ダカールラリー ランドクルーザー 市販車部門12連覇達成の全貌

ダカールラリーでランドクルーザーが市販車部門12連覇を達成した背景と技術を徹底解説。チーム戦略から車両改造、参戦費用まで詳細に紹介します。あなたもランクルの魅力を再発見できるでしょうか?

ダカールラリー ランドクルーザー 市販車部門12連覇

ダカールラリー ランドクルーザー 市販車部門12連覇の全貌
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12連覇の偉業達成

チームランドクルーザー・トヨタオートボデーが2025年1月のダカールラリーで市販車部門12連覇を成し遂げた歴史的快挙

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技術力と耐久性

ランドクルーザー300 GR SPORTベースの改造技術とE-KDSS等の先進システムが生み出す絶対的な信頼性

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限定記念モデル

12連覇記念特別架装「ラリーレイド」限定12台の超希少コンプリートカーが誕生

ダカールラリー ランドクルーザー 12連覇の軌跡

チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)は、2025年1月のダカールラリー2025において、三浦昂選手とポラト選手のペアで市販車部門1位、バソ選手とギャルサン選手のペアで2位を獲得し、12連覇という偉業を成し遂げました 。この快挙は、1995年からランドクルーザーでダカールラリー市販車部門に連続参戦し続けてきた結果です 。
参考)ランドクルーザー300 RALLY RAID

 

サウジアラビアで15日間にわたって開催されたこの過酷なラリーは、総距離約7,500kmにも及び、砂丘や岩だらけのコース、広大な平原の高速区間など、様々な地形を走破する究極のテストとなりました 。TLCが使用したランドクルーザー300 GR SPORTベースのラリー車は、市販車としての基本性能を保ちながら、ダカールラリーの過酷な環境に対応する改良が施されています。
参考)TOYOTA GAZOO Racing、万全の6台体制でダカ…

 

ダカールラリー車両 改造技術と規則

ダカールラリーの市販車部門(ストッククラス)では、1,000台/年以上生産されている市販車両に規則で定められた安全装置(ロールケージ等)を装備した車両での参戦が義務付けられています 。これは改造車部門とは明確に区別されており、市販車としての基本構造を維持しながらレース仕様にする高度な技術が要求されます。
参考)ダカールラリー&TLCとは?

 

ランドクルーザー300では、市販車と同じ条件で走ることの意義を重視し、通常は各タイヤに1本ずつ付いているショックアブソーバーを、ダカールラリーのルールでは2本まで許されるにも関わらず、敢えて1本で挑戦しています 。この決断は「市販車の良さを最大化する方向で作ろう」という哲学に基づいており、未来のランドクルーザー開発にフィードバックするためです。
参考)ランクル300がダカールラリーに挑む!href="https://toyotatimes.jp/toyotatimes_live/239.html" target="_blank">https://toyotatimes.jp/toyotatimes_live/239.htmlquot;もっといいクルマづく…

 

重要な技術革新の一つが、スタビライザーを電子制御する「E-KDSS」システムです 。このシステムは路面状況に応じてクルマが自動的にセッティングを切り替え、固い路面では安定性を、悪路では衝撃吸収性を提供する相反する要求を両立させています。

ダカールラリー ランドクルーザー 歴史的転換点

ダカールラリーの歴史は1978年に始まり、2025年で第43回大会を迎えました 。初回大会はパリのトロカデロ公園をスタートし、地中海を渡ってサハラ砂漠を越えてセネガルの首都ダカールにゴールする3週間の戦いでした。しかし、2002年のパリスタート大会を最後に、現在はサウジアラビアを舞台とする新たなステージに移行しています。
参考)歴史編

 

TLCにとって特に注目すべきは、2026年大会からストッククラス(市販車部門)の車両規則が大きく改定されるという点です 。これは30年以上にわたり市販車で戦い続けてきたTLCの経験とノウハウが試される新たな時代の幕開けとなります。他メーカーもストッククラスへの参戦を表明しており、競争はさらに激化することが予想されます。
参考)最新ニュース 2025年度

 

この歴史的転換点において、TLCは新しい車両規則に合わせた新型ラリー車の開発を進めており、引き続きランドクルーザー300 GR SPORTをベースとしながら、新規則に適合するよう各所をアップデートしています。

 

ダカールラリー 参戦費用と現実的課題

ダカールラリーへの参戦には莫大な費用がかかることで知られています。バイク部門での個人参戦でも、エントリーフィー約117万円、渡航費約18万円、ラリーマシン購入・改修費約200万円、装備品約20万円、輸送費や諸費用を含めると総額約400万円程度が必要とされています 。
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四輪部門では更に高額となり、一般的に1000万円程度の予算が必要とされています 。これはラリー自体が14日間であることを考えると、1日あたり約71万円という計算になります。このような高額な参戦費用が、ダカールラリーを「金持ちのスポーツ」と言われる理由の一つです。
参考)第8話 ダカールラリーの参加方法 - あたしをダカールに…

 

プロチームレベルでは、車両開発費、輸送費、チーム運営費、スペアパーツ費などを含めると数億円規模の投資が必要とされ、企業の威信をかけたプロジェクトとなっています。TLCのような継続的な参戦には、技術開発投資も含めて年間数十億円の予算が動いていると推測されます。

 

ダカールラリー ランドクルーザー オフロード走破術

ダカールラリーで培われたランドクルーザーのオフロード走破技術は、一般のオフロード走行でも活用できます。基本的な操作として、まずはトランスファーの切り替えが重要です 。通常走行のH4からオフロード走行のL4に切り替えることで、低速での強いトルクが得られます。
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さらに路面状況に応じた駆動力を瞬時に4輪に最適配分する「マルチテレインセレクト(MTS)」の活用も重要です。AUTOモードにしておけば、ドライバー自らモードを切り替えることなく、走行シーンに応じて自動調整してくれます 。
オフロード走行の極意の一つは、タイヤのサイドウォールまで使い切ることです 。急傾斜地での走破では、タイヤの接地面を最大化するため、サイドウォールの膨らみの頂点付近まで路面との接触を保つ技術が必要になります。これは絶妙のアクセルワークと車体姿勢制御により実現されます。
参考)道をつくり、クルマを鍛える──ランクルマイスターが語る、もっ…

 

このような技術は、ランドクルーザーの持つ基本性能と、ダカールラリーで培われた実戦経験の融合により生み出されており、世界最高峰のオフロード走行技術として確立されています。