シートベルトのバックルが汚れているだけで、エアバッグが作動しなくなることがあります。
エアバッグ警告灯(SRS警告灯)が点灯するとき、多くの人は「エアバッグ本体が壊れた」と考えます。しかし実際には、SRSシステム全体のどこかに異常が検知されたサインであり、原因箇所は非常に多岐にわたります。
まず最も多い原因として挙げられるのが、クロックスプリング(スパイラルケーブル)の断線・接触不良です。ステアリング内部に組み込まれたこの部品は、ハンドルを何千回と切り続けることで内部の配線が少しずつ疲弊し、やがて断線します。交換費用の目安は工賃込みで15,000円〜が相場です。
次に多いのがシートベルトプリテンショナーやバックル部分の不具合です。シートベルトのバックル内部には、ベルトが装着されているかを検知するための接触センサーが内蔵されています。飲み物のこぼれや細かいゴミがバックル内部に入り込んで接触不良を起こすと、エアバッグ警告灯が点灯するケースがあります。つまりエアバッグが原因です。
以下に、7つの主な原因と修理費用の目安をまとめます。
| 原因箇所 | 主なトラブル内容 | 修理費用の目安(工賃込) |
|---|---|---|
| クロックスプリング | 断線・接触不良 | 15,000円〜 |
| シートベルト(プリテンショナー・バックル) | 内部汚れ・センサー故障 | 40,000円〜 |
| エアバッグコントロールユニット | コンピューター不良 | 50,000円〜 |
| 衝撃センサー(各部) | センサー故障 | 10,000円〜 |
| 配線・コネクタ | 断線・接触不良 | 10,000円〜(場合によっては10万円超) |
| バッテリー・オルタネーター | 電圧低下 | 10,000円〜(バッテリー交換) |
| エアバッグインフレーター | ガス発生器の不具合 | 15,000円〜 |
いずれの箇所も「部品を修理して調整する」ことは原則不可です。安全装置のため、交換が大前提となっています。
参考:整備士が解説するエアバッグ警告灯の原因と修理費用の詳細
エアバッグ警告灯が点灯。消し方や点滅の原因について整備士が解説 | 221616.com
エアバッグ本体に問題がなくても警告灯が点灯するケースがあります。これが意外と気づかれにくい落とし穴です。
① バッテリー電圧の低下
バッテリーが劣化してくると、エンジン始動時にエアバッグコントロールユニットへ供給される電圧が一時的に下がります。電圧が規定値以下になると、コンピューターは「システム異常」とみなして警告灯を点灯させます。この場合、エアバッグ自体に問題はありません。バッテリー交換だけで解決するケースも多く、費用は10,000円〜程度です。
ただし注意点があります。バッテリー端子を一時的に外して警告灯を消す方法はNGです。根本原因が解決されておらず、すぐ再点灯するうえ、コンピューターへのダメージを与える可能性があります。
② 着座センサーの断線
助手席シートの座面内部には、乗員が座っているかどうかを検知する「着座センサー(オキュパントセンサー)」が内蔵されています。シートに重い荷物を長期間乗せ続けたり、座面に強い圧力がかかったりすると、このセンサーが断線してエアバッグ警告灯が点灯することがあります。
参考:助手席着座センサー断線によるエアバッグ警告灯の修理事例
BMW 3シリーズ E90 エアバック警告灯点灯 着座センサー修理事例 | ABS修理のJスクエア
③ シート交換・ハンドル交換などのカスタム後
社外品のシートやハンドルに交換した際、エアバッグシステムの配線コネクタが正しく接続されていなかったり、着座センサーが無効化されたりすることで警告灯が点灯します。カスタム好きな方は特に注意が必要です。ハンドル交換後はクロックスプリングの向きを正しく合わせないと断線の原因になります。
これらの原因は意外と多いということですね。エアバッグが壊れたわけではなくても、修理しなければ警告灯は消えません。
警告灯が点いたまま走り続けている方は、車検で痛い目を見るかもしれません。
2017年2月以降、国土交通省・自動車技術総合機構が定める「審査時における車両状態」の規定が改定されました。この改定により、以下の警告灯が点灯・点滅したままの車両は、車検コース(審査レーン)に入ることそのものが禁止されました。
- 🔴 エアバッグ警告灯
- 🔴 ブレーキ警告灯
