エンジンターンドアルミニウムとは|腕時計ベゼルの特徴と魅力

エンジンターンドアルミニウムとはどのような技法で、腕時計にどんな魅力をもたらすのでしょうか。航空機のエンジンから着想を得た装飾加工の特徴や、ロレックスなど高級時計に採用される理由、ヴィンテージモデルとしての価値について詳しく解説します。あなたの腕時計選びの参考になる情報が満載です。この装飾技法の秘密を知りたくありませんか?

エンジンターンドアルミニウムとは

エンジンターンドアルミニウムの3つのポイント
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旋盤による精密加工技術

旋盤(ターニング)を使って金属表面に規則的な模様を施す伝統的な装飾技法です

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航空機エンジンからの着想

航空機のエンジンが回転する様子をイメージしたデザインが名前の由来となっています

高級時計の象徴的デザイン

ロレックスなど高級腕時計のベゼルに採用され、エレガンスとスポーティさを両立します

エンジンターンドアルミニウムの基本概念と名称由来

エンジンターンドアルミニウムとは、旋盤(ターニング)を用いて金属表面に幾何学的で規則的な模様装飾を施す技法のことです。この技法の名称は、航空機のエンジンが回転(ターンド)する様子からインスピレーションを得て名付けられたと言われています。特に腕時計の分野では、ベゼルと呼ばれる時計ガラス周りのドーナツ型部品に施される装飾として知られており、高級時計に独特の風格を与える重要なデザイン要素となっています。
参考)301 Moved Permanently

この加工技術は、シルバー製品などの装飾にも古くから用いられており、単なる美的効果だけでなく、素材の強度を補強する意味も持っています。旋盤で回転させながら刃物を当てることで、同心円状の精密な機械加工パターンが生み出されます。アルミニウムのような軽量金属に施されることで、実用性とデザイン性を高次元で融合させることができるのです。
参考)シルバーの技法*エンジンターン

エンジンターンドベゼルの構造と製造プロセス

エンジンターンドベゼルは、「削る部分」と「削らない部分」のパターン構成で成り立っているデザインが特徴です。フルーテッドベゼルのような山型カットではなく、削らない部分が棒状のように残る独特の構造を持っています。具体的には、5分毎の凸部分に鏡面加工が施され、その間の凹部分には放射線状に無数の線が入り、艶消しのような仕上げとなっています。
参考)https://www.mdpi.com/1996-1073/16/1/436/pdf?version=1672393976

製造プロセスでは、旋盤加工(ターニング)という材料を削り取ることで狙いの形状を実現する切削加工が用いられます。回転している材料の外側から切削工具を当てる「外径加工」により、表面をきれいに仕上げながら大まかに狙いの形状に削り取っていきます。この工程には職人技術が要求され、個々のモデルによって異なる魅力を持つ仕上がりとなります。素材にはステンレススチールが多く使われますが、プラチナなど高級素材にも適用可能です。
参考)ベゼルとは?腕時計の魅力を高めるベゼルのデザインと機能 href="https://m.firekids.jp/00/2382/" target="_blank">https://m.firekids.jp/00/2382/amp;#…

エンジンターンドアルミニウムがもたらす視覚効果と魅力

エンジンターンドアルミニウム加工の最大の魅力は、光の当たり方によって表情が変化する立体的な美しさです。繊細な細かい溝と鏡面仕上げの棒状突起が組み合わさることで、光が当たるたびにさりげなく存在感を主張し、腕時計全体にメリハリを持たせます。このデザインは、エレガンスとスポーティさを両立しており、ドレッシーな場面からカジュアルな日常使いまで幅広いシーンに対応できます。
参考)部品で見るロレックス:「ベゼル」について

ロレックスのエンジンターンドベゼルは、現行モデルには採用されていないため、ヴィンテージモデルや旧型モデルでしか見ることができない貴重なデザインとなっています。スムースベゼルでは少し物足りないという方には、面白みのある表情のロレックスとして選択肢になり得ます。他のロレックスユーザーと違いを見せたい場合や、アンティーク感を楽しみたい方にも人気があり、根強いファン層が存在します。
参考)ロレックスの隠れた良作「エアキング “ファインリーエンジンタ…

エンジンターンドベゼル搭載モデルの選び方と注意点

エンジンターンドベゼル搭載モデルを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえる必要があります。まず、このベゼルデザインは現行モデルには採用されていないため、中古品やアンティークロレックスから探すことになります。主にオイスターパーペチュアルデイトやエアキングの旧型モデルに見られ、特にRef.1501やRef.15210などが人気のモデルです。
参考)エンジンターンドベゼルの数少ない一本!Ref.1501

購入時の注意点として、ベゼルの状態を細かくチェックすることが重要です。エンジンターンドベゼルはステンレス素材が多く使われているため、ポリッシュベゼルと比べて小傷は目立ちにくいものの、深い傷や打痕がないか確認しましょう。また、アンティークロレックスは現行品よりも繊細でウィークポイントを持っているため、購入前に信頼できる専門店での検品や、購入後のメンテナンス体制を確認することが大切です。ヴィンテージとしての価値を保つためにも、正規の修理やオーバーホールの履歴があるかどうかも購入判断の重要な要素となります。
参考)https://bbs.kakaku.com/bbs/51609010070/SortID=5442528/

エンジンターンドベゼルの日常メンテナンスと長期保存のコツ

エンジンターンドベゼルの日常的なお手入れは、それほど複雑ではありません。ステンレス素材で作られているため、プラチナを含んだデリケートな素材と比べて扱いやすいのが特徴です。基本的なメンテナンスとしては、マイクロファイバークロスやセーム皮などの柔らかい布で表面のほこりや汚れを優しく拭き取ることから始めます。
参考)ロレックスのメンテナンスの必要性とは?お手入れ方法のポイント…

ベゼルの溝に汚れが溜まった場合は、柔らかめの歯ブラシに軽く石鹸を付けて水洗いする方法が効果的です。お手入れの頻度は1カ月に一度程度が目安となりますが、使用状況に応じて調整しましょう。回転ベゼルではないため、指でゆっくり回転させる必要はありませんが、ベゼルと文字盤の隙間に溜まった汚れは細かいブラシで除去すると良いでしょう。ティッシュで拭くと小傷がつく可能性があるため、必ず時計専用のクロスやメガネクリーナー用のクロスを使用することをおすすめします。​
長期保存の際には、定期的なオーバーホールが不可欠です。ロレックスの機械式時計は3〜5年に一度のメンテナンスが推奨されており、エンジンターンドベゼルを搭載したヴィンテージモデルも例外ではありません。特にベゼルの固定部分や風防との接合部分は、経年劣化により緩みが生じることがあるため、専門技術者による点検を受けることが大切です。保管時は直射日光や高温多湿を避け、時計ケースなどに入れて保管することで、ベゼルの輝きを長く保つことができます。
参考)【ロレックス オイスターパーペチュアルデイト 1501】オー…

ロレックス公式サイト:時計のお手入れとサービス方法の詳細ガイド
コメ兵ブログ:ロレックスのベゼルの種類と特徴を詳しく解説
GINZA RASIN:ロレックスのベゼルの種類をまとめた専門記事