充電しているのに、燃費がリッター8kmを切ることがあります。
エクリプスクロスPHEVの燃費に対する不満の声は、主に「充電なし」で走った時の数値に集中しています。結論からいえば、PHEVは「充電を前提として設計された車」であり、充電しない使い方は設計思想と根本的にズレています。
この車は車体重量が約1,980kgと、同クラスのSUVの中でも重い部類に入ります。コンパクトカー(約1,100kg)の約2台分に近い重さです。さらに、2.4Lのエンジンが発電と走行を同時にこなすシリーズハイブリッド方式を主体としているため、バッテリーが空の状態でエンジンだけに頼ると、エンジンへの負担が想像以上に大きくなります。
バッテリーが空の状態でのハイブリッド走行時の実燃費は、ユーザーの口コミによると12km/L〜15km/L程度が一般的です。カタログ燃費(WLTC)の16.4km/Lと比較すると、条件次第で2〜4km/L程度の差が出ることもあります。
つまり「PHEVなのに燃費が悪い」という感想は、PHEVをガソリン車と同じ感覚で乗り続けた場合に起こりやすい現象です。充電環境が整っていない状況では、重いバッテリーを積んだ普通のSUVになってしまうのです。
みんカラの給油情報(2,572件)では、レギュラー換算の平均燃費は約20.59km/Lと記録されています。これはしっかり充電して使っているオーナーが多数派であることを示しており、使い方次第でカタログ値を大幅に超えることも可能です。意外ですね。
参考:エクリプスクロスPHEVのオーナー実燃費データ(みんカラ)
エクリプスクロス PHEV の燃費(給油情報2,572件)−みんカラ
燃費が悪化しやすい場面は大きく分けて4つあります。それぞれ原因と数字の目安を把握しておくと、対策が立てやすくなります。
① 充電しないまま走り続ける場合
PHEVを充電せずに使い続けると、重量2トン近い車体をエンジンだけで動かしながら、同時に発電も行うことになります。この状態では燃費がリッター12km前後まで落ちることも珍しくありません。ユーザーによっては「チャージモードだけで走ると8km/L台になった」という報告もあります。PHEVを充電しない使い方はNGです。
② 高速道路での長距離走行
エクリプスクロスPHEVのPHEVシステムは、時速70km以下の低中速域でのモーター走行が最も効率的です。高速道路での100km/h以上の一定速走行では、モーターよりエンジンが主に稼働するモード(パラレル走行モード)に切り替わります。さらに130km/hを超えると燃料消費は急増します。高速道路での燃費が悪いのは構造上の特性です。
③ 冬場のエアコン(暖房・デフロスター)使用
PHEVは電気系統で暖房を動かすため、ガソリン車のように「エンジン廃熱を再利用するだけ」とはいきません。冬の暖房はバッテリーの電力を直接消費するため、EV走行可能距離が平時の57km(WLTCモード)から大幅に短くなります。外気温0℃近くでは、EV航続距離が30〜40km台まで縮むことも報告されています。厳しいところですね。
④ 急加速や渋滞の繰り返し
急加速はモーター・エンジン問わず大量のエネルギーを消費します。渋滞での低速ストップ&ゴーは一見EV走行が続くように思えますが、発進のたびにモーターへの負荷が集中し、結果的に電費(電気でどれだけ走れるか)が悪化します。エコな発進が電費改善の基本です。
これら4つの要因が重なると、燃費が10km/L以下に落ちることもあります。逆にいえば、この4つを意識して走れば、燃費は大きく改善できます。
参考:エクリプスクロスPHEVの後悔しやすいポイントと専門家評価
エクリプスクロスPHEVで後悔?欠点といわれる6つのポイントと専門家の評価−newcar.shop
エクリプスクロスPHEVは、満充電時のEV走行可能距離がWLTCモードで57.3kmと公表されています。これはA4用紙の長辺(約30cm)を地面に敷き詰めたとすると、東京駅から神奈川県の海老名駅あたりまで電気だけで走れる距離感です。
ただし急速充電を使った場合は、バッテリー保護のために満充電ではなく80%止まりの充電になるため、実際の走行可能距離は約45kmになります。これも頭に入れておくべき数字です。
バッテリー残量が残っている状態では「EV走行モード(モーターのみ)」が中心となり、静粛性が高く電費も優秀です。ここで注意が必要なのは、バッテリーが残っていてもアクセルを強く踏み込んだ瞬間、エンジンが始動することがある点です。急加速を避けてゆっくり発進するだけで、EV走行の持続時間が変わります。
バッテリーが空になった後は、エンジンが発電しながらモーターで走る「シリーズ走行モード」や、エンジンとモーターが直接駆動する「パラレル走行モード」へと自動で切り替わります。この切り替えはドライバーが操作するものではなく、車速・負荷・バッテリー残量に応じて自動で行われます。
