2025年2月7日に発売された「スーパーGL DARK PRIME S」は、ハイエース200系誕生20周年を記念した特別仕様車として大きな注目を集めています。この新型モデルの内装は、従来のハイエースとは一線を画す上質な仕上がりを実現しています。
最も印象的な変更点は、カーボン調加飾を施したインストルメントパネルアッパー部とシフトノブの採用です。これまでのハイエースが持つ商用車的なイメージから脱却し、乗用車並みの質感を実現しています。また、専用のメッキ加飾パーツが随所に配置され、20周年記念モデルにふさわしい特別感を演出しています。
シート素材についても大幅な改良が施されており、専用トリコット+表皮の組み合わせにより、長時間の運転でも疲れにくい快適性を提供します。運転席と助手席には専用ロゴが刺繍され、特別仕様車であることを主張するデザインとなっています。
新型ハイエースの内装は、見た目の美しさだけでなく、実用性の向上にも大きく配慮されています。特に注目すべきは、空車状態でも心地良い乗り味を実現するための工夫です。
従来のハイエースは貨物車としての性格が強く、荷物を積載していない状態では乗り心地が硬く感じられることがありました。しかし、新型では足回りの改良により、キャンプやショッピングなどの普段使いでも快適に過ごせる仕様に変更されています。
収納面では、クラス最大級の広大な荷室スペースはそのままに、使い勝手の良い収納の数々が配置されています。室内のいたるところに、ドライブが楽しくなる気遣いが施されており、長距離移動でも疲れにくい環境が整えられています。
また、安全性能の向上も内装に反映されており、視認性に十分配慮した室内空間の設計により、運転時の安全性が大幅に向上しています。
新型ハイエースの内装は、カスタマイズ性の高さも大きな魅力の一つです。2024年7月に開催された「東京キャンピングカーショー2024」では、ハイエースをベースにした新型キャンピングカー「トラベローグ"エアロフト"」が初公開され、その拡張性の高さが実証されました。
この「2階建て」構造のキャンピングカーは、4人が寝られる超オシャレな内装を実現しており、ハイエースの内装カスタマイズの可能性を大きく広げています。ベース車両の内装が上質になったことで、カスタマイズ後の仕上がりもより洗練されたものになることが期待されます。
また、アフターパーツメーカーのHKSが開発した「e-ハイエース」のように、電動化に対応したカスタマイズも注目されています。既存のトランスミッション部分をモーターユニットに置き換えることで、環境性能と実用性を両立したカスタマイズが可能になっています。
新型ハイエースの内装は、グレードによって大きく異なる特徴を持っています。最上位の特別仕様車「DARK PRIME S」から、ベーシックなDXグレードまで、それぞれに独自の魅力があります。
グレード | 内装特徴 | 主な装備 |
---|---|---|
DARK PRIME S | カーボン調加飾、専用シート | メッキ加飾パーツ、専用ロゴ |
スーパーGL | 上質な内装 | 充実した装備 |
DX GLパッケージ | 実用性重視 | 必要十分な装備 |
DX | シンプル設計 | 基本装備のみ |
特に「DARK PRIME S」は、従来のハイエースでは考えられなかった高級感を実現しており、商用車の枠を超えた魅力を持っています。一方で、DXグレードは商用車としての実用性を重視した設計となっており、用途に応じた選択が可能です。
ボディカラーの選択肢も豊富で、ダークグレーやホワイトパールクリスタルシャインなど、内装との調和を考慮した設定がなされています。
新型ハイエースの内装設計は、将来の電動化を見据えた設計思想が随所に見られます。ジャパンモビリティショー2023で展示された「KAYOIBAKO」コンセプトは、未来のハイエースの姿を示唆するものとして注目されています。
このコンセプトモデルは、バッテリーEVとして設計されており、「好きなときに・好きな場所で・好きなことができる」モビリティの未来を実現するとされています。超拡張性能を備えた内装設計により、ビジネスユースからプライベートユースまで、さまざまなシーンに対応できる柔軟性を持っています。
ただし、現実的な次期ハイエースでは、完全なBEV化は困難とされており、マイルドハイブリッドシステムの採用が有力視されています。これにより、内装にも電動化に対応した新しい機能や装備が追加される可能性があります。
年間3万~4万キロという過酷な使用条件に耐えうる耐久性を保ちながら、環境性能と快適性を両立した内装設計が求められており、トヨタの技術力が試される重要な局面となっています。
新型ハイエースの内装は、単なる移動手段を超えた「移動する空間」としての価値を提供し、ユーザーのライフスタイルに寄り添う進化を続けています。今後の展開にも大きな期待が寄せられています。