2024年9月5日に販売開始されたホンダ フィットの一部改良モデルは、外観デザインこそ変更されていないものの、日常使用での利便性を大幅に向上させる装備追加が実施されました。
今回の改良で全グレードに標準装備となった主要アイテムは以下の通りです。
特に注目すべきは、これらの装備追加にも関わらず価格据え置きを実現している点です。e:HEVベーシックが213万8400円(FF車)から、最上級のリュクスが264万3300円(FF車)まで、幅広い価格帯でラインナップされています。
グレード別の追加装備も充実しており、例えばクロスターグレードには本革巻きステアリングホイールやアームレスト付きセンターコンソールボックスが新たに標準装備され、プレミアム感が向上しています。
2025年に入り、中国市場向けのホンダ フィットに大幅なデザイン変更が施されることが判明しました。中華人民共和国工業情報化部の届出情報から発見されたこの新型フィットは、従来のデザインから大きく脱却した斬新なフロントフェイスを採用しています。
最も特徴的なのは一文字型のデイライトです。従来の楕円形ヘッドライトから一転、シャープな直線を描くデイライトがセンターグリルを通して左右で一体化しており、まさに「一文字ライト顔」と呼ぶにふさわしいデザインとなっています。
デイライトの下部には別体のヘッドライトユニットが配置され、昨今のトレンドである2段構造のフロントライトシステムを採用。この長細い左右一体型のデイライトは中国で流行しているデザイン要素でもあり、現地市場を強く意識した変更といえるでしょう。
ボディサイズも変更され、全長4169mm×全幅1694mm×全高1537mmと、現行モデル(4081mm-4125mm)より全長が約50mm延長されています。これにより、よりスタイリッシュなプロポーションを実現しています。
ホンダ フィットは2001年の初代登場以来、数多くのマイナーチェンジを経て進化を続けてきました。特に印象的だったのは2017年に実施されたマイナーチェンジで、ホンダセンシングの採用が注目されましたが、実はそれ以外にも重要な改良が多数実施されていました。
2017年のマイナーチェンジでは、モノコック構造の強化が行われました。構造そのものの変更ではなく、要所要所にスティフナー(補強材)を追加し、板厚をアップすることで全体的なまとまり感を向上させています。
この改良により、ステアリングベアリング部分の強化も実現し、ハンドリングの正確さが大幅に向上しました。また、初期モデルで課題となっていたブレーキフィーリングも改善され、急激な制動力の立ち上がりが緩和されています。
現行4代目フィットは2020年2月に発売され、シンプルな仕様の「BASIC」、快適装備を持つ「HOME」、スポーティーな仕様の「NESS」、アクティブ仕様の「CROSSTAR」という4つのスタイルで展開されています。
中国市場で発見された大幅デザイン変更のフィットが、日本市場にも導入される可能性について考察してみましょう。
まず、中国市場特有のデザイン要素として、一文字型のデイライトがあります。これは中国の消費者に人気の高いデザイントレンドですが、日本市場では必ずしも受け入れられるとは限りません。日本のユーザーは比較的保守的なデザインを好む傾向があり、あまりに斬新すぎるデザインは敬遠される可能性があります。
しかし、ホンダの最近のデザイン戦略を見ると、グローバル統一デザインの方向性も見て取れます。新型ヴェゼルやステップワゴンなどでも、従来より大胆なデザインを採用しており、フィットにおいても同様の変化が起こる可能性は十分にあります。
特に注目すべきは、フロントエンブレム右下の4つの小さなスリットなど、細部にまでこだわったデザイン要素です。これらは機能性とデザイン性を両立させる現代的なアプローチであり、日本市場でも評価される可能性があります。
ボディサイズの拡大については、日本の道路事情を考慮すると慎重な判断が必要です。全長50mmの延長は、狭い駐車場や住宅街での取り回しに影響を与える可能性があり、コンパクトカーとしての魅力を損なう恐れもあります。
現在フィットの購入を検討している方にとって、最適な購入タイミングを見極めることは重要です。
現行モデル購入のメリット
2024年9月の一部改良により、現行フィットは装備面で大幅に充実しました。価格据え置きでオートリトラミラーや全席オートパワーウィンドウなどの便利装備が標準化されており、コストパフォーマンスは非常に高い状態です。
また、現行デザインは日本市場で十分に受け入れられており、リセールバリューの面でも安定しています。中古車市場での人気も高く、将来的な売却時にも有利です。
待つべきケース
一方で、以下のような方は次期マイナーチェンジを待つことも検討すべきでしょう。
ただし、中国市場で発見されたデザイン変更が日本市場に導入されるかは不明であり、仮に導入されるとしても2026年以降になる可能性が高いと予想されます。
価格面での考慮
現行モデルは装備充実にも関わらず価格据え置きを実現しており、今が最もお得な購入タイミングといえます。次期マイナーチェンジでは、新装備の追加により価格上昇の可能性もあるため、コストを重視する方は現行モデルの購入をおすすめします。
また、ディーラーでの値引き交渉も、モデル末期に近づくほど有利になる傾向があります。現在は2024年9月の改良直後のため値引きは期待できませんが、2025年後半以降は交渉余地が生まれる可能性があります。
ホンダ フィットの新型マイナーチェンジ情報は、自動車業界の動向を占う重要な指標でもあります。特に中国市場での大胆なデザイン変更は、ホンダのグローバル戦略の変化を示唆しており、今後の展開から目が離せません。日本市場への影響も含め、継続的な情報収集が重要といえるでしょう。