ビターラ スズキ初量産EV発売価格性能

スズキ初の量産電気自動車「eビターラ」が2025年夏に日本上陸。革新的な電動4WDシステムや独自プラットフォームを搭載し、価格は585万円から。果たして日本のEV市場を変える存在となるのか?

ビターラ スズキ初量産EV

スズキ eビターラ 完全ガイド
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革新的な電動SUV

スズキ初の量産電気自動車として2025年夏に日本上陸予定

先進的な電動4WD

ALLGRIP-eシステムで悪路走破性とEVの静粛性を両立

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競争力のある価格設定

英国価格585万円から、日本市場での価格展開に注目

ビターラ スズキ初EV発売概要

スズキが2024年11月5日にイタリア・ミラノで発表した「eビターラ」は、同社初の量産電気自動車として自動車業界に大きな衝撃を与えました。この革新的なコンパクトSUVは、2025年春からインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始し、同年夏頃から日本を含む世界各国で順次販売が開始される予定です。

 

eビターラという名称は、日本では「エスクード」として親しまれてきたモデルの海外名「ビターラ」に由来していますが、従来のエスクードとは全く異なる新開発のEV専用SUVです。「Emotional Versatile Cruiser」をコンセプトに掲げ、先進感と力強さを併せ持つデザインが特徴的です。

 

ボディサイズは全長4275mm、全幅1800mm、全高1635mm、ホイールベース2700mmと、現在のスズキ国内ラインアップにおけるフラッグシップSUV「フロンクス」を上回る大きさとなっており、スズキの新たなフラッグシップモデルとしての位置づけが明確です。

 

ビターラ スズキ価格設定戦略

英国市場では、eビターラの価格が2万9999ポンド(約585万円)からと発表されており、これが日本市場での価格設定の参考となる可能性が高いとされています。この価格設定は、49kWhバッテリーモデルの基本グレードに適用され、61kWh容量版も用意される予定です。

 

グレード展開については「モーション」と「ウルトラ」の2グレードが設定され、スズキの新しい4輪駆動システム「ALLGRIP-e」もオプションで選択可能となっています。この価格帯は、日産リーフなどの既存EVと競合する水準であり、SNS上では「リーフとeビターラどっちが安いのか気になる」といった声も上がっています。

 

興味深いことに、eビターラはトヨタへのOEM供給も予定されており、これによりスズキの技術力がトヨタからも認められていることが証明されています。この提携により、生産効率の向上と品質の安定化が期待できるでしょう。

 

ビターラ スズキ性能技術仕様

eビターラの心臓部となるバッテリーには、安全性、耐久性、コストのバランスに優れたリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが採用されています。容量は49kWhと61kWhの2タイプが用意され、49kWh版は2WDのみでフロントモーター出力106kW、61kWh版は2WDが128kW、4WDがリヤ48kWを加えた300kWという強力なスペックを誇ります。

 

プラットフォームには、軽自動車から乗用車での知見を積み上げた「HEARTECT」をEV向けに新開発した「HEARTECT-e」が採用されています。このBEV専用プラットフォームにより、EVならではの低重心と広い室内空間を実現しています。

 

一充電での航続距離については、コンセプトモデル「eVX」が550kmと公表されていたため、市販版でもそれに近い数値が期待されています。この航続距離は、日常使用からロングドライブまで幅広いシーンに対応できる実用的な性能といえるでしょう。

 

ビターラ スズキ電動4WDシステム

eビターラの最大の特徴の一つが、スズキの4輪駆動技術の専門知識を活用した電動4WDシステム「ALLGRIP-e」です。このシステムは前後に独立したモーターを配置し、強力な性能を提供するだけでなく、優れた応答性で精密な制御を可能にしています。

 

ALLGRIP-eシステムでは、モーターとデファレンシャルギヤを一体化させたeアクスルを前後それぞれに採用しており、悪路で片輪が浮いた状態でも、LSD機能で駆動を制御するTrailモードが設定されています。これにより、従来のスズキ車で培われた悪路走破性をEVでも実現しています。

 

スズキは現在、SUVのEV分野で4×4をオプションで用意する数少ないブランドの一つであり、同社は4×4技術の豊富な経験を持ち、2025年でALLGRIPブランド55周年を迎える歴史ある技術力を誇っています。この長年の経験がeビターラの電動4WDシステムにも活かされているのです。

 

ビターラ スズキ市場投入戦略の独自性

eビターラの市場投入戦略には、他の自動車メーカーとは異なる独自のアプローチが見られます。まず注目すべきは、生産拠点をインドに置いていることです。これは単なるコスト削減策ではなく、スズキがインド市場で築いた強固な基盤を活用した戦略的な判断といえます。

 

インドでの生産により、新興国市場での競争力を確保しながら、先進国市場にも展開するという「逆グローバル戦略」を実現しています。この戦略は、従来の日本発→世界展開という流れとは異なり、グローバル市場を見据えた現代的なアプローチです。

 

また、eビターラのデザインコンセプト「High-Tech & Adventure」は、EVの先進感とSUVの力強さを併せ持つという独特の価値提案を行っています。エクステリアは大径タイヤとロングホイールベースを特徴とした存在感のあるデザインで、インテリアには先進装備のインテグレーテッドディスプレイやタフな印象のパネルやセンターコンソールが採用されています。

 

さらに興味深いのは、SNSでの反響の大きさです。「eビターラかー!試乗してみたい」「eビターラいいなって思っちゃった」「発売楽しみにしてるから頑張って欲しい」といった期待の声が多数寄せられており、従来のスズキ車にはない注目度の高さを示しています。これは、スズキがEV市場において新たなブランドイメージを構築する機会を得ていることを意味しています。