2024年1月に発売されたハイエースのアースカラーパッケージは、発売直後から予想を上回る人気を集めました。トヨタが設定した「ベージュ」と「アーバンカーキ」の2色は、アウトドアブームの影響で多くのユーザーから支持を受けています。
しかし、この人気が裏目に出て、生産能力を大幅に上回る注文が殺到。その結果、多くの販売店で受注停止という事態に陥りました。関東圏のトヨタ販売店スタッフは「お客様からは『この色を待ってたんだよ』と言っていただけるだけに、お待たせしてしまう状況が販売店としてもやるせ無い気持ちです」と語っています。
さらに、2024年1月27日に発覚した豊田自動織機製ディーゼルエンジンの「国内排出ガス認証不正問題」も影響を与えました。該当するエンジンを搭載したハイエースの出荷が一時停止され、これがアースカラーの供給不足に拍車をかけた形となっています。
2025年現在、ハイエースアースカラーの納期は通常カラーよりも大幅に長期化しています。具体的には以下のような状況です。
関西圏のトヨタ販売店では「再開の目処は現在、多くの情報が入ってきておりませんが、9月か10月の秋口には何かしらのご案内ができるのではないかと思います」との見解を示していました。しかし、2025年に入っても状況は大きく改善されていません。
納期の長期化には、アースカラーパッケージが特別仕様車扱いであることも関係しています。通常のボディカラーとは異なる塗装工程が必要で、生産ラインでの調整が複雑になっているのです。
アースカラーパッケージは、スーパーGLグレード専用のメーカーオプションとして設定されています。このパッケージには以下の装備が含まれます。
外装装備
価格設定
新車価格は400万円前後での購入が可能とされていますが、実際の見積もりではオプション装備により価格が変動します。アースカラーパッケージ自体のオプション価格は、他の特別装備と組み合わせることで総額が大きく変わる可能性があります。
注意すべき点は、ダークプライムIIではアースカラーパッケージが選択できないことです。内装の豪華さを求める場合は、後付けカスタマイズでの対応が必要になります。
アースカラーパッケージを確実に手に入れるための戦略的アプローチをご紹介します。
販売店回りの効果的な方法
複数のトヨタ販売店に足を運び、キャンセル待ちリストに登録することが重要です。販売店によって在庫状況や受注再開のタイミングが異なるため、情報収集を怠らないことが成功の鍵となります。
中古車市場の活用
新車での購入が困難な場合、中古車市場での探索も有効な手段です。アースカラーは希少性が高いため、中古車でも高値で取引されていますが、新車を長期間待つよりも早期に手に入れられる可能性があります。
カスタマイズという選択肢
スーパーGLの通常カラーを購入し、後からアースカラーに塗装変更する方法もあります。専門業者による塗装であれば、純正に近い仕上がりを期待できます。ただし、リセールバリューや保証の観点から慎重な検討が必要です。
予約システムの活用
一部の販売店では、受注再開時の優先予約システムを導入しています。事前に希望を伝えておくことで、受注再開と同時に注文手続きを進められる可能性があります。
アースカラーパッケージの将来的な価値について、複数の観点から分析してみましょう。
リセールバリューの優位性
限定オプションであるアースカラーは、将来的な売却時に高いリセールバリューが期待できます。特にベージュとアーバンカーキは、アウトドアブームの継続により中古車市場でも人気を維持する可能性が高いとされています。
生産継続の見通し
トヨタは現在のハイエース(200系)を長期間にわたって生産しており、アースカラーパッケージも継続的に設定される可能性があります。ただし、環境規制の強化やフルモデルチェンジのタイミングによっては、現行仕様での生産が終了する可能性も考慮する必要があります。
カスタマイズ市場への影響
純正アースカラーの登場により、アフターマーケットでのカスタマイズ需要にも変化が生じています。「新車時の純正塗装であるため、品質も均一であり、純正アースカラーを選ぶ価値は高い」とされており、カスタマイズベースとしての価値も高く評価されています。
現在の「買えない」状況は一時的なものである可能性が高く、生産体制の調整により将来的には安定供給が期待されます。しかし、その間にも需要は継続するため、購入を検討している方は早めの行動が推奨されます。
アースカラーパッケージは単なる色の選択肢を超えて、ハイエースの新たな可能性を示すオプションとして位置づけられています。アウトドアライフスタイルの多様化に対応した戦略的な商品展開として、今後も注目を集め続けることでしょう。