バイクみたいな車は、主に三輪構造を採用した革新的な乗り物です。従来のバイクと異なり、旋回時に車体を倒す必要がなく、ハンドル操作だけで進路変更が可能です。この構造により、バイク初心者でも安心して運転できる安全性を実現しています。
トヨタのi-ROADから進化したリーン3は、旋回時にバイクのように倒れ込む(リーン)機能を備えながら、三輪による安定性を確保しています。車体サイズは全長2470mm×全幅970mm×全高1570mmとコンパクトで、最小回転半径は3.6mと小回りが利きます。
安全面では、前後輪にディスクブレーキを装備し、ブレーキレバーのロック機構も搭載されています。停車時には足を着いて車体を支える必要がなく、サイドブレーキも備えているため、坂道での停車も安心です。
現在市場に登場しているバイクみたいな車の多くは、電動化が進んでいます。リーン3は後輪インホイールモーターを採用し、リン酸鉄リチウムイオン電池(8.1kWh)により最大100kmの航続距離を実現しています。
EVトゥクトゥクは家庭用100V電源から充電可能で、フル充電にかかる電気代は100〜150円程度と非常に経済的です。充電方法は車体に直接充電器を接続する方法と、バッテリーを取り出して充電する方法の2つがあります。
電動化により、ガソリンスタンドに行く必要がなくなり、まさに「家電」のような気軽さで利用できるようになりました。EVらしいシームレスな加速性能も魅力の一つで、アクセルを開くとグイグイと力強く加速します。
バイクみたいな車は、日本では「側車付軽二輪」として分類されます。これは三輪でありながらバイクと同等の扱いを受けることを意味し、普通自動車免許で運転可能です。別途二輪免許を取得する必要がないため、普段自動車を運転している人なら誰でもすぐに乗ることができます。
車両区分はL5(日本では原付ミニカー)に分類されるモデルもあり、最高速度は日本仕様では60km/hに制限されています。EVトゥクトゥクの場合は時速40kmが最高速度で、原付よりも少し速い程度です。
乗車定員についても制限があり、リーン3は海外仕様では2名乗車可能ですが、日本では1名のみとなっています。EVトゥクトゥクは運転手を含めて3人まで乗車可能です。
バイクみたいな車の最大の魅力の一つが、その経済性です。車検が不要で、軽自動車税も年間3,600円と格安です。重量税は納車時の一度だけ4,900円を支払えば済みます。
駐車場についても、バイクの駐車場を利用できるため、普通自動車よりもかなり割安に駐車できます。もちろん普通自動車の駐車場でも駐車可能なので、スーパーの無料駐車場なども気兼ねなく利用できます。
APtrikesのような125ccエンジン搭載モデルでは、本体価格が52万8000円と非常にリーズナブルです。EVトゥクトゥクは66万円に納車パック(東京エリアで145,000円)が必要ですが、それでも一般的な軽自動車と比較すると大幅に安価です。
バイクみたいな車は実用性も十分に考慮されています。EVトゥクトゥクには屋根が付いており、多少の雨なら雨具を着ることなく走行できます。完全に雨を防ぎたい場合は、別売の雨除けサイドカバーも用意されています。
車内にはステレオスピーカーが搭載され、Bluetoothでスマートフォンを接続すれば音楽を楽しむことも可能です。ハンドル中央部には音楽操作用のボタンも備えています。
特に注目すべきは、バックモニターが標準装備されていることです。リバーススイッチを押すと前面の液晶パネルに後進方向の映像が表示され、後方視界が限られる中でも安全に後退できます。
航続距離も実用的で、EVトゥクトゥクは1回の充電で80km走行可能です。3人乗車した状態でもほぼ同じ距離を走れるため、日常の買い物から少し遠出まで幅広く活用できます。坂道が多い地域では航続距離が短くなる傾向がありますが、平坦な道路であれば十分な性能を発揮します。
バイクみたいな車は、従来の交通手段の枠を超えた新しいモビリティとして、日本の地方部における公共交通の脆弱化を補完する役割も期待されています。多様なモビリティの選択肢が増えることで、地域の活性化にもつながる可能性があります。
これらの車両は、電動アシスト自転車よりも維持費は多少かかりますが、自走する利便性と屋根による快適性を考慮すると、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢と言えるでしょう。クルマに近い使い勝手ながら気軽に乗ることができ、既にクルマを所有している家庭でも「もう一台」として購入するハードルは低いのが特徴です。