トヨタ・グランドハイランダーは、2023年2月8日にシカゴオートショーで世界初公開された3列シートSUVです。ハイランダーの上位モデルとして位置づけられ、より広い室内空間と高い実用性を実現しています。
ボディサイズは全長5116mm×全幅1989mm×全高1781mm、ホイールベース約2949mmと、日本の道路事情を考慮すると相当な大型車です。プラットフォームには、日本でも販売されているハリアーやRAV4と同じGA-Kプラットフォームを採用しており、技術的な親和性は高いといえます。
パワートレインは3種類が用意されており、以下のような構成となっています。
特に注目すべきは、ハイブリッドMAXの圧倒的なパワーです。362馬力という出力は、トヨタ史上最もパワフルなミッドサイズSUVとなっており、2.2トンの牽引能力も備えています。
日本市場への適合性を考える上で、まず注目すべきは車両サイズです。全幅1989mmという数値は、日本の立体駐車場の多くが対応していない規格であり、都市部での使用には制約があります。
しかし、近年の日本市場では大型SUVへの需要が高まっており、特に以下の要因が追い風となっています。
実際に、アンケート調査では日本導入を求める声が多数寄せられており、潜在的な需要は確実に存在すると考えられます。
価格面では、北米での価格が約601万円からとなっており、日本市場では700万円を超える価格帯になる可能性が高いです。この価格帯は、レクサスGXやランドクルーザーと競合することになります。
日本発売に向けた技術的課題として、まず挙げられるのが右ハンドル化です。現在、グランドハイランダーは左ハンドル仕様のみの生産となっており、日本市場への投入には右ハンドル仕様の開発が必要です。
また、日本の法規制への適合も重要な課題です。
さらに、日本市場特有の装備要求もあります。例えば、狭い道路での取り回しを支援するパノラマビューモニターや、駐車支援システムなどの充実が求められるでしょう。
興味深いことに、グランドハイランダーには既に一部の日本市場向け装備が搭載されています。12.3インチのマルチメディアディスプレイや、音声認識システム「Hey Toyota」などは、日本のユーザーにも馴染みやすい仕様となっています。
日本市場でグランドハイランダーが投入された場合の競合車種を分析すると、以下のような状況が想定されます。
直接競合車種
間接競合車種
特に注目すべきは、グランドハイランダーのハイブリッドMAXが持つ362馬力という圧倒的なパワーです。これは国産SUVの中でも突出した性能であり、スポーツ性能を重視するユーザーには強い訴求力を持つでしょう。
燃費性能においても、ハイブリッドモデルの15.3km/Lという数値は、この車格のSUVとしては優秀な部類に入ります。
業界関係者の間では、グランドハイランダーの日本発売について様々な憶測が飛び交っています。特に興味深いのは、レクサスブランドでの投入可能性です。
実際に、グランドハイランダーのレクサス版として「TX」が2023年6月に発表されており、これが日本市場への布石となる可能性があります。レクサスTXが日本で成功すれば、トヨタブランドでのグランドハイランダー投入も現実味を帯びてくるでしょう。
予想される日本発売シナリオ
また、日本独自の仕様として、以下のような装備が追加される可能性があります。
トヨタとしては、アルファードやヴェルファイアで培った大型車両の販売ノウハウを活かし、グランドハイランダーを新たなフラッグシップSUVとして位置づける戦略が考えられます。
特に、2025年モデルとして発表された最新仕様では、さらなる改良が加えられており、日本市場への投入に向けた準備が着々と進んでいる可能性もあります。
現在のところ公式な発表はありませんが、日本のSUV市場の成長と、ユーザーからの強い要望を考慮すると、グランドハイランダーの日本発売は決して夢物語ではないでしょう。今後のトヨタの動向に注目が集まります。