新型プレリュードは、ホンダが24年ぶりに復活させる2ドアクーペです。シビックをベースとしながらも、独立したトランクスペースを持つ流麗なクーペボディを採用し、スペシャリティカーとしての魅力を追求しています。
パワートレインには、シビックと同じe:HEVハイブリッドシステムを搭載。走行用と発電用の2モーターを備え、2リッター直列4気筒エンジンと組み合わせることで、環境性能とスポーツ性能を両立させています。
最も注目すべきは、新開発の「Honda S+ Shift(ホンダ・エスプラスシフト)」の搭載です。この技術は次世代e:HEVの全モデルに採用予定で、従来のリニアシフトコントロールを進化させたシフト制御により、よりダイレクトな走行フィールを実現します。
Honda S+ Shiftは、新型プレリュードの最大の技術的ハイライトです。この新システムは、加減速時にエンジン回転数を緻密にコントロールし、ダイレクト感の高いレスポンスと鋭い変速を実現します。
具体的な機能として、以下の特徴があります。
高速道路などの低負荷域でエンジン直結状態になるe:HEVの特性を活かし、ハイブリッドでありながらエンジンの存在感を感じられる走りを提供します。
さらに、アクティブサウンドコントロールシステムも搭載予定です。エンジン回転数と同期した迫力あるサウンドがスピーカーから流れ、メーター表示と連動することで、ドライバーのスポーツマインドを刺激する演出も用意されています。
新型プレリュードの予想価格は600〜650万円とされており、当初予想されていた500万円前後から大幅に上昇しています。この価格設定の背景には、シビックタイプRの価格上昇があります。
シビックタイプRの特別仕様「レーシングブラックパッケージ」が599万8300円に設定されたことを考慮すると、新型プレリュードの600万円台という価格は妥当な設定と言えるでしょう。
価格帯別の競合車種比較。
価格帯 | 車種 | 特徴 |
---|---|---|
600万円台 | 新型プレリュード | ハイブリッド2ドアクーペ |
500万円台 | シビックタイプR | 高性能ハッチバック |
700万円台 | トヨタ スープラ | 直6ターボスポーツカー |
この価格設定により、新型プレリュードは高級スポーツクーペ市場への参入を図っています。ハイブリッド技術を活用した環境性能と、スポーツカーとしての走行性能を両立させることで、従来のスポーツカーとは異なる価値提案を行う戦略です。
プレリュードの歴史は1978年の初代モデルから始まります。特に1980年代に登場した2代目・3代目は、斬新なデザインにより女性からも大きな支持を獲得し、「デートカー」という流行語を生み出したことでも知られています。
歴代プレリュードの特徴。
2001年の5代目を最後に生産終了となったプレリュードですが、2023年のジャパンモビリティショーでコンセプトモデルが発表され、復活への道筋が示されました。その後、2025年の東京オートサロンでプロトタイプが展示され、具体的な発売時期が明らかになりました。
現代における復活の意義は、縮小する2ドアクーペ市場において、ハイブリッド技術を活用した新しいスポーツカーの可能性を示すことにあります。環境規制が厳しくなる中で、従来のガソリンエンジンのみのスポーツカーとは異なるアプローチを提示しています。
新型プレリュードの最大の独自性は、ハイブリッドシステムを搭載した2ドアクーペという点にあります。現在の日本市場において、この組み合わせを実現している車種は他に存在せず、ホンダならではの技術的アプローチと言えるでしょう。
従来のスポーツカーが直面している課題と新型プレリュードの解決策。
環境規制への対応 🌱
走行性能の維持 ⚡
市場ニーズへの対応 🎯
将来的には、タイプRバージョンの設定も期待されています。AIによる予想CGも公開されており、専用バンパーや大型ウイング、赤いHエンブレムを装着したより過激なバージョンの可能性も示唆されています。
また、新型プレリュードの成功は、ホンダの今後のスポーツカー戦略にも大きな影響を与えると考えられます。ハイブリッド技術を活用したスポーツカーの可能性が証明されれば、他のスポーツモデルにも同様のアプローチが採用される可能性があります。
販売店での反響も上々で、24年ぶりの復活に対する期待の高さがうかがえます。予約受注の開始が近づくにつれ、さらなる詳細情報が明らかになっていくことが予想され、スポーツカーファンの注目を集め続けることでしょう。
新型プレリュードは、単なる過去の名車の復活ではなく、現代の技術と環境要求に応えた新しいスポーツカーの形を提示する重要なモデルとなりそうです。