新型グランディスは、ボディサイズが全長4410mm×全幅2000mm×全高1580mmのコンパクトSUVとして設計されています。室内長は1600mmを確保し、5名乗車仕様でありながら積載容量は566L(VDA方式)という実用性の高い設計が特徴です。
車名の由来は、ラテン語で「大きい」「雄大な」という意味から来ており、広々とした室内空間と堂々とした力強いエクステリアデザインを象徴しています。この命名は、コンパクトなボディサイズながらも室内の広さを重視した設計思想を表現しています。
製造はスペインのルノー・バリャドリード工場で行われ、2025年内より欧州で順次販売が開始される予定です。これは三菱自動車の中期経営計画「チャレンジ2025」に基づく戦略的な商品投入の一環として位置づけられています。
新型グランディスには、MHEV(マイルドハイブリッド)モデルとHEV(ハイブリッドEV)モデルの2種類のパワートレインが設定されています。これらの電動化技術により、燃費性能の向上と環境負荷の軽減を実現しています。
MHEVシステムは、1.3L直噴エンジンをベースとしており、発進時や加速時にモーターがエンジンをアシストすることで、燃費向上と走行性能の両立を図っています。一方、HEVモデルでは、より高度なハイブリッドシステムを採用し、電気モーターによる走行も可能となっています。
三菱自動車の中村達夫副社長は、「HEV、PHEV、BEVと豊富な電動車を揃え、多様なお客様のニーズにお応えしていきます」とコメントしており、電動化戦略における新型グランディスの重要性を強調しています。
新型グランディスのエクステリアデザインには、三菱自動車のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」が採用されています。フロントフェイスには、サテンシルバーのアクセントをあしらった光沢のあるブラックグリルが配置され、安心感とパフォーマンスの高さ、そして洗練された上質さを演出しています。
サイドビューでは、ルーフラインが後方まで流れるようなシルエットが特徴的で、ダイナミックさと広い室内空間を両立したデザインとなっています。新設計の19インチアルミホイールが、大胆かつプレミアムな印象を与える要素として機能しています。
リヤデザインでは「スカルプチュアル ヘキサゴン」というデザインアイデンティティを採用し、彫り込まれたような六角形のモチーフが力強さと三菱のDNAを表現しています。水平に配されたリヤコンビランプが、洗練とモダンな印象を創出しています。
新型グランディスには、超音波センサーやカメラ、前方レーダーによる先進予防安全技術が積極的に搭載されています。これらのシステムにより、車両周辺の状況を常にモニタリングし、ドライバーの運転をサポートします。
主要な安全装備として、以下のシステムが搭載されています。
これらの先進安全装備により、ドライバーの運転負荷を軽減し、安全・安心なドライブを提供します。特に、オキュパントセーフイグジットアシスト[OSEA]などの最新技術も搭載されており、乗員の安全性を総合的に向上させています。
新型グランディスは、ASXやコルトに続く三菱とルノーの協業第3弾として位置づけられており、CMF-Bプラットフォームを活用したコスト効率の良い開発が実現されています。このプラットフォーム共有により、開発コストを抑制しながらも高品質な車両を提供することが可能となっています。
欧州のコンパクトSUV市場は激戦区となっており、新型グランディスは電動化技術と広い室内空間を武器に競合他車との差別化を図っています。特に、566Lという大容量のラゲッジスペースは、同クラスの競合車種と比較しても優位性のある数値です。
三菱自動車は、新型グランディスと同時期に電気自動車「エクリプス クロス」の投入も計画しており、電動車のラインアップ強化により欧州市場でのプレゼンス向上を目指しています。これにより、HEV、PHEV、BEVという多様な電動化技術を揃え、幅広い顧客ニーズに対応する戦略を展開しています。
また、縦型10.1インチディスプレイなどの最新インフォテインメントシステムも搭載されており、デジタル化が進む自動車市場において競争力のある装備を提供しています。これらの先進技術により、若い世代を含む幅広い顧客層へのアピールを強化しています。