外観デザインにおいて、ハリアーとCX-5は明確に異なるアプローチを取っています。
ハリアーは高級感を重視したエレガントなデザインが特徴です。全長4740mmとやや大きめのボディに、緻密に造り込まれた外観デザインを採用。特にテールランプは左右を繋げた端正な印象で、質感の高さを演出しています。内装においても合成皮革ながら上質な仕上がりで、光沢のあるパーツの使い方も凝っており、車内を美しく見せる工夫が随所に施されています。
一方、CX-5はスポーティで力強いデザインが魅力です。全長4575mmとハリアーよりもコンパクトながら、ボンネットを長く見せるデザインでスポーティな印象を強調。内装もATレバーの収まるセンターコンソールが高めに位置し、乗員を囲むような雰囲気で後輪駆動車に似た演出を行っています。
デザインの好みは個人差がありますが、上品で洗練された印象を求めるならハリアー、アクティブでスポーティな印象を求めるならCX-5という選択になるでしょう。
価格面での比較では、CX-5の方が明らかにコストパフォーマンスに優れています。
ハリアーの価格帯。
CX-5の価格帯。
価格差は約85万円と大きく、CX-5の方が装備充実度に対してお買い得感があります。ただし、リセールバリューを考慮すると、多少高価でもハリアーの方が後々有利になる可能性があります。
燃料コストの面では、CX-5のクリーンディーゼルターボが優秀です。WLTCモード燃費17.4km/L(2WD/6速AT)に加え、軽油価格の安さを考慮すると、燃料代はハイブリッド並みに安くなります。
初期費用を抑えたい方にはCX-5、長期的な資産価値を重視する方にはハリアーがおすすめです。
走行性能において、両車は異なる特性を持っています。
ハリアーの走行特性。
CX-5の走行特性。
パワーユニットの特徴も大きく異なります。ハリアーは2Lハイブリッドシステムで電気自動車を思わせる滑らかな加速感を実現。一方、CX-5のクリーンディーゼルターボは実用回転域で力強い駆動力を発揮し、スポーティな運転感覚を味わえます。
快適性重視ならハリアー、運転の楽しさを求めるならCX-5という選択になります。
居住性と実用性の面では、それぞれに特徴があります。
後席居住性の比較(身長170cm大人4名乗車時)。
荷室容量の比較。
運転のしやすさ。
実用性を重視するファミリーユーザーには、後席の居住性に優れるハリアーがおすすめです。一方、荷室の使い勝手と運転のしやすさを求めるならCX-5が適しています。
CX-5は全長の割に荷室長を確保しており、アウトドア用品の積載などに便利です。視界の良さも日常使いでのメリットとなります。
最終的な購入判断において、ライフスタイルと価値観に合わせた選択が重要です。
ハリアーが向いている人。
CX-5が向いている人。
意外な選択基準として、メンテナンス性も考慮すべきポイントです。ハリアーはトヨタの充実したサービスネットワークを活用でき、CX-5はマツダの手厚いアフターサービスが受けられます。
また、将来の電動化対応も重要な判断材料です。ハリアーは既にハイブリッド・プラグインハイブリッドを展開しており、電動化への対応が進んでいます。
最終的には、豪華指向ならハリアー、実用・スポーツ志向ならCX-5という選択になりますが、実際の試乗を通じて自分の感覚に合う方を選ぶことが最も重要です。