ヒッチメンバーの取り付け工賃は、作業内容や車種によって大きく変動します。一般的な相場は15,000円から30,000円程度ですが、複雑な作業が必要な場合はさらに高額になることもあります。専門店での取り付け工賃を具体的に見ると、取付難易度Aクラスで39,600円、Bクラスで46,200円、Cクラスで52,800円という価格設定もあります。また、基本工賃20,000円に加えて、穴あけ加工が必要な場合は1箇所につき5,000円、バンパー脱着が必要な場合は5,000円前後の追加費用が発生することもあります。作業時間は簡単な取り付けで1時間半から2時間、穴あけなどの複雑な作業が必要な場合は2時間半から3時間程度を要します。
参考)ヒッチメンバーの取付け費用の目安とは
ヒッチメンバー本体の価格は材質や強度によって幅広く設定されています。安価なスチール製は錆の心配がありますが、価格を抑えられるメリットがあり、19,800円から入手可能です。一方、ステンレス製のヒッチメンバーは高価ですが、錆に強くいつまでもきれいな状態を保てるため、長期使用を考えると費用対効果が高いといえます。車種によっても価格が異なり、例えばトヨタハイエース200系用のSUNTREXヒッチメンバーは74,800円で、これに取付工賃39,600円を合わせると合計114,400円となります。また、750kg以上の高荷重に対応するハイロードヒッチメンバーは135,300円という価格設定もあり、牽引するトレーラーの重量に応じた選択が必要です。
参考)ヒッチメンバー取り付け
配線作業はヒッチメンバー取り付けの重要な工程で、トレーラーへの電力供給を確保するために必要です。基本的な配線作業の費用は11,000円程度ですが、バックランプがハッチ部分にある車種の場合は3,300円以上の追加料金が発生します。配線リレーを使用する場合は16,500円の部品代に加えて、5,500円の作業料がかかります。配線方法にも品質の差があり、付属のエレクトロタップで結線する簡易的な方法と、リアフェンダー内の配線にはんだ付けする本格的な方法があります。はんだ付けによる結線は結線不良を防ぎ、衝突時の断線リスクも低減できるため、安全性を重視する場合は推奨される方法です。また、カプラー後部の結線部は腐食しやすいため、防錆処理を施すことも重要なポイントとなります。
参考)ヒッチメンバー取り付けについて
車種によってはヒッチメンバー取り付けに追加の加工が必要となり、その分の費用が上乗せされます。リアバンパーの脱着が必要な車種では3,300円から5,000円程度の追加工賃が発生します。フレームへの穴開け加工が必要な場合は、1箇所につき2,200円から5,000円の費用がかかります。リアバンパーのカット加工が必要なケースでは2,200円以上の追加料金が設定されており、車両の形状によっては避けられない作業となります。欧州車やアメリカ車などの輸入車については、国産車とは構造が異なるため個別見積りが必要となり、標準的な工賃よりも高額になる傾向があります。また、ヒッチキャリアやサイクルキャリアの組立作業を依頼する場合は3,300円から、5cm角対応の加工が必要な場合は5,500円からの費用が別途発生します。
参考)https://www.kifactory.jp/flow_gallery/gallery_list-615-13273-1.html
実際の取り付け事例を見ると、費用の内訳がより具体的に理解できます。トヨタエスティマへの取り付けでは、ヒッチメンバー本体と工賃を含めて総額122,040円という実績があります。ハイエーススーパーGLの場合、ステンレス製ヒッチメンバー82,350円、送料1,000円、工賃20,000円、ショートパーツ1,000円で合計104,350円となった例があります。ニッサンムラーノの場合は、サントレックスのヒッチメンバー部品代52,127円に取り付け工賃25,000円を加えた約77,000円程度が実際の支払額となっています。フルコースで依頼する場合、本体取付、配線、950登録、ETCセットアップを含めて45,000円(税別)という設定もあり、穴あけ作業やバンパー・マフラー・内装の脱着工賃も含まれているため、トータルでの費用を比較検討することが重要です。
参考)ハイエース スーパーGL ヒッチメンバー取り付け ヒッチカプ…
費用を抑えたい場合は、持ち込み取付やDIYという選択肢があります。ヒッチメンバーを自分で購入して整備工場に持ち込む場合、基本工賃は15,552円からとなり、車種によってバンパー脱着や穴あけ加工の費用が別途必要になります。DIYで取り付ける場合、18mmのスパナ2本があれば作業可能ですが、パーツが重く1人での作業は危険なため、必ず2人以上で行う必要があります。取り付け手順としては、左右のステーをサイドメンバーにボルト止めし、ナットありプレートをフレームと一緒に挟むように固定します。ボルトにはスプリングとワッシャーを付けた状態で下から入れて固定し、最後に全体を本締めする流れとなります。ただし、ボルトで固定するタイプであれば車検も問題ありませんが、溶接するものは構造変更手続きが必要になるため注意が必要です。DIYに不安がある場合は、工賃相場が15,000円から30,000円であることを考えると、安全性と確実性を優先して専門業者に依頼する方が賢明といえます。
参考)【パーツ紹介】ハイラックスで牽引するには必須!ヒッチメンバー…
ヒッチメンバーを取り付けた後も、継続的にメンテナンス費用が発生することを考慮しておく必要があります。スチール製ヒッチメンバーの場合、錆びが発生した際にはタッチアップペンやアクリルスプレーで塗装する必要があり、融雪剤が散布された路面や海辺を走行した後は塩害腐食防止剤での洗浄が推奨されます。ステンレス製でも取付ステーにスチールが使用されている場合は「もらい錆」が発生する可能性があるため、定期的な点検と補修が必要です。また、取り付けボルトやナット類の緩みを確認してメーカー指定の規定トルクで増し締めする作業、ヒッチボールとボールマウント差し込み部分へのグリス注入、配線ソケット内側への防錆スプレー散布など、定期メンテナンスに関連する消耗品費用も発生します。さらに、ヒッチメンバーを装着するとデパーチャーアングル(車両後部と地面との差)が小さくなるため、勾配のついた出入り口や車輪止めに当てないよう注意が必要で、場合によっては車両底部の損傷修理費用が発生するリスクもあります。
参考)https://ameblo.jp/topbusinessman2/entry-12598326820.html