日産京都自動車大学校が東京オートサロン2024で発表したエルグランド グラシアは、自動車業界に大きな衝撃を与えました。このカスタムカーは「学生が考えるNEWエルグランド」をコンセプトに制作され、従来のエルグランドの概念を覆す革新的なデザインで注目を集めています。
カスタマイズ科4年生全員が製作に携わり、約6カ月という短期間で完成させた技術力の高さも話題となりました。東京オートサロンでの展示では、多くの来場者が足を止め、その完成度の高さに驚きの声を上げていました。
特に印象的なのは、学生たちが「もし新しいエルグランドが発売されたら、こんなふうになるのでは」という発想から生まれた点です。プロのカスタマイザーとは異なる自由な発想が、既存の枠組みを超えた斬新なデザインを生み出しています。
展示会場では「めちゃくちゃかっこいい!」「きれいな仕上がり」といった称賛の声が多数聞かれ、中には「普通に売れそう」「市販化してほしい」という声も上がるほどの反響を呼びました。
エルグランド グラシアの最大の特徴は、現行エクストレイルのフロントパーツを巧妙に移植した点にあります。この大胆な改造は、単純な部品交換ではなく、エルグランドのボディラインに合わせた精密な加工技術が必要でした。
移植されたパーツには以下のようなものがあります。
これらの部品は、エルグランドの既存のボディに合わせて細かな調整が施されており、まるで最初からそのようにデザインされたかのような自然な仕上がりを実現しています。
特に注目すべきは、エクストレイルの力強いフロントマスクがエルグランドの高級感と見事に融合している点です。SUVの野性味とミニバンの上品さが絶妙なバランスで表現されており、新しいジャンルの車両として認識されるほどの完成度を誇っています。
この技術的な挑戦は、学生たちの高い技術力と創造性を証明するものであり、自動車業界の専門家からも高い評価を受けています。
エルグランド グラシアは、従来のミニバンとSUVの境界線を曖昧にする新しいジャンルの車両として位置づけられています。車高を40mmアップさせることで、アウトドアシーンでの活躍を想定したSUVミニバンへと変貌を遂げました。
この新ジャンルの特徴は以下の通りです。
走破性の向上
アウトドア装備の充実
ファミリー対応設計
このような多機能性は、現代のライフスタイルの多様化に対応した設計思想を反映しています。都市部での日常使いから週末のアウトドア活動まで、一台で幅広いシーンに対応できる汎用性の高さが評価されています。
エルグランド グラシアのボディカラーは、「朝焼け」をイメージした独創的なペイントが施されています。このカラーリングは、青味がかった雲と日の出のオレンジを組み合わせた芸術的な仕上がりとなっており、他に類を見ない独自性を持っています。
このカラーデザインの特徴。
色彩の構成
技術的な挑戦
この独創的なカラーリングは、エルグランド グラシアの「輝く」というコンセプトを視覚的に表現したものです。GLASSIERという名称も、この輝きのイメージから命名されており、デザインの一貫性が保たれています。
朝焼けカラーは、見る角度や時間帯によって異なる表情を見せ、所有する喜びを高める要素として機能しています。このような感性に訴えるデザインは、機能性だけでなく感情的な価値も重視する現代の消費者ニーズに応えるものです。
エルグランド グラシアの登場は、自動車業界に大きな反響を呼んでおり、市販化を求める声が多数上がっています。この反響の背景には、現在のSUVブームと高級ミニバン市場の成熟化があります。
業界関係者からの評価。
デザイン面での評価
市場性への期待
技術的な実現可能性
ユーザーからは「えっ、これ商品化してよ!マジで!」「普通に売れそう」といった熱い反応が寄せられており、潜在的な需要の高さを示しています。
現在の日産エルグランドは2010年の発売から長期間が経過しており、フルモデルチェンジの時期も近づいています。エルグランド グラシアのような斬新なアプローチが、次期モデルの開発に影響を与える可能性も指摘されています。
市販化に向けては、安全基準への適合や量産体制の構築など多くの課題がありますが、学生の自由な発想から生まれたこのコンセプトが、日産の将来の商品開発に新たな視点を提供していることは間違いありません。
日産京都自動車大学校の学生たちが示した創造性と技術力は、日本の自動車産業の未来を担う人材の育成という観点からも高く評価されており、教育機関と企業の連携による新しい価値創造の可能性を示しています。