- 🔴 ABS警告灯
- 🔴 エンジン警告灯(一部)
つまり「とりあえず車検に持ち込んでみる」という方法は通用しません。修理を完了させてから車検を受ける必要があります。
また、道路運送車両法の保安基準の観点からも、エアバッグ警告灯が点灯した状態での公道走行は保安基準不適合の状態とみなされます。日常的に走行しているのは法的なリスクを抱えていることになります。
修理代の目安として、最もよくある原因であるクロックスプリング交換なら15,000円〜、バッテリー交換なら10,000円〜で済むことも少なくありません。放置すれば車検の直前になって急いで高額修理を依頼することになる場合もあります。早めの点検が原則です。
参考:エアバッグ警告灯と車検の関係についての詳細
エアバッグ警告灯が点滅(点灯)・消えない時の対処方法 | グーネットピット
警告灯が点灯してパニックになる気持ちはわかります。しかし焦って間違った行動を取ると、修理費が余計にかさむことがあります。
整備工場へ持ち込む前に、以下の情報をメモしておくと診断がスムーズになり、修理時間と費用の削減につながります。
| 確認項目 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 点灯のタイミング | エンジン始動時のみ?走行中?停車中? |
| 直前に行った作業 | バッテリー交換、シート交換、ハンドル交換など |
| 他の警告灯との同時点灯 | バッテリー警告灯も同時に点いていたか? |
| 異音・振動の有無 | ハンドル周りの異音、シート周辺の違和感 |
| 点滅か点灯か | 点滅している場合は車種固有のエラーコードの可能性あり |
これが整備の基本です。
持ち込む整備工場については、ディーラーが最も確実ですが、地域の認証整備工場でも診断機を持っている店舗であれば問題なく診断できます。JAF会員であれば、ロードサービスを呼んで搬送してもらうことも選択肢になります。
また、整備工場に行く前にリコール対象かどうかを必ず確認しましょう。タカタ製エアバッグ問題をはじめ、SRSシステムには過去に複数の大規模リコールが発生しています。車台番号(VIN)を使って国土交通省の「リコール情報サービス」で検索するだけで確認できます。対象車両であれば無償修理を受けられます。
参考:リコール対象車かどうかを車台番号で確認できる国土交通省の公式サービス
リコール情報サービス | 国土交通省
参考:JAFによるエアバッグ警告灯の原因と対処法の公式解説
エアバッグ警告灯が点灯した場合の原因と対処方法 | JAF
「バッテリーの端子を外してリセットすれば消える」という情報をネットで見かけます。これはやってはいけません。
エアバッグシステムには火薬類(インフレーターの点火装置)が使用されています。コネクタの抜き差しや静電気、誤った操作によってエアバッグが誤作動する危険があります。エアバッグが誤展開した場合、顔面や頭部への衝撃は深刻なケガにつながります。
また、仮に一時的に警告灯が消えたとしても、根本原因は解決されていません。すぐに再点灯するか、さらに複雑な故障に発展するリスクがあります。修理費用が余計にかかることになります。痛いですね。
正しい消し方の手順は以下の通りです。
1. まずエンジンを切って安全な場所に停車する
2. エンジンを再始動する(通常、始動後6〜7秒で自己診断を経て消灯する)
3. これでも消えない場合は迷わずディーラーまたは整備工場へ持ち込む
エンジン再始動でも消えない場合、システムに確実な異常があります。自己解決しようとせず、専門の診断機器を持つプロに任せることが条件です。
診断機によるエラーコードの読み取りは、ディーラーや整備工場で1,000〜5,000円程度から対応してもらえることが多く、まずは原因特定から依頼するのが最もコストを抑えた賢い選択です。これは使えそうです。
参考:エアバッグ警告灯の点灯・点滅の違いと修理フローの詳細解説
【保存版】エアバッグ警告灯の点灯・点滅の違い|車検への影響と修理フロー | トーヨータイヤ On The Road

1860 1個 【国内製造 端子付き】 2.2Ω エアバッグ キャンセラー チップ 抵抗 配線 カスタム パーツ シート交換 警告灯 サイドエアバッグ BRZ インプレッサ GJ/GP レガシィ BM/BR WRX VA フォレスターSJ