一方で、一切充電なしで旅行した実例も存在します。carviewの口コミでは、往復1,000kmの旅行(半分高速・半分一般道)をエアコン常時稼働で一切充電せずに走った場合、燃費は約20km/Lという記録が残っています。これはシリーズ走行モードとパラレル走行モードがうまく組み合わさった好例ですが、このような結果はコース条件や外気温によって大きく変わるため、常に期待できる数字ではありません。
三菱自動車の公式スペックシート(主要諸元)もあわせて確認しておくと安心です。
エクリプスクロス PHEV 主要諸元(三菱自動車公式PDF)
エクリプスクロスPHEVには、ハンドル左右のパドルシフト(回生レベルセレクター)が備わっています。これを使いこなすことが、燃費改善の最も実践的な方法です。
パドルを引くことで回生ブレーキの強度をB0(惰行)〜B5(最強回生)の6段階で調整できます。B5にすれば、ブレーキペダルを踏まずにアクセルを離すだけで強い減速力が得られ、その減速エネルギーを電気としてバッテリーに回収できます。これはMT車でいう「エンブレ」に相当し、ガソリンを使わずに電気を補充できる走行です。
実際のオーナーからは「パドルシフトで回生ブレーキを積極的に使うようになってから、燃費が体感で改善した」という声が複数寄せられています。これは使えそうです。
以下に、燃費改善につながる具体的な走り方のポイントをまとめます。
| 走り方のポイント | 効果の目安 | 対応モード |
|---|---|---|
| 回生ブレーキ(B4〜B5)を積極活用 | EV走行距離を延長 | 全モード |
| ECOモードで発進 | 無駄な加速を抑制 | ECO |
| ゼロ発進はゆっくりと | 急加速によるエンジン始動を防ぐ | EV/ECO |
| 高速では事前にEV残量を確保 | エンジン稼働を減らす | EV |
| シートヒーターで暖房補助 | バッテリー消費を削減 | 全モード |
| 余裕があれば急速充電を使う | 電気走行分を補充 | ー |
特に「シートヒーター活用」は見落とされがちな燃費対策です。エアコンの暖房はバッテリーから電力を大量に使いますが、シートヒーターは消費電力が少なく、体感温度を効率よく上げられます。冬場はエアコン設定温度を少し下げ、シートヒーターを併用するだけで電費が改善しやすくなります。
また、高速道路に乗る前にバッテリーを満充電しておくと、高速に入ってからのエンジン稼働を抑えられます。SAやPAに急速充電器がある場合は休憩のタイミングで継ぎ足し充電するのも有効です。エクリプスクロスPHEVはCHAdeMO急速充電に対応しているため、多くの高速SAで充電が可能です。
参考:三菱自動車公式の回生レベルセレクター取扱説明
回生レベルセレクター(パドル式)の使い方−三菱自動車 取扱説明書
「燃費が悪い」という感覚は、使い方の見直しチャンスを教えてくれるシグナルでもあります。これは少し逆説的な話です。
エクリプスクロスPHEVの維持費を本当の意味で計算する場合、「ガソリン燃費だけ」を見るのは正確ではありません。電気で走った分のコストは、ガソリンよりはるかに安いからです。
たとえば急速充電1回約400円で約45km走れます(eモビリティパワー・ベーシックプランの場合)。ガソリンで45kmを走ると、燃費15km/L・ガソリン175円/L換算で約525円かかります。つまり充電を活用するだけで、同じ距離をガソリン走行の約76%のコストで走れる計算です。
| 走行手段 | 45km走るコスト(目安) |
|---|---|
| 急速充電(CHAdeMO 30分) | 約400円 |
| 普通充電(自宅・深夜電力) | 約100〜150円 |
| ガソリン走行(15km/L・175円) | 約525円 |
普通充電(自宅で深夜電力を活用)を使えば、電気代はさらに低下します。深夜電力単価(約15〜20円/kWh)で13.8kWhを充電すると、電気代は約207〜276円で満充電になる計算です。これで57km走れるとすれば、ガソリン換算では約95km/L相当という驚異的なコスパになります。
つまり「燃費が悪い」と感じているオーナーの多くは、充電設備を十分に活用できていないケースが大半です。PHEVの本当の経済性は「充電コスト込みのトータルコスト」で見なければ正確に評価できません。
充電環境を整えることが最優先の対策です。自宅への充電器設置は、国の補助金(経済産業省のEV・PHV充電インフラ整備事業費補助金など)を活用することで費用を大幅に抑えられます。充電設備の補助金情報は、自治体窓口や三菱ディーラーに確認するのが確実です。
参考:EVsmartブログによる厳寒期のエクリプスクロスPHEV実走行レポート
三菱エクリプスクロスPHEVで厳寒期の女神湖へ−EVsmartブログ

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