「付属の保証書があれば書類は不要」だと思って車検に行くと、当日その場で書類不備を指摘されて車検が通らないことがあります。
ブリッドシートが「車検対応品」であるという事実は多くのユーザーが知っています。しかし、「車検対応品=書類なしでも通る」という理解は大きな誤解です。
平成29年(2017年)7月に道路運送車両法の保安基準が改正されたことで、社外シート装着車に対して試験成績書の提示が求められる場面が全国的に増加しました。ブリッドを含む社外シートメーカーの正規品であっても、「それを証明する書類」がなければ検査員の判断で不合格とされるケースが現実に起きています。
必要になる主な書類は次のとおりです。
- 保安基準適合試験成績書(強度証明書類):ブリッド社が全国の運輸局・軽自動車検査協会へ事前提出しているもの。ただし検査場によっては現場での書類提示を求めるため、個別にFAXで取り寄せる必要があります。
- シートのモデル名・品番の確認書類:シート本体に貼付されている保安基準適合タグや品番シール。
- シートレールの品番確認:シートレールにも品番が刻印またはシールで記載されており、車検時に一致確認が行われます。
ブリッドへの書類依頼には「車検予定日・車両所有者名・車両名と型式・ナンバー・シートのモデル名と品番・シートレールの品番」の6項目を準備しておく必要があります。これが条件です。
ブリッド社は書類をFAXで車検場または車検持込業者へ直接送付します。個人宛には送付されないため、依頼のタイミングは車検の数日前には済ませておくのが安心です。
ちなみにブリッドの書類は1脚あたり15〜20枚程度になることもあります。当日に慌てて準備しようとすると間に合わないケースがあるため、余裕をもった事前申請が基本です。
参考:ブリッド公式FAQ(車検・保安基準適合書類の取り扱いについて詳しく掲載されています)
お客様から寄せられた「よくある質問」|BRIDE:ブリッド
「ブリッドのシートさえ正規品なら大丈夫」と思っているとしたら、それは危険な認識です。
車検においてシートとシートレールは「セット」として審査されます。ブリッドの保安基準適合試験成績書は、ブリッド製シートとブリッド製シートレールを組み合わせた状態で試験を行い、その結果として発行されたものです。そのため、ブリッドシートに他社製シートレールを組み合わせた場合、書類の発行対象外となり車検NGになります。
実際、BRIDEの公式サイトでも「BRIDE車検適合シートとの組み合わせでの車検適合となります。他社製品との組み合わせの場合は車検適合としておりません(書類発行も不可)」と明記しています。
この点で特に注意が必要なのは、中古でブリッドシートを入手したケースです。前のオーナーが他社製シートレールを使っていた場合、シートだけが正規のブリッド製であっても書類を揃えることができません。
また、カワイ製作所などブリッド以外のメーカーが作るシートレールにも車検対応品は存在します。その場合はそのシートレールメーカーから別途強度証明書を入手し、ブリッドのシート書類とセットで提出することになります。シートレール1脚あたりの証明書再発行費用は3,000円程度が目安です。
中古でシートを購入する前に、付属のシートレールのメーカーと品番を必ず確認しておくことが重要です。品番がわかれば、後から書類を取り寄せることが可能かどうかも判断できます。
参考:シートレール保安基準書類の発行費用や手順について詳細が掲載されています
シートレールの保安基準について - カワイ製作所
ブリッドシートはフルバケットシート(フルバケ)とセミバケットシート(セミバケ)の2タイプに大別されます。それぞれ車検での扱いが異なるため、自分のシートがどちらに該当するかを把握しておく必要があります。
フルバケットシートの場合、リクライニング機能がないため、2ドアや3ドア車など後部座席への乗り降りがある車種では問題が生じます。道路運送車両法の保安基準では後部への乗降に必要な幅として600mmが定められており、リクライニングできないシートが前席に装着されていると、この基準を満たせない可能性があります。
加えて、フルバケットシートの背面がカーボンやFRPなどむき出し素材の場合、後席乗員に対する衝撃保護の要件を満たしません。これが保安基準第22条に関わる問題です。この場合はシートバックプロテクターの装着が必須になります。
