移動販売車の許可と場所の取り方を完全解説

移動販売車の営業に必要な許可と出店場所の種類を徹底解説。保健所申請の手順から道路・公園・私有地での許可の違い、無許可営業のリスクまで、開業前に知っておくべき情報をまとめました。あなたは正しい手順を踏めていますか?

移動販売車の許可と場所を正しく理解して開業しよう

無許可で1回営業しただけで、懲役刑と前科がつく可能性があります。


📋 この記事の3つのポイント
🏥
保健所の営業許可が必須

移動販売車で食品を扱う場合、営業エリアを管轄する保健所への申請が必要です。申請手数料は16,000〜19,000円程度です。

📍
場所ごとに必要な許可が異なる

道路・公園・私有地など、出店場所によって申請先と許可の種類が変わります。事前確認が開業成功の鍵です。

⚖️
無許可営業は重大な法的リスク

食品衛生法違反により2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される可能性があります。前科がつくリスクも現実にあります。


移動販売車に必要な許可の種類と保健所申請の基本


移動販売車(キッチンカー)で食品を販売するためには、大きく分けて「保健所の営業許可」と「出店場所ごとの使用許可」の2種類が必要です。どちらか一方だけでは営業できません。


保健所の営業許可は、食品衛生法に基づいて取得する「飲食店営業許可」が基本になります。許可を受けるためには、車内に一定の設備基準を満たすことが条件です。具体的には、給水・排水タンク(最低40L〜)、手洗い専用シンクと器具洗浄用を合わせた2槽以上のシンク、換気扇、石鹸・ペーパータオルの設置などが求められます。給水タンクの容量は提供メニューによって変わり、揚げ物・炒め物程度なら40L、複数工程の調理なら80L、本格的な仕込みを伴う場合は200L程度が目安です。200Lのタンクは家庭用の洗濯機の約2〜3槽分に相当するサイズ感です。


つまり許可条件が厳密ということです。


申請手数料は都道府県によって異なりますが、1件あたり16,000〜19,000円程度です。申請の流れは次の通りです。











ステップ 内容 目安期間
①事前相談 管轄保健所で設備・書類の確認 営業開始の1〜2ヶ月前
②車両の準備 保健所基準に沿った設備の整備 並行して進める
③資格取得 食品衛生責任者の資格を取得(講習約6時間) 受講費:約12,000円(東京都)
④申請書類提出 申請書・図面・資格証明書などを提出 営業開始の10日〜2週間前
⑤車両検査 保健所に車両を持ち込んで検査 審査結果は約1週間
⑥許可証の交付 合格後に営業許可証を受け取る


食品衛生責任者の資格は必須です。事前に余裕を持って取得しておきましょう。


参考:保健所の申請手順や食品衛生責任者の取得方法について詳しく解説されています。


【2026年最新版】キッチンカーの営業許可を取得するには? モビマル


移動販売車の出店場所と必要な許可の違い一覧

営業許可を取得しても、どこでも自由に出店できるわけではありません。出店場所によって、追加で必要な許可や申請先が異なります。これを知らずに出店すると別の法律に抵触します。


場所ごとの対応を整理すると、以下のようになります。



  • 🏢 私有地(オフィスビル・駐車場・空き地など):土地の所有者または管理会社から使用許可を取れば出店可能。行政への届出は原則不要で、最もハードルが低い出店形態です。

  • 🌳 公園・公共広場:自治体(市区町村)への使用申請が必要。場所や自治体によっては抽選制になっている場合があります。出店料は1日あたり5,000〜15,000円程度が相場です。

  • 🎉 イベント・お祭り会場(道路を使用するケース):道路使用許可(3号許可)を管轄警察署の交通課へ申請します。手数料は約2,000〜2,500円。ただし通常の個人営業目的での道路使用許可はほぼおりません。

  • 🛍️ 商業施設・ショッピングモールの駐車場:施設の管理会社との契約が必要。場所代は売上の10〜20%を徴収される形式が多く見られます。


道路での個人営業は原則NGです。


「道路使用許可(3号)」は、あくまでも地域のイベントや祭礼など「公益上・慣習上やむを得ない」と警察署が認めた場合にのみ交付されます。「人通りが多いから道路に出たい」という理由では、まず許可が下りないと考えておきましょう。特にキッチンカーが交通の妨げになる可能性があると判断されると、申請自体が却下されます。


現実的な出店候補は、私有地・公園・イベント会場・商業施設の駐車場の4つに絞られることが多いです。まずは出店実績のある場所から狙うのが、最も効率的な方法です。


参考:道路使用許可の種類と申請方法が詳しく解説されています。


キッチンカーの道路使用許可とは?概要と取得方法を解説 | フジカーズジャパン


移動販売車の営業許可は都道府県をまたぐと別途申請が必要

「一度許可を取れば全国どこでも使える」と思い込んでいる方は少なくありません。これが大きな落とし穴です。


移動販売車(キッチンカー)の営業許可は、基本的に「1つの都道府県内」でしか効力がありません。東京都で取得した許可は千葉県では使えず、千葉県での営業には千葉県の保健所への別途申請が必要になります。複数の都道府県でイベント出店を考えている場合、許可の取得件数が増えるほど費用も積み上がります。1件あたり16,000〜19,000円ですから、5都道府県で出店すれば許可費用だけで最大9万5,000円になる計算です。


