GACKTの愛車として最も注目を集めているのが、紫色に塗装されたランボルギーニ・アヴェンタドールです。この車は「エヴァンゲリオン仕様」と呼ばれ、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の初号機をイメージした独特の紫色が特徴的です。
アヴェンタドールは2011年から2022年まで製造されたランボルギーニのフラッグシップモデルで、6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンを搭載しています。最高出力は700ps以上を発揮し、0-100km/h加速は2.9秒という驚異的な性能を誇ります。
GACKTのアヴェンタドールは、エンジン、インテリア、外装すべてがフルカスタムされており、カスタム費用だけで3000万円もかけられています。この金額は新車価格を上回る投資額で、彼の車への情熱とこだわりの深さを物語っています。
マレーシア在住時には、この愛車を自ら運転している姿がSNSで公開され、「専属ドライバーはいない」とコメントしています。ファンからは「エヴァ色ランボ、ホントにきれい」「これはカッコ良すぎる!」といった称賛の声が多数寄せられています。
GACKTのコレクションには、ジャガー XJRも含まれています。このXJRは1997年から2009年まで製造されたジャガーの高性能セダンで、5リッターV型8気筒エンジンにスーパーチャージャーを組み合わせたパワートレインを搭載しています。
最高出力550ps、最大トルク680Nmを発揮するこの車は、当時のジャガーラインナップの頂点に位置するモデルでした。新車価格は年式により1695万円から1968万円と高額でしたが、現在では希少価値が高まっています。
GACKTのXJRも、アヴェンタドールと同様にパープルに塗装されており、統一感のあるカラーリングが施されています。特に注目すべきは、ボンネットに装備されたスワロフスキーを纏ったボンネットマスコット「リービングキャット」です。このカスタムは他では見られない独特の装飾で、彼の美意識とブランドイメージを反映しています。
ジャガーXJRは日本国内での移動に使用されることが多く、その優雅な走りと高級感がGACKTのイメージにマッチしています。英国の伝統的な高級車ブランドであるジャガーを選択することで、彼の国際的な感性と上質な趣味を表現しているとも言えるでしょう。
日本での移動車として使用されているのが、キャデラック・エスカレードです。このエスカレードは2014年から2020年まで製造された4代目モデルで、全長5145mm-5700mm×全幅2045mm×全高1880mm-1890mmという大型SUVです。
パワートレインには6.2リッターV型8気筒OHVエンジンが搭載され、筒内直接噴射や気筒休止システムなどの先進技術により燃費効率が改善されています。アメリカを代表するプレミアムSUVとして、圧倒的な存在感を放つモデルです。
GACKTのエスカレードは、製作期間半年、約1000万円の費用をかけてカスタムされています。最も特徴的なのは、ルーフを切って全高を延長し、室内空間を拡大したリムジン仕様への改造です。
内装では前席と後席がパーテーションで完全にセパレートされ、後席エリアには特注のベンチシート、間接照明、大型ディスプレイが装備されています。移動中は映画やアニメを楽しんでいるとのことで、まさに移動するプライベートシアターとして機能しています。
外装はホワイトカラーのボディに、足元にはSKY FORGEDの大径ホイールを装着。アメリカンラグジュアリーの象徴的な存在として、GACKTの多様な車への嗜好を示しています。
GACKTの車への情熱は、単なるコレクションを超えた深い哲学に基づいています。2017年のブログ投稿では、「最近のオトコはクルマに興味がないなんて話を聞く。それが本当なら世も末だ」と若者の車離れに対する懸念を表明しています。
彼は車を「高価なオトコのオモチャ」と定義し、購入や維持に費用がかかるからこそ「もっと頑張ろう、もっと稼げるようになろうと、仕事のスキルも上がる」と語っています。この考え方は、車を単なる移動手段ではなく、自己実現と成長の動機として捉える独特の価値観を示しています。
「本当にオトコがクルマに興味がなくなるなんてありえない」と断言するGACKTは、若者が車の楽しみ方を知らないだけだと分析しています。手段としてしか使ったことがなければ車の楽しみは分からないとし、経験の重要性を強調しています。
実際に、GACKTの愛車コレクションは多くの若者に影響を与えています。SNSでの愛車公開には「GACKTさんが運転するランボルギーニの助手席乗ったら秒で気絶しちゃう」といったコメントが寄せられ、憧れの対象となっています。
彼の車選びには一貫したこだわりがあり、パープルという統一カラーや、エヴァンゲリオンというアニメ文化への言及など、日本のポップカルチャーと高級車文化を融合させた独自のスタイルを確立しています。
GACKTの車コレクションには、投資価値とチャリティ活動という意外な側面があります。2024年のX(旧Twitter)投稿では、「これは実は以前ボクがチャリティで寄付した車」と明かし、3000万円のカスタム費用をかけた車を慈善活動に提供していたことが判明しました。
この投稿では「この値段ならボクが買い戻すか」とコメントしており、チャリティオークションに出品された愛車の動向を気にかけている様子が伺えます。高額なカスタム車をチャリティに寄付する行為は、単なる車愛好家を超えた社会貢献への意識を示しています。
ランボルギーニ・アヴェンタドールの中古車市場での価値は、生産終了により上昇傾向にあります。特にGACKTのような著名人が所有し、大幅なカスタムが施された車両は、コレクターズアイテムとしての価値も持ちます。
エヴァンゲリオン仕様という独特のカスタムは、アニメファンとスーパーカーファンの両方にアピールする要素を持っており、将来的な資産価値の観点からも注目されています。日本のポップカルチャーと高級車の融合という、世界的にも珍しいカスタム事例として、海外のコレクターからも関心を集めています。
また、GACKTの車選びには戦略的な側面もあります。マレーシアでの生活では自ら運転し、日本では運転手付きの移動車を使い分けるなど、ライフスタイルに応じた使い分けを行っています。これは単なる趣味を超えた、実用性とステータスを両立させた車選びの哲学を表しています。
車への投資を「仕事のスキルアップにつながる」と位置づけるGACKTの考え方は、車を消費財ではなく自己投資の一環として捉える新しい価値観を提示しており、特に若い世代の車に対する意識変革に影響を与えています。