フェラーリとは|歴史エンブレム性能価格モデル

スーパーカーの代名詞として世界中で憧れの対象となるフェラーリ。その魅力の源泉である歴史、象徴的な跳ね馬エンブレム、F1で培われた技術、現行モデルのラインナップまで、フェラーリというブランドの本質を徹底解説します。あなたもフェラーリの世界に魅了されてみませんか?

フェラーリとは

この記事のポイント
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創業からの歴史

1947年エンツォ・フェラーリ創業、レース活動から生まれた伝統

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跳ね馬エンブレム

イタリア空軍エースパイロットから受け継いだシンボル

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V12エンジン技術

フェラーリの象徴的な高性能エンジンと最新モデル

フェラーリ歴史と創業者エンツォ


増補改訂 フェラーリ・メカニカル・バイブル
フェラーリは1947年、エンツォ・フェラーリによってイタリアで設立されたスーパーカーメーカーです。エンツォはもともとアルファロメオのレーシングドライバーであり、1929年に「スクーデリア・フェラーリ」というレースチームを設立していました。第二次世界大戦後、独自ブランドとしてフェラーリを創業し、初の自動車「125 S」を発表しました。この125 Sには12気筒エンジンが搭載され、高性能を誇る車として、フェラーリブランドのスポーツカーとしての象徴を確立するスタートとなりました。エンツォは「他社は車を売るためにレースをするが、私はレースをするために車を売る」という言葉を残し、レーシングスピリッツをブランド理念の核としました。
参考)フェラーリってどんなメーカー?歴史と各モデルの特徴と魅力!

フェラーリの創業以来の歴史は、モータースポーツと深く結びついています。F1世界選手権が創設された1950年から参戦を続けている唯一のチームであり、2009年までに最多の16回のコンストラクターズタイトルを獲得しています。また、通算最多勝・最多出走など、数多くのタイトルと記録を保持しており、フェラーリの技術力と競争力の高さを証明しています。1969年にはフィアット・グループの傘下に入りましたが、2016年にはフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から独立しました。年間生産台数は約1万台程度にもかかわらず、その時価総額は自動車メーカーの中で常に上位にランクインしており、2024年には850億ドル(約12兆7500億円)を超えました。
参考)フェラーリの魅力解説:歴史、デザイン、最新技術と購入ガイド

フェラーリエンブレム跳ね馬の由来

フェラーリのエンブレムは「跳ね馬」として知られ、イタリア語で「カヴァリーノ・ランパンテ」と呼ばれています。このシンボルの由来は、第一次世界大戦中のイタリア空軍のエースパイロット、フランチェスコ・バラッカと深い縁があります。バラッカは「撃墜王」として国民的英雄であり、撃墜したドイツ軍戦闘機の紋章を戦利品として自分のトレードマークとして採用していました。この紋章がシュツットガルト市の跳ね馬のマークでした。バラッカは若くして戦死しましたが、1923年、エンツォ・フェラーリがレースで初優勝した際、バラッカの母親が息子が使用していた跳ね馬のマークをフェラーリに授けました。
参考)外車のエンブレムについた馬は同じ?ポルシェやフェラーリが好き…

エンブレムの背景にある輝く黄色は、フェラーリ発祥の地であるイタリア・モデナ市の色を表しています。また、エンブレムの上部にはイタリア国旗の緑・白・赤があしらわれており、イタリアへの誇りを象徴しています。この跳ね馬は興奮、パワー、自由を感じさせるシンボルとして、フェラーリブランドのアイデンティティの中核を担っています。エンブレムの誕生から現在に至るまで、跳ね馬はフェラーリの歴史と伝統を体現し続けており、世界中のファンから愛されています。
参考)Ferrari(フェラーリ)のエンブレム『跳ね馬』由来

フェラーリV12エンジン技術とモデル

フェラーリといえばV12エンジンであり、V12といえばフェラーリと言われるほど、両者は密接に結びついています。フェラーリが最初に製造したモデル「125 S」(1947年)に搭載されたのが、ジョアッキーノ・コロンボが設計した「コロンボV12」でした。当初は1.5リッターという比較的小排気量から始まり、その後徐々に排気量が拡大され、多くのロードカーやレーシングカーに搭載されました。コロンボV12はコンパクトな設計で軽量性に優れており、バンク角60度により優れたメカニカルバランスを実現し、スムーズな回転と高回転化を可能にしました。このエンジンは250GTOなど、数々の伝説的なモデルに搭載され、フェラーリの歴史を通じて非常に長く使われました。
参考)フェラーリとV12エンジンとの歩みを見てみよう。初期の「コロ…

現代においても、フェラーリはV12エンジンにこだわり続けています。最新のV12エンジンモデル「12チリンドリ」は、6500ccの排気量から830馬力を発生し、0-100km/h加速2.9秒、新車価格5674万円という圧倒的な性能を誇ります。フェラーリ全モデルの中で最も新車価格の高いモデルとなっています。また、V12エンジンのフロントエンジンモデルも継続して生産されており、その伝統的なレイアウトとパフォーマンスが多くのファンに支持されています。V12エンジンはフェラーリのアイデンティティそのものであり、エンツォ・フェラーリが「12気筒を作るべきです」という言葉から始まった伝統が、現在も脈々と受け継がれています。
参考)【2025最新】フェラーリ全モデルの新車価格をランキングでご…

フェラーリF1とモータースポーツ活動

フェラーリのモータースポーツ活動は、ブランドの根幹をなす重要な要素です。F1世界選手権が創設された1950年から参戦を続けている唯一のチームであるスクーデリア・フェラーリは、フェラーリの技術力と競争力を世界に示す舞台となっています。エンツォ・フェラーリによってアルファロメオのセミワークスレーシングチームとして発足し、独立後は一貫してシャーシとエンジンを内製するフルコンストラクターとして活動を続けています。2009年までに最多の16回のコンストラクターズタイトルを獲得し、9人のドライバーズチャンピオンを輩出しました。
参考)フェラーリ - Wikipedia

