道路整備特別措置法料金を徴収しない車両の種類と条件

高速道路を無料で通行できる車両があることをご存知ですか。緊急車両だけでなく、公務用車両や災害ボランティア車両なども条件次第で料金が免除されます。道路整備特別措置法で定められた無料通行の仕組みを知りたいと思いませんか。

道路整備特別措置法料金を徴収しない車両

📋 この記事で分かること
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緊急車両の無料通行

救急車やパトカーなどの緊急自動車が料金徴収を免除される法的根拠と条件について解説します

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公務用車両の扱い

警察や消防、行政機関が使用する公務用車両の高速道路通行における料金免除の仕組みを説明します

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災害ボランティア車両

災害時にボランティア活動で使用する車両が無料通行できる制度の利用方法を紹介します

道路整備特別措置法における緊急自動車の料金徴収免除

道路整備特別措置法第24条第1項では、道路交通法第39条第1項に規定する緊急自動車については、高速道路などの有料道路を通行する際に料金を徴収しないことが明確に定められています。緊急自動車とは、サイレンを鳴らし赤色の警光灯をつけて緊急用務を遂行している車両を指し、救急車、消防車、パトカーなどが該当します。
参考)道路法上の有料道路で料金を徴収しない車両 - Wikiped…

緊急自動車が高速道路を通行する際は、「公務用カード」と呼ばれる特殊なカードを使用することで料金所を無料で通過できます。このカードはETCレーンでも使用可能で、緊急走行時には自動的に料金が免除される仕組みになっています。
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ただし、救急車が病院へ患者を搬送した後の帰路については、以前は地域によって有料・無料の扱いが異なっていましたが、総務省消防庁の方針により現在は無料化が進められています。緊急走行ではない場合でも、職務遂行中であれば緊急車両として扱われるため、料金徴収の対象外となります。
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道路整備特別措置法に基づく公務用車両の無料通行規定

道路整備特別措置法施行令第6条の規定により、緊急自動車以外にも料金を徴収しない車両が国土交通大臣の告示によって定められています。具体的には、警察庁または都道府県警察において警衛、警護、警らまたは緊急輸送その他の緊急用務のため使用する車両が該当します。
参考)https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/1962/23070200/23070200.html

検察庁において犯罪捜査のため使用する車両や、災害救助・水防活動・消防活動のため使用する車両も、緊急自動車以外であっても料金徴収の対象外です。さらに、当該道路の沿道またはその近傍において国や地方公共団体の職員が防疫活動その他の緊急を要する公務を行うために使用する車両も無料通行が認められています。
参考)道路法上の有料道路で料金を徴収しない車両とは - わかりやす…

当該道路の管理事務に使用する車両についても、道路の維持管理という公共性の高い業務に従事するため、料金徴収が免除されます。ただし、警察部内の会議への出席や管内の巡視など、緊急性がない警察業務については免除の要件に当てはまらないため、すべての公務用車両が無料になるわけではありません。
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道路整備特別措置法と災害救助車両の特別措置

災害時には、道路整備特別措置法に基づき、被災地の都道府県知事の判断により高速道路会社に要請が行われることで、災害ボランティア車両に対する高速道路無料措置が実施されます。この制度は災害救助、水防活動、消防活動のため使用する車両だけでなく、ボランティア活動に従事する一般車両も対象となる点が特徴です。
参考)災害ボランティア車両の高速道路の無料措置について

災害ボランティア車両の無料措置を受けるには、2021年7月からは「災害ボランティア車両高速道路通行証明書発行システム」にアクセスし、必要事項を入力・登録のうえ、システムから発行される証明書を印刷して携帯する必要があります。料金所では一般レーンを通行し、係員に証明書を提出することで無料措置が適用されます。
参考)緊急通行車両、災害派遣等従事車両(災害ボランティア車両)にお…

東日本大震災の際には、原発事故による警戒区域等から避難されている方に対する高速道路の無料措置も実施され、令和8年3月31日まで延長されています。ただし、中型車のうちトラックタイプの車両については、令和7年9月1日以降は対象外となるなど、対象車両の範囲が見直されています。
参考)原発事故の警戒区域等に居住されていた方・居住地が特定避難勧奨…

料金徴収しない車両の沿道住民向け特別措置

道路整備特別措置法では、当該道路の沿道またはその近傍に住居、事務所、事業所等を有する者が使用する車両についても、会社等または有料道路管理者が認めて指定した場合、料金を徴収しない車両として扱われます。この規定は、有料道路の建設により生活道路が分断された地域住民の生活を保障するための措置です。​
具体的には、有料道路の沿道に居住する住民が日常生活で当該道路を通行せざるを得ない場合に、料金免除の対象となる可能性があります。ただし、この措置を受けるには、道路管理者による個別の認定と指定が必要となるため、すべての沿道住民が自動的に無料になるわけではありません。​
また、他の道路の損壊または他の道路若しくはその附近における火災その他異常な事態の発生のために、無料通行代替道路として会社等または有料道路管理者が認めて指定した時間内における通行車両も、料金徴収の対象外となります。これは、緊急時における交通の円滑化と住民の安全確保を目的とした措置です。​

道路整備特別措置法違反時の罰則規定と料金徴収システム

道路整備特別措置法第24条第3項後段の規定に違反して自動車その他の車両を通行させた運転者は、30万円以下の罰金に処せられます。さらに、会社等は料金を不法に免れた者から、その免れた額のほかに、その免れた額の2倍に相当する額を割増金として徴収することができると定められています。
参考)https://www.kdt-kousha.or.jp/site/wp-content/uploads/2023/09/01doroseibitokubetsusochiho.pdf

料金の徴収を確実に行うため、会社等または有料道路管理者は国土交通大臣の認可を受けて、料金の徴収施設及びその付近における車両の一時停止その他の車両の通行方法を定めることができます。この通行方法に従わない場合も、法律違反として罰則の対象となります。
参考)道路公社が定める料金所付近での車両の通行方法についての規定の…

ETCシステムの普及により、料金徴収の効率化が図られていますが、無料措置の適用を受ける車両については原則として一般レーンを通行し、証明書等を提示する必要があります。ETCレーンを通行した場合は通常料金で課金されるため、注意が必要です。不正通行に対しては厳格な対応がとられており、割増金や罰金により抑止効果が働いています。
参考)被災地支援等のために使用する車両の料金無料措置について

国土交通省告示により料金徴収しない車両の範囲が明確に定められていますが、適用条件を満たさない場合は公務用車両であっても料金が発生します。

 

国土交通省告示(料金を徴収しない自動車の規定)- 道路整備特別措置法施行令に基づく料金免除車両の詳細
NEXCO中日本 災害ボランティア車両の無料措置 - 証明書発行システムの利用方法と手続きガイド