ブリッドの公式ページでも「後部座席のある車に背面カバーがされていないシートを装着の場合は、別売のシートバックプロテクターが装着されていること」と条件として掲げられています。プロテクター自体はブリッドのオプションページから購入可能で、取り付けることで保安基準を満たせます。
セミバケットシートの場合、リクライニング機能があるため2ドア車でも乗降問題がクリアされやすく、背面が布やパッド素材で覆われているものが多いため車検には通りやすいです。ただし強度証明書類の準備は同様に必要です。
「セミバケだから何もしなくていい」というわけではありません。書類の準備はフルバケ・セミバケを問わず必須です。
「なくしてもまた発行してもらえばいい」という感覚でいると、実際に車検が困難な状況に陥ることがあります。
ブリッドの公式見解として、保安基準成績一覧表および製品保証書の再発行はできませんと明記されています。これは他のカー用品と大きく異なる点で、多くのユーザーが見落としています。
では書類がなくなったら本当に車検に通せないのか、という疑問が出てきます。実態としては、ブリッド社は全国の陸運局(運輸局・支局)および軽自動車検査協会に対して、自社製品の保安基準適合証明書類をあらかじめ提出・保管しています。そのため、検査場の判断によっては書類の個別提示なしで通過できるケースも存在します。
しかし、これは「場所によって異なる」という不確実な話であり、特に首都圏や大都市部の陸運局では書類の個別提示を求める運用が厳格化しています。同じブリッドシートでも都市部では不合格、地方では通ったという声がネット上にも多数見られます。
安全策としては、車検が近づいたら事前にブリッドの販売店または直接ブリッド株式会社に連絡し、書類の手配を車検場へ依頼してもらう流れが確実です。また初回の車検時に保管した書類のPDFコピーを手元に残しておくと、次回以降の確認作業がスムーズになります。書類は個人宛ではなく車検場・業者宛に送付される点は変わらないため、早めの連絡が原則です。
参考:ブリッドシート装着車の車検について実体験ベースで詳しく解説されています
レカロ・ブリッドシートの車検の話 - MAI日記!
ここまでの内容を踏まえ、実際に車検を受ける際の具体的な手順を整理します。準備を始める時期と順序が重要です。
【STEP 1】シート・レールの品番を確認する(車検の2〜3週間前)
シート本体に貼ってある保安基準適合タグまたはステッカーを確認します。シートレールにも品番が刻印またはシールで表示されていますので、そちらも合わせて控えます。品番が確認できれば書類申請に進めます。
【STEP 2】車両情報を揃える
車検証を手元に用意し、「車両名・型式・ナンバー・車両所有者名」を正確に把握します。この情報がないと書類の申請が受け付けられません。
【STEP 3】ブリッドまたは販売店に書類を依頼する
ブリッド株式会社(または取り扱い販売店)に連絡し、車検予定日・送付先(車検場または車検持込業者のFAX番号)・上記の品番・車両情報を伝えます。書類はFAXで車検場または業者へ直接送付されます。
【STEP 4】その他の適合条件を確認する(車検前)
フルバケの場合はシートバックプロテクターの装着確認、2ドア車の場合はリクライニング機能の確認、サイドエアバッグ警告灯の点灯がないかなどを事前に整備しておきます。これらを当日に指摘されると再検査になります。
【STEP 5】車検当日
書類が車検場に届いているかを事前に確認してから持ち込みます。書類が届いていない場合は車検が成立しないことがあるため、前日までに確認の電話を入れておくと安心です。
車検当日に慌てないためには、STEP 1から最低でも2週間前に動き始めることが条件です。
なお、ユーザー車検(自分で陸運局に持ち込む)の場合も手順は同様ですが、書類の送付先が「受検する陸運局のFAX番号」になる点が異なります。陸運局によってはFAX受け付けの担当窓口が分かれていることもあるため、事前に受検予定の陸運局へ確認しておくとスムーズです。
参考:バケットシート装着車の車検適合条件と保安基準について分かりやすくまとめられています
『車検に通らない!?バケットシートとは…』 - オートモール水戸

BRIDE (ブリッド) シート用オプションパーツ【 シートバックプロテクター 】P01タイプ (ブラック) P01APO