費用面に注意が必要ですね。


ただし、2021年6月の食品衛生法改正により、車両設備の基準が全国統一されました。この改正によって、多くの都道府県では「1つの保健所で申請すれば、その都道府県内全域で営業OK」というルールが新たな常識になっています。


主要な都道府県の対応状況は以下の通りです。



  • 東京都:都内一円(23区・多摩・島しょ部を含む)で営業可能

  • 神奈川県:横浜市・川崎市を含む県内一円

  • 大阪府:大阪市・堺市を含む府内一円

  • 福岡県:福岡市・北九州市を含む県内一円


さらに先進的な事例として、2025年6月から関西広域連合(大阪府と和歌山県)で府県をまたいだ営業許可の乗り入れが全国初で始まりました。今後この取り組みが全国に広がれば、県外出店のコスト・手間が大幅に削減される見通しです。


いいことですね。


参考:都道府県別の許可範囲と県外遠征の申請戦略について詳しく解説されています。


キッチンカー営業許可「県内フリーパス」「県外遠征」申請ガイド | 栗原行政書士事務所


移動販売車の出店場所の探し方と代表的な方法

許可を取得した後の最大の課題が、出店場所の確保です。実際にキッチンカーの廃業原因として最も多く挙げられるのが「出店場所を確保できない」ことであり、許可取得と同じかそれ以上に重要なテーマです。場所探しが事業の明暗を分けます。


主な出店場所の探し方は4つあります。


① マッチングサービスを活用する


「モビマル」「キッチンカーデル」などのマッチングサービスは、出店スペースを貸したい土地オーナーと、出店したいキッチンカーオーナーをつなぐプラットフォームです。個人で土地所有者に交渉するよりも成約率が高く、初心者でも使いやすいのが特徴です。これは使えそうです。


② SNSやウェブで出店募集情報を探す


商業施設や地域イベントの公式サイト、SNSでは「キッチンカー募集」の情報が定期的に掲載されます。特にX(旧Twitter)やInstagramでは担当者が直接告知するケースも多く、公式サイトよりも早くキャッチできることがあります。


③ 自治体・公園管理事務所に直接問い合わせる


地域密着で安定した出店場所を確保したい場合は、地元の商工会議所・観光協会・公園管理事務所に問い合わせる方法も有効です。公園は比較的出店料が安く(1日5,000〜15,000円程度)、許可が取れれば継続的な出店につながりやすいです。


④ 直接交渉でスポットを確保する


オフィスビルや商業施設の管理会社に直接アプローチする方法です。初期コストがかからないメリットがある一方、交渉スキルと法的知識が必要になります。必ず書面で契約を取り交わしましょう。


どの方法でも、最初に確認すべきことは「そこにキッチンカーの出店実績があるかどうか」です。出店実績のない場所は新規交渉のハードルが非常に高く、初心者には特におすすめできません。出店実績がある場所から着実に増やしていくことが、安定営業への近道です。


参考:おすすめの出店場所6選と探し方が詳しくまとめられています。


キッチンカーの出店場所おすすめ6選!場所代の相場や探し方を解説 | foods route


移動販売車の無許可営業が招く法的リスクと注意点

「少し試してみるだけ」「1回だけなら大丈夫」という気持ちで無許可営業に踏み切る方が実際に存在します。しかし、その1回が取り返しのつかないリスクにつながります。


食品衛生法に基づく営業許可を取得せずに移動販売を行った場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金(またはその両方) が科される可能性があります。これは行政罰ではなく刑事罰であるため、前科がつきます。前科とは、就職・ビザ申請・融資などに影響する記録として残るものです。


罰則は厳しいですね。


また、道路上での無許可出店は道路交通法違反にもなります。道路交通法違反の場合は「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」が追加で科される可能性があります。公園での無断出店は都市公園法違反になるケースもあります。


さらに見落とされがちなリスクとして、食中毒や衛生問題が発生した際の「民事上の損害賠償責任」があります。無許可営業中に食中毒が発生した場合、保険が適用されないことが多く、全額自己負担になる可能性があります。


リスクは複数あります。


許可取得にかかるコストは、申請手数料16,000〜19,000円と食品衛生責任者の受講費用(約12,000円)を合わせても約3万円程度です。この投資を惜しんで無許可営業に踏み切ることは、数百万円規模の損失や前科のリスクと引き換えにする行為です。開業前に必ず正規の手順を踏むことが、長期的な経営安定につながります。


参考:無許可営業の具体的な罰則内容がまとめられています。


営業許可を取らずに営業したらどうなる?違反のリスクと知っておくべきこと




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