フェラーリのF1活動は、市販車の技術開発にも大きく影響しています。レースで培われた技術が市販車にフィードバックされ、より高性能で革新的なスポーツカーが生み出されています。フォーブスによれば、2023年におけるスクーデリア・フェラーリの推定企業価値は39億ドルで、全F1チームの中で最も高い評価額が与えられています。フェラーリは市販車部門とレーシングカー部門が別部門とされていますが、両部門はマーケティングや人的交流などで密接に繋がっており、レーシングスピリッツを創業以来ブランド理念の核としています。​

フェラーリ人気モデルと価格帯

フェラーリの現行ラインナップには、多様な価格帯とコンセプトのモデルが揃っています。最も高価な「12チリンドリ」は5674万円で、6500ccのV12エンジンから830馬力を発生させます。第2位は「SF90ストラダーレ」で新車価格5442万円、ハイブリッドモデルとして4000ccエンジンと電動モーターを組み合わせ、合計1000馬力を実現し、0-100km/h加速2.5秒という驚異的な性能を誇ります。中古車市場で人気の高い「488GTB」は、3.9L V8ターボエンジンを搭載し、最高出力670ps、最大トルク760N・mを発生します。新車時価格は3070万円で、0-100km/h加速3秒を実現しています。
参考)Line-up: フェラーリ公式ラインアップ

近年注目を集めているのが、プラグインハイブリッドモデルの「296GTB」です。2992ccのV6直噴ツインターボエンジンを搭載し、新車価格は3939万円となっています。このモデルは次世代のフェラーリを担う電動技術を盛り込んでおり、環境性能とフェラーリらしい高性能を両立させています。また、オープンモデルとして「488スパイダー」(新車時価格3450万円)や「SF90スパイダー」なども用意されており、ミッドシップのオープンカーとして世界初採用となるリトラクタブル・ハードトップを採用するなど、技術的な革新も進んでいます。フェラーリは限られた年間生産台数(約1万台)により希少性を保ちながら、各モデルで独自の魅力を提供しています。
参考)488スパイダーと488GTBの比較
​youtube​

フェラーリ維持費とオーナー体験

フェラーリの維持費は、一般的な車両と比較すると確かに高額ですが、近年のモデルは信頼性が大幅に向上しています。488GTBを例にとると、年間の維持費総額は約89.4万円~99.4万円(メンテナンス費用除く)と概算されます。内訳は、自動車税6.65万円、自動車重量税7500円、任意保険30万~40万円(フルカバー車両保険付き)、ガソリン代28万円(年間1万キロ走行・燃費5km/L・ハイオク140円で計算)、駐車場代24万円(屋根付きガレージ月2万円で計算)となります。新車購入から7年間は無料メンテナンスが提供されるため、初期オーナーの負担は軽減されます。
参考)一度は乗りたいフェラーリ!維持費はどれくらいかかるの?

フェラーリ348・F355以降の車両は、年間必要な整備はオイル交換レベル(年間約6万円)で十分とされており、2年に一度の車検代は約15万円です。ただし、3万キロに1度のタイミングベルト類・クラッチ交換で約150万円が必要になります。コンディションの良いネオクラシック系または新しめな年式のフェラーリは、2年間で50万~100万円ほどの整備費用が想定されますが、リセール価格がほぼ目減りしないため、トータルコストは一般的な車種とおおむね同程度と見ることもできます。フェラーリオーナーになることで得られる特別な体験、エンジン音、美しいデザイン、そしてオーナーコミュニティへのアクセスは、単なる移動手段を超えた価値を提供します。
参考)https://ameblo.jp/mugio-488/entry-12893934396.html

フェラーリ生産拠点マラネッロとデザイン

フェラーリの本拠地であるマラネッロは、イタリア・エミリア=ロマーニャ州モデナ県にある人口約17,000人の小さな町です。県都モデナから南南西へ14km、州都ボローニャから西へ38kmの距離に位置しており、フェラーリの車名「575Mマラネッロ」はこの町の名にちなんでいます。マラネッロにはフェラーリの工場、本社、そしてフェラーリ博物館があり、世界中のファンが訪れる「聖地」となっています。この地でフェラーリの全モデルが生産され、レーシングカーから市販車まで、すべてがイタリアの職人技と最新技術の融合によって生み出されています。
参考)マラネッロ - Wikipedia

フェラーリのデザインにおいて欠かせないのが、イタリアのデザイン会社ピニンファリーナです。1930年にバッティスタ・"ピニン"・ファリーナによって創業されたこの会社は、フェラーリの多くのモデルをデザインしてきました。「BB」「308」「テスタロッサ」「250GT ベルリネッタ」「365GTB/4デイトナ」など、フェラーリの歴史に名を刻む名車の数々がピニンファリーナの手によって生み出されています。特に現代のフェラーリにもアレンジされ使用され続ける「丸形4灯」をはじめてミドシップモデルで採用したのが、1971年の365GTB4 BBでした。ピニンファリーナとフェラーリの協業は1951年から60年以上にわたり続き、フェラーリの美しいデザインとブランドイメージの確立に大きく貢献してきました。
参考)数々のフェラーリをデザインしたピニンファリーナ

<参考リンク>
フェラーリ公式サイトではラインナップや歴史、技術について詳しく解説されています
フェラーリ公式ラインアップ
フェラーリの歴史を振り返る公式記事では、70年の歩みが詳しく紹介されています
祝!70周年:フェラーリの歴史

<日本語版>FERRARI 70Years ~フェラーリの70年~