覆面パトカーによる速度違反の取り締まり方法は、大きく分けて3つの手法があります。これらの方法を理解することで、日常の運転でより注意深く行動できるでしょう。
1. 追尾による取り締まり
最も一般的な方法で、違反車両の後方から一定距離を保ちながら追尾し、速度を計測します。この際、覆面パトカーは自車の速度計を使用して違反車両の速度を測定します。追尾距離は通常200メートル以上を維持し、正確な計測を行います。
2. 待ち伏せによる取り締まり
特定の場所に待機し、通過する車両の速度を計測する方法です。高速道路のサービスエリアや側道、一般道の駐車場などから監視を行います。レーダーや光電管式の速度測定器を使用することもあります。
3. パトロール監視による取り締まり
通常の交通の流れに紛れて走行しながら、周囲の車両の違反行為を監視する方法です。速度違反だけでなく、車線変更違反や信号無視、携帯電話使用なども同時に取り締まります。
これらの取り締まり方法は、交通機動隊や高速道路交通警察隊によって日々実施されており、一日に50~60件もの取り締まりを行うとされています。
覆面パトカーを見分けるためには、車種や外観の特徴を知ることが重要です。警察庁の入札条件により、覆面パトカーには明確な規定があります。
車種の特徴
外観の特徴
動きの特徴
覆面パトカーの動きには特徴的なパターンがあります。ゆっくり走行していたにも関わらず、急に追い越し車線へ車線変更し加速してくる車両は要注意です。また、短い距離を何度も行き来している車両や、側道から出てきてすぐ先の側道に入るような車両も覆面パトカーの可能性が高いとされています。
地元の運転者が一定の速度で走行している区間は、覆面パトカーの取り締まりポイントとして認識されている場合があります。
覆面パトカーが法定速度を超えて追尾するためには、厳格な法的要件があります。これらの要件を理解することで、適切な取り締まりと違法な追尾の境界を知ることができます。
緊急車両の要件(道路交通法施行令第14条)
これらの要件を満たした場合、一般道路で80km/h、高速道路で100km/hまでの走行が認められます。さらに、速度超過車両を取り締まる場合は、道路交通法41条の2により、これらの制限を超えても合法となります。
サイレンの例外規定
興味深いことに、速度超過車両を追尾する場合に限り、「特に必要があると認めるとき」はサイレンを鳴らさなくても許される場合があります。これは追尾の効果を高めるための特別な規定です。
違法追尾の境界
赤色灯を点けずに法定速度を超えて追尾することは違法行為となります。ただし、違法追尾によって捕まった速度違反車でも、基本的には有罪となるのが現実です。
覆面パトカーは正式名称を「交通取締用四輪車」といい、明確な組織体制の下で運用されています。
所属組織
取り締まり対象の違反行為
隊員の特徴
交通機動隊や高速道路交通警察隊の隊員は、両サイドに白ラインの入ったブルーの制服を着用し、ヘルメットを装着しています。覆面パトカーの後方についたり、追い越しざまに車内を確認すると、制服を着た警察官が乗車していることが分かります。
各都道府県警察のホームページでは「重点取り締まり場所」が公表されており、予定されている取り締まりポイントを事前に知ることも可能です。
覆面パトカーの取り締まりを避ける最も確実な方法は、交通ルールを遵守した安全運転を心がけることです。
基本的な安全運転のポイント
後方確認の重要性
運転中の視線配分は前方6割、後方4割の割合で目配りすることが推奨されています。ルームミラーで後方の状況を適切に把握していれば、追尾している覆面パトカーの存在を早期に発見できます。
地域特性の理解
地元の運転者は覆面パトカーの出没ポイントを熟知している場合が多く、道路環境が良好にも関わらず周囲の車両が一定速度で走行している場所は、取り締まりポイントとして認識されています。
覆面パトカーや白バイの主目的は速度超過の取り締まりだけではありません。運転中の携帯電話使用、信号無視、車線変更禁止区間での車線変更など、様々な交通違反が取り締まり対象となっています。
交通ルールを守った運転をしていれば、覆面パトカーが後方についても何も恐れることはありません。安全運転こそが最も確実で効果的な対策といえるでしょう。
警視庁をはじめとする各都道府県警察の取り締まり情報
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/torishimari/index.html