ディーラーステッカーが不評を買う最大の理由は、そのデザイン性にあります。多くのオーナーから「デザインも悪くて主張が強いステッカーは貼りたくない」「大体がダサいデザインなのがまず問題」という声が上がっています。
特に輸入車の場合、車両本体の洗練されたデザインに対して、ディーラーステッカーのデザインクオリティが追いついていないケースが多く見られます。マクラーレン東京の例では、720Sから750Sでステッカーがシルバーのカッティングシート製に進化したものの、「TOKYOの文字がやたらと細く、小さい」という問題が発生しています。
また、ステッカーの耐久性も問題となっており、「最初の大きいMの部分がいつの間にか切れていた」という事例も報告されています。これにより、本来は正規品の証明であるはずのステッカーが「中国で作られた怪しいコピー品のような佇まい」になってしまうという皮肉な状況も生まれています。
近年、ディーラーステッカーの貼付に関する販売店の対応は大きく変化しています。従来は「納車されてみたら事前に何の相談も無く勝手にステッカーが貼られていました」という事例が多く見られましたが、現在では顧客の意向を重視する傾向が強まっています。
現在の主な対応パターンは以下の通りです。
この変化の背景には、SNSやインターネットでの口コミ拡散により、顧客満足度への影響が大きくなったことがあります。特に高級車や輸入車を扱うディーラーでは、顧客の美意識やこだわりを尊重する姿勢が重要視されるようになっています。
ディーラーステッカーを剥がす際の最大の懸念は、塗装面への影響です。「塗装された部分に貼られるのはヤダ」「日焼けでもしたらクルマの価値下がる」という声が多く聞かれます。
安全な剥がし方の手順。
ただし、「市販のシール剥がし剤をいろいろと試みたが、剥がすのが大変だった」という報告もあり、完全な除去は困難な場合があります。特に長期間貼付されていたステッカーは、紫外線による劣化で除去が困難になることがあります。
貼付位置による影響の違い。
一方で、ディーラーステッカーには熱心な愛好家も存在します。特にTwitter上では「魅惑のディーラーステッカー」というアカウントが運営されており、様々なディーラーステッカーの写真が投稿されています。
コレクション対象となるステッカーの特徴。
プリンス東京の例では、「根強い人気があるらしく、プリンス東京のモータースポーツ室で品質を向上させ、ステッカーチューンアイテムとして取り扱っている」という事例もあります。これは、単なる販売店の宣伝ツールを超えて、カスタマイズアイテムとしての価値を持つようになった例と言えるでしょう。
コレクション価値の要因。
現在、ディーラーステッカーを取り巻く環境は大きく変化しています。デジタル化の進展により、従来の物理的なステッカーに代わる新しい証明方法が模索されています。
デジタル証明の可能性。
また、環境意識の高まりにより、使い捨てのステッカーよりも持続可能な代替手段が求められています。一部の高級車ディーラーでは、取り外し可能なマグネット式エンブレムや、期間限定の仮貼付ステッカーなどの工夫も見られます。
今後の展望。
ディーラーステッカーは、単なる販売店の宣伝ツールから、オーナーの個性表現や車両の歴史を示すアイテムへと進化する可能性を秘めています。今後は、貼る・貼らないの二択ではなく、より多様な選択肢が提供される時代になるかもしれません。
車愛好家にとって、ディーラーステッカーは愛車との思い出の一部でもあります。購入時の記念として残すか、車両美観を優先して除去するかは、最終的にはオーナー個人の価値観と判断に委ねられています。重要なのは、その選択が尊重される環境が整いつつあることです。